SNSリスク対策担当です。
企業向けにSNSリスク対策サービスを提供しているアディッシュでは、定期的に企業の炎上分析を実施しています。2023年8月号より炎上分析をブログとして公開開始し、今回はその第2回目ということで、2023年9月の炎上分析を実施したいと思います。
※2023年9月1日~30日を集計対象期間としています。
※全39件
2023年9月の全炎上事案39件のうち、約半数である51%の炎上対象が企業でした。
省庁や自治体が炎上した件数としては全体の10%であり、この比率はほぼ先月(2023年8月)と同程度となっています。
話題として登場頻度が多かったのは、芸能事務所の性加害に関する話題です。9月の記者会見に対する反響のほか、10月に実施された記者会見に関しての事前の会見内容の予想などもXを中心に連日多数の投稿がなされました。
※当該事案は「企業」の中に含まれています。話題は常時出ていましたが、件数としては「1件」でカウントしています。
全39件のうち、SNSの投稿が起点となり炎上した事案が全体の6割以上となりました。前月は36%でしたので、26ポイントもの上昇を見せています。
中でも、9月においては飲食店の投稿による炎上が目立っています。外国人旅行客が予約をドタキャンしたことに関する老舗割烹の不用意な投稿や、ラーメン店主とインフルエンサーによる背脂有料論争などがありました。
9月は、自治体関連の炎上も目立ちました。いくつかピックアップします。
まずはA自治体の公立中学校の修学旅行の行き先が次年度より海外に決定したことが話題になりました。自治体で1人当たり60万円以上の費用を負担するという内容です。こちらはSNSでの情報発信が炎上の起点というわけではありませんが、SNS上での賛否両論、格差問題の指摘など、関心が大変高まりました。
一方、SNSでの発信が起点となった炎上としては、B自治体のPR動画が挙げられます。市長が若い女性とホテルに入っていく、あたかも不倫をしているようなイメージのPR動画で、TikTokで発信されたものです。セクハラや女性蔑視に当たるという指摘が相次ぎ、市長が記者会見で謝罪を行っています。
また、C自治体が運営する美術館においても、特別展の案内をXで投稿したところ、取り上げているアート作品が女性をモデルとした性的な内容を連想させるもので、やはり女性蔑視との指摘を受け大炎上しました。
自治体がSNS上の発信で炎上する事例は過去にも多数起きています。PRの効果を高めるためにインパクトのある内容を発信するのは必要なことではありますが、悪ふざけが高じてセクハラと受け止められかねない内容を発信することは、自治体はもちろん企業も十分配慮しなくてはなりません。
各種メディア等にて取り上げられた、主に国内の炎上事例をカウントし集計しています。
SNSが起因となっている事案だけでなく、SNS発ではないものも含みます。
企業及びその従業員、官公庁などを中心に取り上げていますが、政治家、芸能人、アイドル、論評家等の不用意な発言による炎上事例は取り上げていません。
ただし、SNSを主戦場とするインフルエンサーやYouTuberなどについては、カウントしています。
アディッシュのインターネットモニタリング事業では「公益に資するインターネットをつくる」という事業ミッションのもと、企業のソーシャルリスク対策全般を支援しています。SNSアカウント監視、ソーシャルリスクモニタリング、従業員向けSNS研修サービス、SNSガイドライン策定支援などを通じて、企業のソーシャルリスク・風評被害を最小限に抑えます。