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社員インタビュー:G検定合格とアノテーション事業の今後について語る(データデザインチーム 大貫留美子)

AI(人工知能)、DX(デジタルトランスフォーメーション)、データサイエンティスト、データ・ドリブン経営……。昨今ビジネスシーンで見かけることが多いこれらの用語は、「データ活用」に関連するという共通点があります。ソーシャルメディアネットワークにおけるデータに注目した業務を長年進めてきたアディッシュでも、サービスの枠組みを顧客のデータ活用支援に広げさらに注力していく構えです。新組織「データデザインチーム」に所属するデータデザイナーの大貫がこのたび「G検定」に合格したことから、受験の背景とともに今後への抱負、将来の展望について話を聞きました。

アディッシュ株式会社
オンラインコミュニティ事業部 データデザインチーム データデザイナー
大貫 留美子

前職は市場調査会社にて上級研究員として勤務。2014年11月、社会的に問題視され始めたソーシャルリスク対策のサービス構築のため呼び声がかかり、アディッシュへ入社。以来、ソーシャルリスニングを担当してきた。肩書きはアナリストだが、現場に入りお客様の課題に触れてきたことでSNSのリスクを熟知している。実務に携わりながらソーシャルリスニング実践ノウハウをまとめ、サービス構築に貢献。

2020年に入り、新設の部署「データデザインチーム」にアサインされ、新規事業「アノテーション代行サービス」の立ち上げとデータ活用支援にデータデザイナーとして従事。2020年第2回 G検定(ジェネラリスト検定)に合格。

新規事業「アノテーション代行サービス」を担当

Q:所属されている部署について教えてください。

 はい。所属はデータデザインチームという新設部署です。データ活用支援のために今年度から作られた、まだ2名の小さな組織です。機械学習やディープラーニングを使った業務に必要なデータをキレイに整形して提供するアノテーションサービスを実施しています。アノテーションサービスは、大量データを収集して適切に分類するという点でこれまでの業務とかなり似ているので、モニタリング事業で培ってきたノウハウが活きていると感じています。

 ただ、アノテーションは入り口の一つであり、本質的には「顧客のデータ活用支援」がミッションだという理解です。アディッシュ経営陣も、経営や事業判断の場面でデータ・ドリブンを重視するスタンスですので、データ活用の価値提供に向けた新しい取り組みとして注力する方針だと受け取っています。

 

Q:実際にどのようなお仕事が多いのでしょうか。

 現在はBtoB事業のお客様の業務支援を行っています。具体的には、特定の資料上のデータからお客様が指定する文言を抽出して分類を行うアノテーション作業です。

 もともとお客様はこの資料の審査を他社へ委託していてコスト削減が課題だったようですが、私たちにはソーシャルリスニングで培ったデータ分類のノウハウがあり効率的に業務を進められるため、比較的コストを抑えることができます。現時点では専用のツールなどを使わずに原始的な方法で作業を進めていますが、的確かつ正確なデータ分類を短納期で対応できるだけの体制があるというのも私たちの強みです。対象がSNSではなくお客様の指定する特定のデータだというだけで、業務内容は非常に似ていると感じています。

 お客様は将来的にはAIを導入し自動検索することを考えているため、機械学習に向けた教師データ作成とも言える業務です。後から活用しやすいように抽出する文言を揃え、データ整備をお手伝いしている状態です。

データ活用の専門家としてお客様と向き合うため、G検定合格を目指す

Q:G検定合格おめでとうございます。受験のきっかけは何だったのでしょうか?

 ありがとうございます。でも実は私もデータデザインチームにアサインされるまでG検定の存在を知らなかったんです。江戸さん(社長)に教えていただいて、新しいチームで仕事をしていく上で今年の目標の一つに掲げました。それまでは存在も知らなかったし、役に立つかもわからなかったですね。

 そもそもG検定とは、ディープラーニングを事業に活かすための知識を有しているかを検定するものです。ディープラーニング技術に関する最新知識だけではなく、AIの歴史や機械学習の基礎、AI利活用時に不可欠な知識である法的リスクや倫理を取り巻く議論など、幅広く学びます。AIの実務を担当する人が取得すると良い資格であって、現状では私の実務に必須ではありません。でも、お客様になるであろう相手はAI化を進めたい人たちです。アディッシュがラベリング支援以上の価値あるサービスを提供するために、お客様が依頼してくださる背景や目的をしっかり理解できるよう同様の知識を身に付けたいと考えました。

 

Q:受験中の手応えはいかがでしたか。

 難しかったです。まず、歴史、統計、数学と幅広い知識が必要とされますし、専門用語も多く使われています。文系出身の私にはハードルが高いと感じる分野もありました。それに情報がどんどんアップデートされていくので、カバーできるようついて行くのが大変でしたね。2020年3月発刊の問題集を使っていたのですが、そこには記載されていないような新しいテーマが出題されたりするんです。

 まあ「受かります!」と言ってしまった手前プレッシャーもかかりましたし、まだマイナーな資格なので誰かと共有しながらがんばるということもできなくて。ネットで他の受験者の投稿ばかり追ってみたり、苦しい時もありました。

 

Q:実際に合格して変わったと感じることはありますか?

 そうですね。無事に合格してよかったと素直に思います。データ活用の専門家としてお客様と目線を合わせて会話できるという自信につながりました。実際のお客様の窓口は実務担当者であることが多く、AI推進の担当者ではないことがほとんどです。それでもお客様がAI推進で目指していることが本質的に理解できるというのは大切なことだと思います。

 意外だったのは、受験を通して関連法令や法律用語の知識を身に付けられたことです。データ活用の専門家として法律上の観点から提言できるようになれば、アディッシュの仕事の価値をあげることにつながるので、これは学べて良かったと思います。

 それから、データを扱うことが以前にも増して楽しくなったように感じます。いまや業種や企業規模にかかわらずデータ活用のニーズはありとあらゆる業務に広がっていて、取り扱うデータ自体もテキストに限らず画像や動画など色々な種類のものが考えられます。自分でコードを書けるわけではないのですが、今回AIの知識を得たことで社内のデータを使って色々試してみたいという積極的な気持ちが出てきましたね。

現場経験とチームの力を武器に、データ活用に貢献するサービスを確立していく

Q:大貫さんが考えるアディッシュの強みとはなんでしょうか。

 なんといってもモニタリング事業での豊富な実績とそれを支えるスタッフの力量です。いまはAIの開発、導入事業をスタートとしてアノテーション領域にサービスを拡張する会社も少なくありません。こうしたシステムに強い会社のアノテーションサービスでは、直接人を雇用して体制を作るのではなく、派遣やクラウドソーシングを利用して必要な人員を集めているケースが多いと聞きます。

 一方でアディッシュは、モニタリング事業を推進するなかでスタッフを直接雇用し、そのスキームを構築してきました。これは私の見方ですが、アディッシュはIT企業というよりも人に関するBPOが得意な会社です。直接雇用でチームを育て、顔の見えるスタッフ同士が会話ができる環境にあるというのは、プロジェクトごとにあちこちから人を集めるのとは大きく違います。気心知れたチームの方がプロジェクトマネジメントもしやすいですし、お客様に運用部分が見えないという不安を与えることもありません。窓口からのケアがしっかりと行き届く分、クオリティも高く維持できます。

 

Q:将来の展望についてお聞かせください

 はい。いまはまだラベリングの支援など単発のシンプルな業務がほとんどですが、今後はぜひ継続的にお付き合いいただけるようなサービスの提供を目指していきたいですね。本当は機械学習用の教師データも、作ったらそれで終わりではいけないと思っています。AIの精度を高めていくためには、教師データも定期的にメンテナンスをして用語のチューニングなどを行う必要があるのです。上流にあるAIのコンサルティング領域とも違う、データに触れる現場ならではの視点からお客様のAIの質を高めるサポートをしていきたいです。

 個人的には、モニタリング事業で関わることの多かったWEBサイト活用やSNS運用を意識的に進めている会社とは全く違うタイプのお客様との出会いにもワクワクしています。データ・ドリブンの経営、事業推進は業界も規模も関係ありません。しかも、社内の業務改善、新規事業創出、サービス品質の見直し…とデータ活用で何をしたいかもお客様ごとに違うはずです。さまざまなお客様とお付き合いさせていただくなかで、そのデータ活用、AI導入の成功に自分たちがどう貢献できるかをカタチにしていきたいです。