製品やサービスに対する不満やご意見、ご要望の窓口としてカスタマーセンターがあります。ただし、企業に対して直接話すのではなく、SNSに書き込む消費者も増加しています。SNSリスニングの結果として得られる「消費者の声」にはどのような特徴と活用方法があるのでしょうか。
現在でも、引き続きその役割を果たしていますが、ソーシャルメディアの登場によりカスタマーセンターだけが消費者の声をキャッチする場所ではなくなっています。
カスタマーセンターに連絡するまでもない不満はこれまでにもありました。また、消費者によっては強い不満を持っていたとしても、心に止めておいた可能性もあります。
カスタマーセンターも、担当者とチャットでやり取りできるなどオンラインを活用した変化が起こっています。ただし未だに消費者として、企業と直接対話することの心理的ハードルは高く、必要性がなければ利用はしません。
しかし、SNSへの書き込みはあくまでも独り言としての「つぶやき」です。購入した商品が気に入らなかった場合、気軽に不満を発信するでしょう。
自社について、自社の製品やサービスについて、SNSをモニタリングすることで、これらの書き込みをキャッチすることができます。
SNSモニタリングはカスタマーセンターの代替にはなりません。これまで表に出てくることのなかったご意見を拾い上げる仕組みとして、リスクの察知やマーケティング活用のための情報を入手していくものです。
一方でSNSモニタリングにおいては、そもそも企業相手にメッセージを送っている訳ではありません。独り言としてつぶやかれた内容から真意をつかまなければならないでしょう。
書き込む文章量の少ないSNSにおいては、略語や愛称を用いることも一般的です。また、いわゆる「ネットスラング」と呼ばれるような特有の言葉も頻繁に登場するため、ある程度インターネットのコミュニケーションに慣れている必要もあります。
以上のように書き込みの内容を正しく把握した上で、分類を行います。例えば、商品そのものに対するご意見か、それとも商品の使用法についてのご意見か、最終的にSNSモニタリングの結果を活用するために整理が必要です。
文字にすると、情報の発信者の意図が伝わりにくくなってしまいます。褒めているようでも皮肉を言っている可能性もあります。言葉だけを見て、判断をするのではなく、書き込み全体を捉えるべきかもしれません。
SNS書き込みを分類した情報は社内の関係部署によって活用されます。「消費者の声」は商品やサービスについての不満からTVコマーシャルについてのご意見まで幅広いと思われます。
ここから先は既存のカスタマーセンターの仕組みと連携できるかもしれません。
ただし、カスタマーセンターで収集したデータとの温度感には要注意。SNSモニタリングで得られる情報は、顧客自身が不満の原因を特定できておらず「何となく」の書き込みである可能性も否定できません。
SNSに書き込まれる不満の重要度を把握するためにある程度は継続して観察する必要もあるでしょう。改善のために情報を届ける社内の関係者にもカスタマーセンターに集まる情報とは若干違うことを知っておいてもらうべきかもしれません。
SNSモニタリングによって、収集できる顧客の不満の幅が広がりました。その中にはリスクの火種やマーケティングに活かせるデータなど重要な情報が入っていることでしょう。
より積極的に対応する「アクティブサポート」とSNSモニタリングの関係については「アクティブサポートを始める前に! SNSモニタリングで評判分析」をご覧ください。