Facebookで「料理動画」を目にする機会が増えたと思いませんか?
2015年ごろから動画投稿を推奨していたFacebookですが、当初は短い動画が多く投稿されていました。しかし、2016年にはそれぞれの動画のクオリティが向上。自動再生も追い風となって、たくさんのユーザーを楽しませるようになっています。
かつて企業は自社のWebサイトにコンテンツを充実させ、検索からの流入を増やす施策を行ってきました。やがて、ソーシャルメディアが自社サイトへの流入において大きな役割を果たすようになります。
最近では必ずしも自社サイトを持つ必要はないという考え方も浸透しつつあります。FacebookやTwitterなど「すでに人が集まっている場所」でユーザーにコンテンツを届ける「分散型メディア」と呼ばれる形態が注目を集め始めています。
これらの「分散型メディア」には自社サイトが存在しません。コンテンツは「本編」としてソーシャルメディアに配信され、自社サイトなどへ誘導させることなく完結します。そのためビジネスを成立させる方法に課題がある一方で、自社サイトを運営するコストがかからないというメリットもあります。
いわゆる「バズる」コンテンツをソーシャルメディアに拡散させることに挑戦する企業が増えています。そのとき、リスクの観点から注意すべきことは何でしょうか?
「分散型メディア」は、自社メディアを持ちません。
つまりは誘導先が存在せず、FacebookやTwitterなどの各プラットフォーム上でコンテンツが完結します。
そのため一瞬でユーザーの注目を集め、短時間で多くの情報を伝えられる動画コンテンツが「分散型メディア」においては有効活用されています。
それではどのような点に注意してコンテンツを準備すべきでしょうか。
基本的にはテキストや画像を主体とするコンテンツと同様の注意すべきポイントがあります。
料理動画などハウツー系のコンテンツであれば、ユーザーは実際に真似をするでしょう。その際に安全に配慮できているかは注意すべきポイントです。実際に料理動画において、衛生上問題があるという指摘がFacebookのコメントに書き込まれることは少なくありません。
「政治的に正しい」とされるポリティカル・コレクトネス。動画コンテンツにおいて差別や偏見を助長するような表現がないかをチェックすることは重要な視点です。
ポリティカル・コレクトネスは必ずしも遵守するべきものとは限りません。ただし、ポリティカル・コレクトネス的にリスクがあるかどうかは少なくとも把握し、配慮する必要はあるでしょう。
動画コンテンツにおいても、権利関係は当然ながらクリアにしておくべきです。
そもそもFacebookの仕様によって、著作権のある音楽だと判定されれば投稿できない場合もあります。
すでに古くなってしまった情報をFacebookやTwitterなどのプラットフォーム上に放置はできません。過去にどのような投稿を行っているのか、いつまで掲載をすべきかはきちんと管理すべきかと思われます。
以上が代表的な注意すべきポイントです。
「バズらせる!」ということに集中するあまりにこれらのようなポイントを見失わないように注意したいところですね。
動画コンテンツが集まるプラットフォームの運営企業にとっても注意すべき点があります。
前述のようなポイント(安全性やポリティカル・コレクトネスなど)に配慮のない動画にプラットフォームとして対応する必要があるでしょう。
国内においては2016年末に「キュレーションサイト騒動」が発生しました。キュレーションサイトがメディアか、プラットフォームかという点については議論があります。ただし、問題のあるコンテンツの掲載を放置することは、法的な解釈だけでなくユーザーに対しての印象としても得策ではないと考えられます。
Facebookはフェイク・ニュースへの対策を宣言しています。このように運営会社も社会的な責任を果たすことで高い評価を得るようになるかもしれません。
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