消費者生成メディア(CGM)型のビジネスモデルが確立され、多くの成功事例も生まれています。これからもあらゆるジャンルのCGMが世の中に送り出されていくことが予想されます。
CGM成功の鍵は積極的なユーザー参加。
多くのユーザーがサイトに訪れるだけでなく、コンテンツを作成する必要があります。その際にユーザーが積極的に関わろうとするモチベーション設計が求められます。
例えば仲間しか見られないSNSグループ内で、何かを質問されたら自然に答えるかと思います。自分の役割を果たすことで、コミュニティ内部から対価を得られるのであれば十分な動機となるでしょう。
関係性の強いコミュニティであれば、自分が得ているものに報いるという感情も起こると考えられます。
もしも十分な見返りを得られなかったとしても、自分の知識や経験をコンテンツとして発表できることはモチベーションとなるのではないでしょうか。
「参加する楽しさ」を刺激することは、後の「コミュニティ意識の芽生え」に繋がる重要な施策のようです。
サイトへの積極的な参加によって報酬を得られることは特に初期段階で有効な「動機付け」です。
インセンティブは多種多様である、お得にサービスを使えるクーポンや金銭的な報酬を強く感じられるギフトカード交換など設計次第で大きな効果を生みます。
以上はユーザー動機付けとして考えられるものの一部です。
特に初期段階で効果を発揮する「インセンティブ」の運用がサービス成功のポイントになるかと思います。
前述の1〜3は、どれもが大事なことです。
サービスの成長に合わせて重要視するポイントは変わりますが、どれか一つに偏ってしまうと好ましくない結果を招くかもしれません。
インセンティブ付与は「稼ぐこと」のみにモチベーションが固定される可能性があります。
例えば、ユーザーがレシピを公開できるサイトを運営していたとします。
自分が考えた料理レシピを公開し、その他のユーザーから反響をもらえるのは楽しいことです。さらにたくさんのレシピを公開しようという動機付けにもなるでしょう。
しかし、レシピを投稿するだけで高いポイント付与が行われたら、目的が変化します。ポイント稼ぎが主な目的となり、レシピ投稿の楽しさは失われてしまいます。
あまり真似したいと思わないようなレシピが大量に投稿され、レシピの盗用も起こるかもしれません。
インセンティブそのものを否定するわけではありません。
ユーザーにとってポイント稼ぎが目的の大半となることもあり得ることでしょう。
ただし、サイトの「目指すべき方向性」から外れていないかはチェックしたいところです。
ユーザーが「参加することの楽しさ」を忘れないようにバランスの良い運用が求められます。
インセンティブが発生する以上、サイト運営者には「公平性」が求められます。
例えば、あるユーザーの作成したコンテンツを別のユーザーが盗用したとします。その「盗用コンテンツ」が評価されれば、オリジナルを作ったユーザーにインセンティブが届かない可能性もあります。
このような盗用を防ぐためには投稿の監視は欠かせないでしょう。
また、2016年末の「キュレーションサイト騒動」を思い出してみれば、運営者がコンテンツの正確性や著作権について責任を持つべきということもお分かりかと思います。悪質なコンテンツを放置するだけでなく、インセンティブを与えてしまえばサイト全体が好ましくない状況に進んで行ってしまいます。
ユーザーがサイトを楽しむためには安心できる環境が必要です。
サイト運営者の責任として、また理想に向かう施策として環境整備が必須ですね。
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