ネット選挙の有効性については、米国オバマ大統領の事例が顕著です。オバマ氏は2008年と2012年の大統領選に勝利していますが、中でも前者は「ソーシャル選挙」とも呼ばれ、SNSを活用した選挙運動が目立ちました。
米国のネット選挙は、1992年に電子メールによる選挙運動が初めて行われて以降、1996年には選挙キャンペーンサイトが活用され、2000年には、インターネットを介したクレジットカード決済による政治献金が解禁されています。
オバマ陣営は、2008年の選挙において、SNS「my.barackobama.com」とWebサイトから簡単に小口献金を行えるシステムを立ち上げ、オバマ・ファンを強力に囲い込みました。オバマ氏は小口を中心に6億4,873億ドルもの献金を受け、対立候補ジョン・マケイン氏の1億9,172億ドルに大きく差を付けました。
2008年の選挙時には、オバマ氏のFacebookサポーターは237万9,102人、一方のマケイン氏は62万359人にすぎませんでした。また、2012年の選挙で、オバマ氏が3億677万904回の「(Facebook)いいね!」を受けたのに対し、対立候補のミット・ロムニー氏は885万9,617回でした。
Twitterフォロワー数に関しても、オバマ氏の11万8,000人(2008年)に対してマケイン氏4,942人、2,106万6,220人(2012年/オバマ氏)に対してロムニー氏148万5,065人。YouTubeの動画再生数については、オバマ氏の1,841万3,110回(2008年)に対してマケイン氏は203万2,993回、約2.5億回(2012年/オバマ氏)に対してロムニー氏は約2,600万回でした。