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有事対応に備えた事前準備のポイントは?

ソーシャルリスニングを導入してリスク対策を行うことの主な目的は「ネット炎上」を避けるためです。炎上は突然発生して、瞬く間に企業にとって深刻なダメージとなります。準備不足によってトラブルとなったケースなどを振り返りつつ、有事への事前準備として何ができるかを考えてみたいと思います。

有事対応に向けた事前準備として何をすべきか?

いわゆる「ネット炎上」の状態を「有事」とした場合、平常時の準備が重要であることは間違いありません。そしてこの事前準備は、「炎上を起こさないため」と「炎上に対応するため」という2つの観点で考えることができます。

1.炎上を起こさないための事前準備(ポリシー・ガイドラインの整備)

大前提として「100パーセント炎上を防ぐ方法」はありません。しかし、炎上の火種となり得る要因に対処することで炎上のリスクを低減させることはできます。

過去の事例を振り返ると、従業員の不適切な言動をきっかけとしたネット炎上が数多く発生しました。またTwitter、Instagram、Facebookなどの公式アカウントから発信された情報をきっかけとして炎上したケースも少なくありません。

現在では数多くの企業が「ソーシャルメディアガイドライン」を作成し、従業員へ浸透するように努めています。ソーシャルメディアガイドラインとは従業員が会社の一員であるという自覚を持ち、ソーシャルメディアを通じた情報発信や他者とのコミュニケーションを適切に行えるようにするためには欠かせないものです。

また「ソーシャルメディアポリシー」という形で自社のソーシャルメディアに対する方針を対外的に示す企業も増えています。ソーシャルメディアポリシーは例えば企業が公式SNSをどのような目的で利用し、ユーザーとどのようなコミュニケーションをしていくのかを宣言するものです。

ポリシーやガイドラインの策定は直接的にネット炎上を防ぐものではありませんが、企業としてインターネット、ソーシャルメディアなどへの理解を深めて、リスクを避けながらも有効活用するための取り組みと言えるでしょう。

2.炎上に対応するための事前準備(対応マニュアルの整備)

どれほどリスク対策を行っていてもネット炎上は予期せぬ形で発生します。ネット炎上を想定してマニュアルを整備しておくことは、炎上による影響を低減させるためには必須です。

それではマニュアル策定に必要なものは何でしょうか?

以下にポイントをまとめます。

■炎上状態を定義してレベル別の対応方針を策定

「自社がインターネットで炎上している」と捉える状態は人それぞれです。そのためまずは社内の「炎上状態」に対する認識を揃える必要があります。

例えば食品メーカーに対して、「不味い」と書き込まれることは炎上と言えるでしょうか。消費者の感想は無視できないものの、おそらく1件や2件では炎上とは言えず「静観」といった対応方針が検討されるでしょう。

ただし同様の意見が続いた場合、危機レベルは上昇します。複数件の「不味い」という投稿は流石にご意見のレベルではなく、何らかのコメント返信が求められるかもしれません。さらには具体的な情報を伴って「不味い」という意見が書き込まれた場合、そもそも商品不良の可能性も懸念されます。そうなれば調査と何らかの声明を出す必要が生じるかもしれません。

以上のように社内の関係者が「炎上」についての共通認識を持ち、それぞれのレベルに応じた対応方針をあらかじめ定めておくことはマニュアルの必須項目と言えるでしょう。

■横断的な報告フローと対応方針の策定

検知したリスク投稿はソーシャルリスニングの担当者では対応できない専門的な内容であることも多々あります。

例えば、商品不良であれば「カスタマーサポート」、従業員の不適切な言動をきっかけに炎上した場合には「人事部」などに助けを求める必要があります。そのため各部署への報告の仕組みをあらかじめ作っておくと良いでしょう。

また、炎上に対する対応も各部署が連携して行う必要があります。

炎上状態になった場合、お客様センターや自社のSNSのコメントなど様々な場所で意見を求められます。一貫性なくそれぞれが独自にコメントをすると炎上を複雑化させてしまうリスクもあります。

さらに過去の事例として、炎上状態にあることが共有されずに通常通りに自社のSNSにキャラクターを用いた投稿をした結果、「空気が読めていない!」と二次的に炎上が拡大したケースもありました。

有事に対応するべき体制についてもマニュアルで策定することが望ましいでしょう。

突然起こり、凄まじいスピードで拡散していくSNSでの炎上

最初からマスメディアで取り上げられるような大きなトラブルなどと違い、ネット炎上は小さな火種から始まります。一人のユーザーが書き込んだ企業についての一言が瞬く間に大きなトラブルになったケースがこれまでにもたくさんありました。

小さな火種が炎上状態となるまでのステップを考えてみましょう。

①炎上のネタとなるトラブルが発生

②当事者がSNSに書き込み

③投稿者のフォロワーが拡散

④拡散力を持ったインフルエンサーに情報が到達してさらに拡散

⑤まとめサイトやネットメディアが記事化してさらに拡散

⑥テレビなどマスメディアが騒動を取り上げる

簡潔にまとめると上記のように進行することで小さな火種が大きなトラブルに発展し、自社に対するダメージも計り知れないものになります。

さらに近年の特徴として上記のステップにおける⑤と⑥の速度が加速する傾向が見られます。一般的に炎上ネタを掲載するサイトはアクセス数の増加によって収益を得ています。いかに速く記事化するかが重要であり、SNSで拡散される情報を見張っていると言っても過言ではないでしょう。当然ながら休日も深夜も関係がありません。

それではなぜ企業は炎上の火種を早期検知する必要があるのでしょうか。

前述の炎上のステップは一般ユーザーやインフルエンサー、そして各種メディアの調査や考察とセットで進行していきます。該当企業のカスタマーセンターに問い合わせをしたり、同様の不満を書き込むユーザーが出現することも予想されます。このような調査と考察は企業の実態とかけ離れている可能性もあり、炎上状態をより複雑化させてしまうリスクもあります。企業側が状態を長く放置してしまうと予期せぬ方向に炎上が進んでいくこともあるため、早期検知が有効と言われています。

まずは自社がどのように語られているか把握を

自社について、もしくは製品やサービスについて、どのように評価されているかを平常時にモニタリングによって把握しておくことも有事に備える事前対策となります。

いざ炎上状態になった時、以下の情報が大きな影響を与えると考えられます。

■漠然とネットユーザーが持つ企業へのイメージ

有事において「やっぱりこういう悪いことするよね」と受け止められるか、「こんな企業じゃないのにどうしたのかな?珍しいね」と受け止められるかでは大きな違いがあります。好感度の高さに甘えることなく誠実な対応は必要ですが、良いイメージはやはり有事においても自社を助けてくれるものです。

好感度の高い企業は自社についての評価を把握して適切にコントロールできていると言えます。例えば製品やサービスの品質について積極的に情報公開をしている企業は悪質なデマを防ぎやすいと考えられます。

■過去にネット炎上の経験があるか?

有事の際に過去の炎上経験はほぼ必ず掘り起こされます。製品への異物混入が続けば、「対策として不十分だった」、「企業体質としてもう変わらない」という悪評が定着してしまうことになります。

過去の炎上経験は消えることはありません。自社に非があることであれば、継続的に信頼回復のための取り組みを行っていく必要があります。その取り組みが消費者にどのように受け止められているのか、平常時のモニタリングによって把握しておくことで次の有事に備えることができるでしょう。

自社に関して消費者が持つイメージは、企業が意図するものと必ずしも一致しません。だからこそモニタリングによって自社への評価を収集して分析する必要があります。

より万全な対策のためにアディッシュができること

前述のようにネット炎上は高速化しており、これからはさらにその傾向は強まることでしょう。すでに最初の火種となる投稿からおよそ1日でまとめサイトに記事が掲載されると言われています。対応の遅れが事態の複雑化を招くことになりますので、深夜や休日も継続的なモニタリングが必要となります。

アディッシュでは24時間365日の有人モニタリングを提供。火種の時点からリスク投稿を検知して早期報告をすることで有事への対応をサポートしています。

またこれまでのモニタリング支援の経験を通じて、専任のアナリストがリスク投稿の評価についてサポート。実際にどれほどのリスクがあるのかを把握することで、有事の対応マニュアル作成へご活用いただけます。

自社についてのモニタリングに課題を抱えているというご担当者の皆様、ぜひお気軽にご相談ください。