例えば、これから観る予定の映画があったとします。
映画館に行こうと思っていた矢先に、すでに観た人から「あらすじ」を聞いてしまったら?
中には「期待と違うかもしれない」と映画館に行くのをやめてしまう人もいるかもしれません。それでも観に行ったとして、感動や驚きが半減してしまうことに不満を抱くこともあるでしょう。
あらゆる情報がインターネットで共有されるようになったことで、このような「ネタバレ」が突然目に入ってきてしまうようになりました。
それゆえにインターネット上のコミュニティにおいては、「ネタバレ禁止」や「ネタバレ注意」などのタイトルをつけるなどの暗黙のルールが形成されています。
過去には映画の重要な部分を新聞が特集記事内に記載したことで注目を集めました。公開中の映画の核心部分に触れることは、まだ観ていないファンに対する配慮がないと受け取られてしまうリスクがあります。
特にメディアは情報発信力の高さによって騒動に発展する事例が多くあります。ただし、ソーシャルメディアを用いて情報発信を行っているその他の企業も他人事ではありません。このような暗黙のルールを把握した上で、注意深くコミュニケーションを行っていくことが求められるでしょう。
そもそもネタバレはいけないことでしょうか?
この問題を考える上で、ネタバレが誰にとっての不利益かに注目するべきかもしれません。
作品を楽しみにしていたファンにとって、ネタバレは許し難い行為かもしれません。何も知らない状態で作品に触れるからこその感動や驚きがあります。
熱量の高いファンはネタバレを読んでしまっても作品を購入する可能性は高いですが、不満を感じることでしょう。
作品の内容を知ってしまったことで、購入を見送るファンも現れるでしょう。その場合は売り手にとって損失となるネタバレです。
実際に訴訟に発展したケースや「法的措置を辞さない」という注意書きを加える企業もあります。
上記の理由によりネタバレはできる限り避けるべきだと考えられるかもしれません。
しかし、一方でネタバレの線引きについて議論があります。ネタバレだと感じるレベルは人によって様々です。その全てを網羅するのであれば、作品について全く感想を書けなくなってしまうでしょう。
作品の売り手にとっても観客が感想をSNSに書いてくれることでクチコミが拡散する効果も期待しています。そのため一切を禁止するということはできませんが、何を書いて良くて、何を書いてはいけないという定義をすることもできないと思われます。
「ネタバレ」については、ネット上に書く人、そして読む方の双方の配慮によって成立する暗黙のルールだと言えます。
「ネタバレ」の騒動は作品の公開前後で事情が大きく異なります。
関係者しか知り得ない「ネタバレ」がネット上に書き込まれれば、それは情報流出です。自社でそのようなことが起これば不利益となるため避けるべき事態でしょう。
また、SNSをモニタリングすることでこのような情報流出にいち早く対応することも可能かもしれません。
作品を鑑賞済み、購入済みのファンが感想を書いた結果、核心部分の情報を公開してしまったケースです。売り手の企業が過度に制限することでファンの反感を買うこともありました。
企業が情報発信する際にも話題作などを扱う場合であれば、配慮すべきことです。
自分が良いと思ったことを共有したい!というインターネットの特徴とは反対に、共有することで炎上してしまうこともあるようです。
この「ネタバレ」についての拒否反応は年々高まっており、配慮がなければトラブルに発展するでしょう。
炎上の火種を作らないためにインターネット上の暗黙ルールとして、注意しておきたいテーマです。
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