SNSモニタリングを通じて、自社のレピュテーション(評価、評判)を把握することで、ネット炎上の根本を解決する動きが活性化しています。
十分な対策を行っていたとしても、レピュテーションに対する影響は予期せず外部からやってくることもあります。
同名他社、同名商品など自社と関係のないネット炎上が「名前が一緒」というだけで勘違いによって風評被害となる可能性があります。
社名、商品名だけでなくネット炎上の渦中にいる人物と同姓同名の人物がもしも自社内にいるというだけで風評被害につながることも否定できません。
取引先のネット炎上が燃え広がる可能性もゼロではありません。「問題のある企業から材料を仕入れることに疑問を感じませんか?」と責任を追及されるかもしれません。
取引先を注意深く選定したとしても、全てを管理できるわけではありません。いざ騒動が起こってしまえば、取引先との取り決めなど消費者にとっては意味をなさないでしょう。
自社だけでなく業界全体のレピュテーションがあります。一般的な価値観では受け入れがたいとされてしまうような業界の習慣など炎上につながるものから、市場の将来性など企業の評価に影響するものまで重要な情報を収集することに意味があるようです。
このうち「業界全体のレピュテーション」については、自社についての十分な対策を行った次のステップとして検討できるかもしれません。
自社についてのSNSモニタリングを行う場合は、社名や商品名、サービス名などを中心にキーワードの選定を行うかと思います。
業界全体をモニタリングする場合であっても、やはりキーワードの選定が重要。ただし自社についてのモニタリングと比べて収集するデータ量が膨大になります。
競合名を中心としたキーワード設定であれば、必要最低限のデータを収集できるかもしれません。競合で発生した「ネット炎上」は他人事ではなく業界に対して厳しい視線が向けられる可能性もあります。
「自社に直接的に関係ない」という理由で業界全体のレピュテーションを放置することは必ずしも得策ではありません。自社はどのような考え方を持っているのか、場合によっては明確に情報発信をしていくことも検討できるでしょう。
その際に業界全体の価値観を冷静に眺めることも大切。この部分が一般的な価値観、さらにはインターネット上の論調と大きく乖離している可能性があります。
この差は必ずしも「どちらかが正しい」ということではなく、十分な説明ができていないことに起因するかもしれません。
また一般的な価値観は次々と変化していきます。自分たちが考える業界のイメージが人々に受け入れられなくなっていないか、注意を払っていく必要があるかと思います。
競合を含めた業界全体のSNSモニタリングはマーケティングにおいても活用できるデータを取得できるかもしれません。
参考:Twitterを使ったベンチマーク調査の例-ファミレス業界を題材に
特にTwitterは匿名という特徴から自由な発言が行われています。特定のサービスを賞賛する書き込みも、反対に厳しいご意見としての書き込みも使い方次第では武器となる情報です。
また大量のデータを収集することで、自社の製品やサービスの正直な評価を把握することができるでしょう。さらに競合の評価と比較していくことで、目指すべきポジションなどが見えてくるかもしれません。
あくまでもTwitterの書き込みは消費者の「つぶやき」に過ぎません。その他の調査結果と組み合わせながら有効活用の手段を探っていくことは引き続きの課題かと思います。