近年のSNSの普及に伴い、日本でも「ソーシャルリスニング」への関心が高まっています。主な目的は風評被害や炎上防止といったリスク管理、顧客獲得やLTV向上に向けたマーケティング活動の二種類。いずれも効率的に情報を収集し、分析したデータをどう活用するかが求められます。
そこで今回、ソーシャルリスニングに有効なツールをまとめました。ツールごとに得意分野が異なるため、検討中の方は実際に利用する場面を想像しながら参照してみてはいかがでしょうか。
ソーシャルリスニングは目的に合わせたツール選定を
リスク管理を目的としたソーシャルリスニングには、風評や炎上の火種をいち早く察知するために、ソーシャルメディア上のコミュニケーションを常時パトロールする必要があります。一方、マーケティングを目的としたソーシャルリスニングでは、データの収集先やタイミング、収集したデータの使い道はマーケティング戦略次第。必要なときに把握できれば良いということが多いです。
いずれの目的の場合でも、効率的なソーシャルリスニングの実施のために専用のツールがあると便利ですが、どのようなデータを収集したいのか、分析までもツールで実施したいのかなど、ソーシャルリスニングの運用を考えたツール選定はしたいものです。
それでは、各社のソーシャルリスニングのツールの機能・特徴等をご紹介します。
ソーシャルリスニングツール1:BuzzFinder
Twitter、ブログ、掲示板、ニュース等を含む膨大なクチコミをリアルタイムに分析するソーシャルメディア分析ツール。NTTコム・オンライン・マーケティング・ソリューション株式会社が提供。
<機能・特徴>
- アラート通知、デイリーメール、トレンド分析、関連語分析、ポジネガ分析などの機能を提供。
- 指定した条件のツイート量を自動的に監視し、異変を数分のうちにメールで通知。炎上被害の最小化に重要な早期対応を強力に支援。
- 業界最安レベルの料金プラン。
<価格>
- 初期導入料金:105,000円
- 月額料金:105,000円 /ID〜
最低利用期間は12ヶ月。
ソーシャルリスニングツール2:Hootsuite
海外でも国内でも人気の高いソーシャルメディア運用ツール。無料でも利用でき、有料版では解析ツールなどさらに高度な機能を利用することができる。
<機能・特徴>
- モニタリングしたり、TwitterやFacebook、Google+、LinkedIn、Wordpress、Foursquareなど複数のソーシャルメディアへの同時投稿や予約投稿ができるので、ソーシャルメディア運用に関わる労力や時間を大幅に削減することができる。
- 複数のソーシャルメディアを企業の公式アカウントとして運用している場合に便利。
- 無料でも利用できる。
- Twitterクライアントの認定パートナー。
<価格>
- プロフェッショナル、チーム、ビジネスと三種類のプランがあり、月額2,200円、11,500円、55,000円と定められている。それぞれ分析対象のプロファイル数や利用できるユーザー数等に規定がある。
ソーシャルリスニングツール3:TweetReach
Twitterのハッシュタグ・キーワードの解析ツール。
<機能・特徴>
- 使い方が簡単。 検索窓にTwitter上で調べたいキーワードやハッシュタグを入力するだけで利用できる。
- 直近のツイート数と想定のリーチ数を確認することが可能で、どれだけの人にツイートが届いたのかを計測することができる。
- ユーザー毎の総ツイート数や、指定キーワード/ハッシュタグを含んだツイートのタイムラインまで表示される。
- ツイートの中でだれが拡散に貢献しているのか、どのツイートが最もリツイートされたのかも確認できる。
<価格>
- 無料でも利用可能。その場合、取得できるツイート数は100件まで。
- 有料プランはLITE、スターター、チームの3種類で月額29ドル、79ドル、159ドルと定められている。それぞれ分析対象のプロファイル数や投稿数、利用できるユーザー数等に規定がある。
ソーシャルリスニングツール4:メルトウォーター
メディアインテリジェンスのツール。何十億ページもの編集記事、ブログ、ソーシャルメディアの会話の中から、自社に関連するものを抽出し、必要なインサイトを提供。ビジネスの成長やブランド構築に役立つ情報を収集し分析することができる。
(Meltwaterはオンラインメディア分析用ソフトウェアの分野におけるリーディング企業)
<機能・特徴>
- モニタリングや分析、さまざまなSNSへの情報発信管理など機能豊富。
- リアルタイムで自社及び競合他社のモニタリングをすることが可能。必要なニュースや情報をリアルタイムで入手でき、ソーシャル検索結果を一つにまとめて見ることができる。
- 成功したキャンペーンなどを詳しく分析、他のキャンペーンと比べることができる。
- 対象としているジャーナリストやインフルエンサーに接触。海外メディアへプレスリリースの自動配信。得たメディア露出は一つのプラットフォームでモニター・管理できる。
- Twitter, Facebook, Google+やLinkedInなどでの投稿の下書き、スケジュール、管理を投稿予定日の数ヶ月前から設定できる。
- 自社の基準に合わせたエンゲージメント率を計測できる。
- 返信を必要とする投稿、自動返信で対応できるものや個別に返信が必要なメッセージなどを振り分け。
- プラットフォーム上でのメッセージの送受信も可能、寄稿記事をもとにインフルエンサーを検索し、アウトリーチをすることもできる。
- 投稿やプレスリリースで最大の効果を得るために配信時間を設定できる。
<価格>
ソーシャルリスニングツール5:Social Mention
ソーシャルメディアの検索および分析プラットフォーム。
<機能・特徴>
- Twitter、Facebook、FriendFeed、YouTube、Digg、Googleなど、100以上のソーシャルメディアのプロパティを直接監視。
- Strength、Sentiment、PassionとReachといった4種類のカテゴリから影響力を測定することが可能。
<価格>
ソーシャルリスニングツール6:Crimson Hexagon Forsight
ソーシャルメディアからブランドや商品に対する世界中の顧客エンゲージメントを分析するプラットフォーム。
<機能・特徴>
- Twitterの全データにアクセスが可能。
- 豊富なソーシャルメディア・データソース、ソーシャルメディアのデータを用いた顧客インサイト分析により、マーケティングとビジネス・プログラムの活性化、最適化を実現。
- 多言語に対応していることが特徴。多言語での比較分析ができる。
<価格>
※Crimson HexagonはBrandwatchに機能統合されました。
ソーシャルリスニングツール7:Social Insight
株式会社ユーザーローカルが提供しているソーシャルリスニング(分析)ツール。
<機能・特徴>
- SNS上のファンの声をキャッチする「クチコミ傾聴」、自社・競合他社アカウントを比較調査する「SNSアカウント分析」、複数アカウントへの投稿・返信管理ができる「投稿管理」の3機能を提供。
- 投稿のネガティブ・ポジティブ測定ができ、炎上リスクの軽減や早期沈静化につながる。
- 炎上を察知し風評被害を回避できるアラート機能が特徴。
<価格>
- 初期費用 5万円
- 月額費用 5万円〜(10キーワードまでの分析に対応)
ソーシャルリスニングツール8:ブームリサーチ
Twitterやブログなどのソーシャルメディア上の膨大なクチコミデータを収集・分析・共有し、生活者の”声”をマーケティングのヒントに変えるソーシャルリスニングツール。
<機能・特徴>
- 国内最大級のクチコミデータベース。
- 80種類以上の分析メニューがある。
- 特定の商品・ブランドに対するTwitterやブログなどのソーシャルメディア上のクチコミ状況を分析できる「クロスメディア分析」が特徴。
<価格>
- 初期費用 10万円(税抜)
- 月額費用 12万円〜(税抜・年間契約で割引あり)
ソーシャルリスニングツール9:コミュニケーションエクスプローラー
ソーシャルメディア上の文章(クチコミ)の意味を解析し、商品・サービスやブランドに対する意識など投稿者(ユーザー)の「気持ち」を定量化し、レポートするASPサービス。
<機能・特徴>
- 文章の意味を理解できる自然言語意味理解エンジンを活用している。
- 高精度の感性(ポジ・ネガなどの感情)判定や感情の対象をまとめた話題を活用することにより、効率的に生活者のインサイトが把握できる。
- 3段階48分類の感性による効率的な分析ができる。
- 分析結果をエクセル、パワーポイント形式でダウンロード可能。
<価格>
- 初期費用 10万円(税抜)
- 月額費用 10万円〜(税抜)
- 分析レポート 30万円(税抜)
ソーシャルリスニングツール10:Insight Intelligence
ネット(ソーシャルメディア)上にある膨大なクチコミ(年間50億件以上)を分析するSaaSツール。
<機能・特徴>
- Twitter、ブログ、掲示板、Facebook、Newsの5つの媒体から過去13か月分の商品名、会社名、人名など、自由にキーワードを選んで検索できる。
<価格>
ソーシャルリスニングツール11:Zanroo
タイでSNSマーケティングビジネスを展開するIBG社が開発したSNS解析ツール。
<機能・特徴>
- ASEAN地区を中心に、日本を含め13ヶ国・17言語のSNSやブログなどのローカルメディア等から、現地の生活者の投稿内容などを統合的に収集し解析するため、東南アジアで事業展開している企業には便利。
- 地図上にSNSの解析結果をマッピングして可視化。
- SNSの投稿管理、ユーザーとのコミュニケーション管理等の機能を持ち、現地で影響力のあるインフルエンサーを活用したマーケティング施策等にもつなげやすい。
- 処理スピードが速く、リアルタイムでの分析が可能。
- アジア地域におけるトップクラスのシェア。
<価格>
- 初期費用 13万円(税抜)
- 月額利用費 23万円~(税抜)
投稿取得数のボリュームによって5段階制
ソーシャルリスニングツール12:クチコミ@係長
ソーシャル・ビッグデータをリアルタイムに収集・蓄積し、自由な切り口で検索・分析するためのクラウドサービス。
<機能・特徴>
- 2ちゃんねる(5ちゃんねる)のデータをはじめ、Twitterやアメブロ、はてなブログなど、国内最大級の約590億件のデータから口コミを検索することができる。
- 設定可能な検索ワードが豊富。
- ツールのレスポンスが早いのが特徴。
- 口コミしたユーザーを、男女・地域・年代・職業といった様々な属性に分類し分析できるので、どのタイプのユーザーがサービス・商品のどんな点に関心があるのかを細かく知ることができる。
- 柔軟にカスタマイズできるダッシュボードで、リアルタイムにモニタリングできる。
<価格>
- 初期費用 10万円(税抜)
- 月額基本利用料 10万円~(税抜)
ソーシャルリスニングツール13:見える化エンジン
投稿管理、自動レポート、投稿分析、フォロワー分析、 ハッシュタグ分析、感情分析等の機能、すべてが揃うTwitter運用プラットフォーム
<機能・特徴>
- Twitterに特化して情報収集。
- 感情判定機能がありポジネガの比率や感情別の投稿推移が見られる。
- SNS上で新しく生み出された語句やそのエンゲージメント率を把握することが可能。
テキストマイニングツール。SNS(ブログ・Twitter)やアンケート、問い合わせ履歴などのお客さまの声をテキストマイニングにより分析し、ニーズや課題を直感的に把握することができる。
<機能・特徴>
- 発言内容を話題、フレーズ毎にランキング化できる。
- 気になった単語をワンクリックするだけで、その話題がどのような内容で構成されているのかをマップを用いて表現する。
- 発言件数の全体の時系列モニタリングとともに、特定の話題毎のモニタリングも可能。
- 商品の発売日などを起点日にし、発売3日後、1週間後・・・といった日数を軸とした時系列分析で発売初期の流動を即座に把握することができる。
<価格>
ソーシャルリスニングツール14:KeywordmapSNS
投稿管理、自動レポート、投稿分析、フォロワー分析、 ハッシュタグ分析、感情分析等の機能、すべてが揃うTwitter運用プラットフォーム
<機能・特徴>
- Twitterに特化して情報収集。
- 感情判定機能がありポジネガの比率や感情別の投稿推移が見られる。
- SNS上で新しく生み出された語句やそのエンゲージメント率を把握することが可能。
まとめ-自身での運用が大変ならアウトソーシングという手も
このようにソーシャルリスニングツールにもさまざまな種類がありますが、機能や得意とする使い方は製品によって違います。もしご自身でソーシャルリスニングを行うために検討されているのであれば、十分使いこなせそうか、使うことでどの程度業務効率が上がるのかもとても重要です。できるだけ具体的な利用場面を想定し、操作性やサポート範囲など、自身にあったツールを探しましょう。
ただ、リスク管理でもマーケティング活動のための分析でも、ソーシャルリスニングを実施される方は幅広い業務を抱えている場合が多いもの。なかなか時間を捻出できないというお悩みも多く聞かれます。
アディッシュではソーシャルリスニングサービスを提供しており、目的にあわせた運用設計を含め、24時間365日体制で専任スタッフがお手伝いします。利用するツールもお客様の環境にあわせて対応できますので、ノウハウに不安のある方やリソース不足にお悩みの方はお気軽にお問い合わせください。
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