レピュテーションリスク(風評リスク)対策としてのソーシャルリスニングにおいては、日頃からのSNSモニタリングが重要です。一方で、キャンペーン実施の反響やトラブル検知など短期的にも有効活用することができます。
まず企業アカウントを開設し、情報発信を行っていくことが考えられます。また一方でその他のプロモーションの反響をTwitterからキャッチするという発想もあります。
例えば、新商品の発売、新CMの放送開始、そして販促のためのキャンペーン開始など、Twitterが直接絡まないプロモーションを実施したとします。あらゆる場所でその情報をキャッチしたユーザーはTwitterに書き込むことでしょう。Twitter愛好者は共感する情報発信のネタを常に求めており、前述のようなプロモーションもその対象です。新商品の感想など、誰よりも早くツイートすることで、その他の多くのユーザーの注目を集めることになります。
つまり、Twitterそのものを利用したプロモーション施策ではなかったとしても、企業が活用する方法はあります。
マーケティングに活用していくのであれば、反響の蓄積が重要。瞬間的な反響に一喜一憂するのではなく、時間をかけてユーザーの印象が変化していくことにも注目したいところです。
Twitterモニタリングとマーケティングについては「ソーシャルリスニングをマーケティング活用! コンテンツ化の反響は?」でも取り上げています。
反対にTwitterをリスク対策に用いて行くのであればスピードが命。トラブル報告が重なって、いわゆる炎上状態となってしまう前に対策を打ち出すことが求められます。
キャンペーン開始時には、システムに問題がないかを注視していると思いますが、多くのユーザーが参加することで予期せぬ事態が発生するリスクがあります。
さらには運営側のシステムエラーに対する認識とユーザーが不満を持っているポイントにズレがある可能性もあります。早急なエラー対応と同時にユーザーの不満について正確に把握した上で、必要であれば公式発表を行うべきでしょう。
また、過去の事例を見れば、TVCMを発端にした炎上もありました。プロモーション自体は一時的なものですが、対応によってはその企業にずっとついて回るネガティブなイメージとなってしまいます。
短期的なSNSリスク対策ですが、結果として長期的な企業のブランドイメージに影響を与えるということも考慮する必要がありそうです。
単にリスクを検知するだけでなく、その結果を活かしていくことは短期的にも中期的にも重要なことです。
特にシステムエラーなど、早急に解決しなければならない問題が発生しているときには関係者への伝達に時間はかけられません。
キャンペーン開始直前など、大抵はドタバタするもの。見切り発車でスタートしたばかりに大きなトラブルを経験したことのある方も少なくないと思います。
だからこそ慌ただしくなる前の余裕のあるタイミングで、SNSモニタリングの仕組みと関係者への伝達フローを整えておくのはいかがでしょうか。
モニタリングはユーザーの書き込みを検知するだけなので、質問を投げて詳細を確認することはできません。だからこそ書き込みの背景を読み取って、問題の箇所はどこにあるのかを突き止めていくことが求められます。
また、特定のエラーが発生している場合、複数の書き込みが発生することが予想されます。そのためユーザーの投稿内容を分類し、同じトラブルの書き込みをつなぎ合わせて全体像を把握していく必要があります。
今後、ユーザーの不満がお客様センターではなくSNSに書き込まれる傾向が強まっていくことでしょう。あらゆる状況でSNSモニタリングの必要性が高まっています。