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マイクロアグレッションとSNS:コミュニケーションの影響力

作成者: 土居里奈|2023.09.12

マイクロアグレッションは、個人やコミュニティ間の不和や社会的な不平等を助長する可能性があります。匿名性やオンライン空間における責任の不透明さが問題を複雑化させ、適切な対処を難しくしているのが現状です。私たち一人ひとりが、オンライン空間をより健全な場所にしていくことが求められています。

1. マイクロアグレッションとは?

1.1定義と背景

マイクロアグレッションとは、小さな行動や言葉の中に差別や偏見が潜んでいることを指します。

例えば、人種や性別に関連する冗談や意味深な行動や発言がこれに当たります。これらは無意識のうちに行われることが多く、発言者自身が差別の意図を持っているとは限りません。

 

背景として、社会では長い間、差別や偏見が存在してきました。その中で、微細な差別行為は見落とされることが多くありました。このような微細な差別行為は、被害者に不安等の心理的負担をもたらすことがあります。

 

マイクロアグレッションの理解と認識を広めることは、より公平な社会を目指すための一歩となります。

1.2 顕在的・潜在的差別

顕在的(目に見える)差別と潜在的(隠れた)差別は、差別の現れ方の違いを指します。

 

顕在的差別

わかりやすく意図的に行動や言葉で差別を示すことです。例えば、直接的で攻撃的な言葉や行動がこれにあたります。

 

潜在的差別

無意識や隠れた偏見から生じる差別です。これは、自分が差別的な考えを持っていることに気づいていない場合に起こります。例えば、特定の人々に対して公平でない態度をとることがこれに該当します。

1.3 さまざまな例示

人種に関する軽い冗談や、女性に対するステレオタイプを含む発言、特定の出身地や宗教に対する揶揄などがあります。

 

また、職場や学校でも微細な行動がマイクロアグレッションになり得ます。例えば、特定の人の能力を疑問視する態度や、人々を無視する行動、特定の人だけに厳しい評価を行うこともあります。

 

マイクロアグレッションは、無意識のうちに行われることが多く、発言者自身が差別の意図を持っていない場合が多いです。しかし、社会的な影響は大きいため、理解と認識を深めることが必要です。

2. オンラインでの影響

2.1 オンラインコミュニケーションの特徴

オンラインでは、表情や声のトーン等を把握することができないため、感情や意図を文字や絵文字で伝える必要があります。物理的距離は関係なく、世界中の人々と瞬時に繋がることができますが、非言語コミュニケーションの一部が失われる可能性があります。

 

また、情報が迅速に拡散する一方で、正確性が確認しづらいこともあります。匿名性が高まる点もあり、良い面と悪い面、双方の側面があります。コミュニケーションは速く多様になりましたが、誤解や対立も生じるかもしれません。コミュニケーションのスピードや多様性は増していますが、誤解や衝突も生じる可能性があります。

 

このような特徴から、オンラインでのコミュニケーションは新たな考え方や、注意深いコミュニケーションが必要です。

2.2 オンラインでの顕著な発現

オンラインでもマイクロアグレッションは見受けられます。匿名性が高まるため、人種や性別に関する差別的なコメントやジョークを発信してしまう可能性が高まります。また、多くの人の目に触れるオンラインでは攻撃的な言葉や偏見がより広がりやすくなることもあります。

 

さらに、顔の表情や声のトーン等は伝わりにくいため、相手の感情や意図を誤解することがあります。情報の拡散が速いため、間違った情報が広まることもあります。オンラインであっても、他人を尊重し思いやりのあるコミュニケーションを意識することが大切です。

3. SNS投稿への影響

3.1 匿名性がもたらす影響と問題点

匿名性はオンライン上で自由な発言を可能にしますが、同時に悪影響もあります。身元を隠すことで攻撃的な言葉や嘘の情報を発信しやすくなってしまうという側面があります。また、これらが拡散されるリスクも高まります。さらに、相手のバックグラウンドや価値観が分からないため、感情的な対立が増えることもあります。

 

匿名性は責任の逃れにも繋がります。自分の行動に責任を持たないまま、他人に害を及ぼす可能性があり、差別的な発言が増えることもあります。

 

これらの問題を踏まえて、オンラインをはじめSNSでは配慮と責任を持った行動が求められます。健全なコミュニケーションのために、個人の行動が全体の雰囲気に影響を及ぼすことを考えて行動することが必要です。

3.2 オンラインでの心理的影響

オンラインでのマイクロアグレッションは、被害者に深刻な心理的影響をもたらすことがあります。これによって以下のような影響が生じることがあります。

 

1.不安とストレス:マイクロアグレッションを受けると、被害者は不安やストレスを感じることがあります。自己評価が低下し、心地よさを感じにくくなることがあります。

 

2.自尊心への影響:差別的な発言や行動は、被害者の自尊心を傷つけます。自分のアイデンティティを否定されたように感じ、自己肯定感が減少することがあります。

 

3.社会的孤立:マイクロアグレッションが続くと、被害者は他人とのつながりを避ける傾向が出て、社会的に孤立する可能性があります。

 

4.心理的負担の増加:マイクロアグレッションを経験することで、被害者は日常的に心理的な負担を抱えることになります。これが持続すると、心身の健康に影響を及ぼすことがあります。

4. プラットフォームの役割

4.1 ユーザーエンゲージメントとプラットフォームの責任

ユーザーエンゲージメントとは、オンラインプラットフォーム上でのユーザーの関与や活発な参加のことを指します。

 

プラットフォームは、ユーザーがどのようなコンテンツや情報に触れるかを決定するアルゴリズムやデザインをコントロールすることができます。そのため、ユーザーエンゲージメントのデザインが、特定のコンテンツや意見に偏りを生むことがあります。この偏りは、特定の情報や意見が増幅され、他の情報が排除される可能性があります。

 

プラットフォームには、ユーザーエンゲージメントのデザインに関して責任を持つことが求められます。公正なアルゴリズムや健全なコミュニケーションを促進する仕組みを導入することで、多様な意見や情報が平等に扱われ、健全なオンライン環境が築かれるためです。

4.2 マイクロアグレッションを報告・対処する手段

マイクロアグレッションを報告・対処するための主な手段は以下の通りです。

 

1.報告機能の利用:オンラインプラットフォームやSNSには、問題を報告するための機能があります。不適切なコンテンツや振る舞いを見つけた場合、この機能を使ってプラットフォームに通報できます。

 

2.ブロックやミュート:不快な発言をしてくるユーザーをブロックしたり、一時的にそのユーザーの投稿を見ないようにするミュート機能を活用することで、非表示にすることができます。

 

3.対話と教育:マイクロアグレッションを受けた場合、対話を試みることも一つの方法です。相手にその行為がなぜ問題なのかを説明し、意識を広げることができます。

 

4.サポートを求める: 友人やオンラインコミュニティに相談してみることも大切です。共感を得られる場で気持ちを分かち合い、ストレスを軽減することができます。

 

これらの方法を駆使して、健全なオンライン環境を築くことが重要です。

4.3 SNS企業の取り組みと課題

SNS企業は、差別や攻撃的な言動に対処するため、問題のコンテンツを取り除いたり、コミュニティのルールを強化したりしています。それ以外にも、以下の課題に取り組む必要があります。

 

1.アルゴリズムの公正化:SNSは私たちの目に留まる情報を選別するアルゴリズムを使用しています。これがバイアスを生むことがあるため、公正で透明なアルゴリズムの構築が求められています。

 

2.多様性と包括性:異なる意見やバックグラウンドを尊重する環境づくりが必要です。多様性を奨励し、差別をなくす取り組みが必要です。

 

3.透明性の向上:ユーザーに対して、プラットフォームの方針や判断基準をわかりやすく示すことで信頼感を築く必要があります。

 

4.法的・倫理的な課題への対処:コンテンツの管理やプライバシー保護に関わる法的な問題に対処する方法を考える必要があります。

 

これらの取り組みが、より安全で包括的なオンライン環境の構築に向けて大切になってきます。

5. オウンドメディアを通じた意識啓発

5.1 コンテンツ制作の重要性と役割

コンテンツ制作は、SNS企業が情報やアイデアを魅力的な形にして提供することです。これによって、ユーザー同士の交流やコミュニケーションが活性化し、楽しみながら学びや情報を共有できる環境が生まれます。また、大切なメッセージや社会的な意義を伝える手段としても機能し、人々の考えや行動に影響する役割も担います。

5.2 マイクロアグレッションをテーマにした教育的コンテンツ

マイクロアグレッション教育コンテンツは、人々にマイクロアグレッションの概念や影響を伝え、健全なコミュニケーションを促進するための教材です。動画、文章、クイズなどさまざまな形式で、内容の理解や対処方法を分かりやすく解説し、多様性と尊重の意識を高めることができます。

 

1.何がマイクロアグレッションか:定義と例を通じて、微細な差別行為がどのようなものかを示します。

 

2.なぜ重要か:他人に与える影響や、社会的な偏見の広がりについて説明します。

 

3.気づきと対処法:見分ける方法や、遭遇した際の適切な対処法を学びます。

 

4.尊重と共感:他人のバックグラウンドや意見を尊重し、差別のないコミュニケーションを実践する重要性を伝えます。

 

5.考え方の変容:マイクロアグレッションについて学んだことで、自分の行動や言葉に対する意識が変わることを促します。

 

この教育コンテンツは、人々が互いに理解し合い、差別のない社会を築くための一歩として、教育機関や職場で活用することができます。

5.3 ポジティブなSNS文化の促進

SNS上での善意や友好的な態度を育て、人々が積極的で健全なコミュニケーションを築くことに貢献する活動です。

 

1.建設的な対話:言葉の選び方や態度に気をつけ、対話が建設的で尊重に満ちたものとなるよう心掛けます。

 

2.ポジティブな情報:喜ばしい出来事やポジティブなメッセージをシェアして、みんなを元気づけます。

 

3.共感と支援:困難な時には助けや共感を提供し、仲間の心に寄り添います。

 

4.多様性とリスペクトの尊重:人々の違いを尊重し、多様な意見が尊重される空間を作ります。

 

5.好影響の拡散:前向きな行動や良いニュースを広めることで、他の人々にも良い影響を与えます。

 

これらが実現すると、SNSが良い雰囲気で満ち、人々が楽しみながら支え合えるコミュニティが育まれます。

6. 成果と今後の展望

6.1 オウンドメディアの役割と今後

オウンドメディアは、企業やブランドが自らのコンテンツを制作・配信するプラットフォームです。これにはウェブサイト、ブログ、SNS、ポッドキャストなどが含まれます。主な役割と展望は以下の通りです。

 

1.情報発信とブランド構築:自分たちのメディアを持つことで、企業や個人の情報や価値観を伝え、信頼性やブランドの認知度を高める手段となります。

 

2.​​専門性の強化: 専門知識を提供するコンテンツを通じて、読者や顧客からの信頼を得ることができます。

 

3.ターゲット層へのアプローチ:オウンドメディアは特定の興味を持つ人々に直接届くため、ターゲット層との接点を強化します。

 

4.コミュニティの形成:共通の興味を持つ人々を集めてコミュニティを形成し、交流を促進する場としても機能します。

 

5.多様なコンテンツの提供:ブログ記事、ビデオ、インフォグラフィックなど様々な形式のコンテンツを通じて、情報を魅力的に伝える方法が増えています。

 

将来的には、個別に合わせたカスタマイズされたコンテンツの提供やAI技術の活用、コミュニティの成長などが進むことが予想されます。これによって、より深い関係性や有益な情報交換が実現するでしょう。

6.2 マイクロアグレッションの減少を目指す重要性

マイクロアグレッションの減少を目指すことは、より公平で尊重される社会を築くために非常に大切です。その理由は以下の通りです。

 

1.心理的安全性の確保: 個人やグループが心理的に安全な環境で生活し、働くことができます。

 

2.多様性と共感の促進:異なる背景を持つ人々の共感と理解を深め、多様性を尊重する社会を築くことができます。

 

3.コミュニケーションの質の向上:むやみな攻撃や嫌がらせが少なくなれば、建設的な対話が促進され、健全な意見交換が行われます。

 

4.健全な労働環境の構築: 職場や学校などの環境でマイクロアグレッションが減少すれば、生産性や満足度の向上が期待できます。

 

5.未来への影響:マイクロアグレッションを減らす努力は、次世代により公正な社会を引き継ぐための重要な一歩です。

まとめ

マイクロアグレッションとSNSの関係に焦点を当て、それぞれの要素がどのように影響し合っているかを考察しました。

SNSでは、特に匿名性の影響を受けマイクロアグレッションが拡散するリスクが高まっています。

しかし、SNS企業やコンテンツ制作者、ユーザーが協力して意識を高め、ポジティブなオンライン文化を促進することが可能です。

 

私たち一人ひとりが、ポジティブなコミュニケーションを大切にし、オンライン空間をより健全な場所にしていくことが求められています。