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話題の言葉「ポリティカル・コレクトネス」を無視できない?

「ポリティカル・コレクトネス」とは何か

2016年の米国大統領選挙における「トランプ現象」とあわせて注目を集めた言葉「ポリティカル・コレクトネス(通称:PC)」。
年齢、性別、職業、人種、民族、宗教、ハンディキャップなどに基づく差別や偏見を防ぐために「政治的に公正」な表現を用いるべきという考え方を意味しています。

事例として英語における女性の敬称がよく取り上げられます。
男性の敬称は既婚・未婚に関係なく「Mr.」が使われますが、女性は未婚の場合は「Miss」、既婚の場合は「Mrs.」となります。
しかしこのことは女性差別であるとして、ポリティカル・コレクトネスの観点から既婚・未婚問わない「Ms.」が用いられるようになりました。

日本においても、「看護婦、看護士」に代わって「看護師」という表現を用いるなどの動きがあります。

過激なトランプ氏の発言が支持された背景には米国の「ポリティカル・コレクトネス疲れ」があるとも言われています。「ポリティカル・コレクトネス」は大事な考え方ですが、同時に議論の対象であることも事実です。

「ポリティカル・コレクトネス」についての論争

前提として、「ポリティカル・コレクトネス」は重要な考え方です。
差別的な表現はインターネット上のコミュニケーションにおいても許容し難いものでしょう。

一方で「ポリティカル・コレクトネス」は「表現の自由」とぶつかることがしばしばあります。過度に「ポリティカル・コレクトネス」を追求した場合、「言葉狩り」となるのでは?という指摘がされています。

例えば、近年米国ではキリスト教徒以外に配慮した結果、「メリークリスマス」ではなく、「ハッピーホリデーズ」という挨拶を用いるケースが増えているそうです。
このような動きは米国民の「息苦しさ」となり、「ポリティカル・コレクトネス」を無視した発言をするトランプ氏の支持につながったとの分析もあります。

日本においてはネットを中心に「ポリコレ棒」という言葉が登場しました。これは「ポリティカル・コレクトネス」に異議を唱える人を叩くことを揶揄して使われます。
本来は差別をなくすために生まれた「ポリティカル・コレクトネス」ですが、過度に解釈をしてまるで武器のように用いられているという主張です。

それでは企業はこの「ポリティカル・コレクトネス」とどのように向き合っていくべきでしょうか。

「ポリティカル・コレクトネス」との関わり方

日本国内において、「ポリティカル・コレクトネス」への配慮が足りなかったためにトラブルに発展した企業のプロモーション活動などが報告されています。

前述のように「ポリティカル・コレクトネス」には議論があり、その全てを受け入れようとしたら何も語れなくなってしまうかもしれません。
しかし、「ポリティカル・コレクトネス」を前提としたプロモーションは必須だと思われます。

新たなコンテンツを世の中に発信する前に様々な人々に見せ、多様な価値観に対する配慮が行き届いているかをチェックする必要があります。無意識に問題のある表現を用いていないかを多種多様な意見を聞くことで知ることができるでしょう。

全ての人に配慮した表現を選ぶことは困難です。しかし、企業として発信する内容に「ポリティカル・コレクトネス」に関するリスクがないかを認知しているかどうかで対応に差が出ます。
「ポリティカル・コレクトネス」的に多少の問題を抱えるコンテンツを発信する場合でも、その意図を説明できるようにしておくことが求められます。

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