近年急速に普及し多くの人が利用しているSNSですが、利用者が急激に増加いることで様々なリスクが顕在化し、企業にとって不利益を生む場面も増えてきました。以前「ソーシャルリスニングによるリスク対策って何? 前編」で触れましたが、食品メーカーに対する異物混入の書き込み、小売業における従業員の不注意書き込み、宿泊サービス業における従業員による情報漏えい等、様々な場面であらゆる企業が突然ソーシャルリスク(※)に晒されることもあり得ます。
※ソーシャルリスクとは、インターネットやソーシャルメディア上に発信される投稿で、クレームや批判、誹謗中傷等のリスクを含む内容を指します。
アディッシュではSNS上の書き込みを目視によりチェックし、企業のお客様のソーシャルリスク対策サポートをしていますが、実際に昨今あらゆる業界より「ソーシャルリスク対策を検討したい」というお問い合わせが増えてきました。ソーシャルリスク対策への関心が高まりつつあると実感しています。
そこで、企業のみなさんはどのようなソーシャルリスクを気にしているのか、ソーシャルリスク対策はどうしているのかなどに関してアンケート調査を実施し、100社よりご回答いただきました。以前こちらの記事を通じて回答を募集したもので、その結果がまとまりましたので、調査結果の中から一部を抜粋してご紹介します。全体版のダウンロードはこちらよりお願いします。
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調査期間 : 2015年3月~5月
調査方法 :アンケート用紙配布によるアンケート調査及びWebアンケート調査を併用
有効回答数 : 100社(100人)
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ソーシャルリスクに対する準備や教育などの対策を行っているかどうかを見ると、全体で5割以上の企業がソーシャルメディアポリシー・ガイドラインを制定していることが分かりました。
また、従業員に対するリテラシー研修を実施しているのも4割を超すなど、ソーシャルリスクに対する社内体制が整備されている様子がうかがえます。
業界別では、特に小売・飲食業で、準備や教育などの対策が進んでいることが分かりました。小売・飲食業は消費者との接点が多く、またこれまで「バイトテロ」が複数の企業で相次いだことから、ソーシャルリスク対策への意識が高まっていると考えられます。
リスクとなりうる投稿をソーシャルメディア上で発見した場合の対応策として最も多かったのは「社内の該当部署に情報を共有する」の84.0%でした。
「1件の投稿のみでは特に何もしない」という回答は6.0%にしかすぎず、残りの94.0%が何らかのアクションを実施することが分かります。
「お問合せセンターに同様のクレームがある場合に商品・サービスの改善を検討する」(34.0%)「該当の不満に対し、商品・サービスの改善策を即実施する」(23.0%)といった改善に活かす動きも着目すべき点です。
業界別に見ると、小売・飲食において、「お問合せセンターに同様のクレームがある場合に商品・サービスの改善を検討する」が70.0%に達するなど全業界の値に比べて突出しており、お客様からの声をサービス改善に活かす取組みを積極化していることがうかがえます。
懸念しているソーシャルリスクについては、6割以上に達したのは「内部関係者(従業員など)による不適切投稿」と「情報漏えい」(いずれも68.0%)で、「お客様からのご指摘・クレーム」がそれに続きました(64.0%)。
業界ごとに傾向が異なり、製造業(食品系)においては、「商品・サービスの不具合(異物混入含む)に関する投稿」は回答した全企業が懸念しているとの結果が出ました。
小売・飲食においては、「情報漏えい」や、「商品・サービスの不具合(異物混入含む)に関する投稿」に対して80%の企業が懸念していると回答しました。
ソーシャルリスク対策というのは近年新しく出てきた概念ですので、まだ模索中の企業が多いだろうと予想していたのですが、調査結果を見る限り、かなり高い意識をお持ちであることが分かりました。
これからソーシャルメディアの運用を開始しようと考えている皆様も、既にソーシャルメディアをビジネスに活用している皆様も、ソーシャルリスク対策についても考えてみてはいかがでしょうか。
他のデータも含めた調査結果レポートはこちらからダウンロードできます。ぜひ、貴社の取組みと照らし合わせながらご活用ください。