企業のプロモーション活動において、インターネット上の「評価」を把握することは必須となってきました。最近ではテレビCMの内容をきっかけに「ネット炎上」するケースも報告されており、消費者の受け止め方を想定することを求められています。
「メディア担当」になった場合は自社や自社の製品やサービス、広告で扱うテーマについて、ネット上でどのように語られているかを把握することになるでしょう。
例えば、「女性はメイクを頑張るべき」というトーンのプロモーションはインターネット上で議論となることでしょう。不快に思った人々が集合して大きな影響力を持つこともインターネットの特徴と言えます。
インターネット上ではあらゆるテーマについて様々な場所で「綱引き」が行われています。それぞれにおいて賛否両論が存在しており、そのテーマを扱うべきか、扱うのならどこまで踏み込むべきかはメディア担当者に判断を委ねられることでしょう。
両サイドの主張を把握した上で、インターネットユーザーとの適切な対話が求められています。最近では「ポリティカルコレクトネス」という言葉も注目を集めています。情報発信の際に配慮したいポリティカルコレクトネスについては「話題の言葉「ポリティカル・コレクトネス」を無視できない?」でも解説しています。
情報発信で失敗をしてしまう前提に情報収集のバランス感覚の欠如があります。
ネット上で賛否両論あるテーマは、どちらかが優勢となっているケースがあります。その多数派を信じた結果、少数派から批判されることは少なくありません。
個人をつなげたことはインターネットが可能にしたことの一つでしょう。あるテーマにおいて少数派であっても、個人が集合したことで一定の影響力を持ちます。
多数派がついているから問題ないというのは勘違いであり、企業や製品、サービスにとってのイメージダウンは避けられません。
ただし、情報発信を萎縮することは必ずしも正解ではないかと思われます。一度発信した情報を批判されたことで、取り下げてしまえば今度は「一貫性がない」、「炎上マーケティング」と言ったような逆サイドから厳しいご意見を頂戴することになります。
重要なのは情報を発信する前にネットユーザーからの反響を想定できているかどうかではないでしょうか。
そのためにはインターネット上でどのように語られているか把握することが必須。特定の意見に偏るのではなく、中立的に情報収集しながらあらゆる可能性を想定する必要があります。
広告やプロモーションなどで扱うテーマは、消費者の生活において共感性を集めることがポイントとなります。そのため例えば消費シーンなどの提案にどれだけ共感してもらえるかが重要となるのではないでしょうか。
一方で、自社や製品、サービスに対するイメージも把握しておきたいところです。自分たちが持つイメージと消費者が持つイメージにあまりに乖離があった場合、共感は期待できません。
消費者は製品やサービスについてSNSに書き込みます。情報発信力を持ったことで、自分の感想がその他の人々にとって有益な情報となり得るためです。
そのような反響をモニタリングしていくことは企業にとってリスク対策、マーケティング活用において有効でしょう。