インターネット上で好意的なクチコミが拡散し、売上を大きく伸ばすことがあります。大変喜ばしいことですが、対応に不手際があれば一転してネット炎上のリスクを発生させます。
SNSの普及により、多くの情報が共有されています。例えば新商品の発売前であっても、詳しい情報を消費者は受け取ることが可能です。
事前の情報発信においては正確性が求められますが、場合によっては過度に期待値を高めてしまうこともあるでしょう。
また、予期せぬクチコミ拡散の可能性も十分にあります。「テレビ番組で取り上げられた」、「ドラマやアニメに登場した」などのきっかけにより購入希望者が殺到するケースはこれまでにも報告されています。
各社、事前の調査に基づいて供給量を決定するかと思います。ただし、ネットの拡散力は想像以上の効果を発揮することがあります。
さらには「品薄状態」に目をつけて、転売目的の購入者も出現。インターネットオークションに高価格で出品するため大量購入してしまうことで品薄が加速します。
「欲しい!」という思いが強いほど、手に入らない場合の不満は膨らんでいくものです。
「なぜ買えないのか?」を突き詰めていった結果、企業をはじめとする関係者への苛立ちが生じてしまうかもしれません。
そこでネット上に広がるのは「品薄商法」という説。実際には十分な供給が可能であるのにもかかわらず企業が意図的に流通量を絞って、「人気」を演出しようとしているのでは?との噂がささやかれ始めます。
そのような意図はなかったとしても、消費者が説明に納得しない限り噂の拡散は止まらないでしょう。消費者の最終目的は商品を手に入れることであり、いつ、どこで購入できるのかという情報を求めています。
インターネットで情報収集をした結果、デマを信じてしまうこともあります。「明日、新宿の店舗に大量入荷するらしい」というような情報に踊らされてしまったら、さらに失望してしまうかもしれません。その責任は企業にはありませんが、不満の矛先となる可能性はあります。
また、前述の通りに「転売屋」と呼ばれる人たちが出現します。彼らはネット上でも当然嫌われており、品薄状態を作り出す要因の一つではありますが、この「転売問題」に対応できていなければ企業への批判に変わります。
例えば「購入はお一人様1つ」などの制限がなければ、大量購入を許してしまうことになり、「転売対策ができていない」との批判が集中するでしょう。
販売計画を策定する上で、今後はSNSにおける評価、評判も参考にするべきかもしれません。ネット上のクチコミによる購買行動への影響は想像以上に大きいと捉える方が良いでしょう。
また、供給が追いつかないという状況において消費者の反響をチェックする必要もあります。購入希望者に対して十分な説明ができているか、その説明は意図通りに伝わっているかを追いかけることが騒動化を防ぐ対策と言えるでしょう。
品薄状態の解消に向けて企業がする努力は大変なものでしょう。正直なところSNSモニタリングを行っている余裕はないかもしれません。一方で、解消に向けての動きを情報公開していくことは風評の拡散を防ぎ、長期的にはブランドを守ることにつながります。
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