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コロナ禍で行きたい場所は変化した?!<Twitter調査ブログ>

アディッシュでは、マーケティング活用やネット炎上リスク対策を目的に、Twitterをはじめとするソーシャルメディア(SNS)上の消費者の「素の声」を収集、分析するソーシャルリスニングサービスを提供しています。 そのソーシャルリスニングサービスの技術を利用し、世の中で話題になっているトピックスがTwitter上でどのように話題に取り上げられているのか、その傾向を見ていきます。 今回は、「行きたい場所」から見る人々の行動意欲についてです。

調査概要

新型コロナウイルスの感染拡大により、国内・海外を問わず人々の移動が物理的に制限されることが増えました。そんな状況下で、人々の行動意欲はどのように変化したのでしょうか。「行きたい」をキーワードにTwitter投稿を調査します。

  • 調査1:行きたい場所はどのように変化した?
  • 調査2:国内・海外の比率の推移は?
  • 調査3:具体的な行き先はどこ?

調査結果

調査1: 行きたい場所はどのように変化した?

新型コロナウイルスの感染拡大の状況下で、人々の行きたい場所はどのように変化したのでしょうか。感染拡大の懸念が高まりつつあった2月の連休初日-①、緊急事態宣言中の5月の連休初日-②、緊急事態宣言解除後の8月の連休初日-③という3つの調査日において、投稿の傾向を見ていきます。

【調査方法】
調査日:①2020年2月22日、②2020年5月2日、③2020年8月8日
調査条件:
 「行きたい」を含む投稿(リツイートを除く)から行きたい場所が明記されている100件の投稿を抽出し、目視にて分類
分類項目:
 ・旅行・観光地 ———- 地名(国や都道府県等)、自然(山、海等)、観光名所等
 ・飲食店 ———- レストラン、喫茶店、カフェ、居酒屋、バー等
 ・ショッピング ———- 衣服、装飾品、玩具、ゲーム等
 ・アミューズメント ———- カラオケ、映画館、テーマパーク、動物園、美術館等
 ・美容・エステ等 ————- 美容院、エステ、ジム等
 ・生活必需品購入 ————- 生活必需品、食料品、日用品等
 ・病院等 ————- 病院、歯科、整体等
利用ツール:Social Studio(株式会社セールスフォース・ドットコム)

結果

感染拡大の懸念が高まりつつあった2月22日と緊急事態宣言発令中の5月2日で比較すると、生活必需品購入やショッピングの投稿件数が増加しています。生活必需品に関しては、普段は投稿されないような内容でも、緊急事態宣言によって外出そのものが困難になったことで投稿されるようになったことが推察できます。

「コストコ 行きたいー 買い物したいー 密はヤダー 家事したくないー 寿司とピザで乗り切りたいー 今日の混み具合は? 朝一が空いてるかな?」(5/2)

また、同調査日で比較すると、飲食店の投稿件数が減っていることがわかります。緊急事態宣言発令中ということもあり、新型コロナウイルスの感染対策として外出自粛の意識から投稿件数が減ったのだと考えられます。実際の投稿も、行くのは「コロナが落ち着いたら」という内容が見受けられます。

「ラーメン山まさか」で二郎系汁なしラーメンをテイクアウト! めっちゃうまい! コロナ落ち着いたら普通にラーメンも食べ行きたいなぁ…」(5/2)

その外出自粛の意識も次第に変化していったのか、8月8日には再び飲食店の投稿件数は増加しています。

「牛串 丸十精肉店(渋谷店)っていうお店の牛ハラミ串。Sサイズ。(写真撮る前に食べちゃったw)本当にここのお肉めちゃめちゃ美味しい。近いうちにまた行きたい」(8/8)

調査2: 国内・海外の比率の推移は?

国や地域により新型コロナウイルスの感染者数に差異がある中、旅行の行き先として国内・海外の比率に変化はあったのでしょうか。調査1の3つの調査日において、都道府県名または特定の国名(または地名)を含む投稿件数を調査します。

【調査方法】
調査日:①2020年2月22日、②2020年5月2日、③2020年8月8日
調査条件:
 「行きたい」かつ都道府県名、特定の国名(または地名)※のいずれかを含むTwitter投稿
  ※特定の国名(または地名)の選択方法:海外旅行者の旅行先トップ50(受入国統計)より

分類項目:国内、海外
利用ツール:Social Studio(株式会社セールスフォース・ドットコム)

 

結果

国内と海外で比較すると、全調査日において国内が70%以上と多数を占めていることがわかります。
また、新型コロナウイルスの影響が少なかった2月22日と緊急事態宣言中だった5月2日で比較すると、5月2日の方が海外の投稿割合が大幅に高いことがわかります。加えて、調査対象の投稿で頻出しているキーワードを調べると、5月2日に「落ち着いたら」という言葉が急増していました。(2月22日:99件、5月2日:1092件)。
法務省の出入国管理統計統計表によると、2020年2月の出国者数は1,316,820人で前年と同水準、5月は5,539人で前年からマイナス99.6%となっており、国内外での新型コロナウイルスの感染拡大によって、海外には行けないという意識が広がり、かえって海外に行きたいという投稿件数の割合を増加させたのかもしれません。

「コロナが落ち着いたら、ヨーロッパ旅行に行きたいです(一度も海外に行けていないので)。 」(5/2)

 

※参考:出国者数(出入国管理統計統計表

※参考:「落ち着いたら」を含む投稿件数

調査3: 具体的な行き先はどこ?

調査2において行きたいと投稿された場所は具体的にどこだったのか、直近の旅行シーズンである8月8日の投稿において、国内と海外をそれぞれ集計しました。

【調査方法】
調査日:2020年8月8日
調査条件:調査2と同条件。上位10地域の件数をグラフ化。
利用ツール:Social Studio(株式会社セールスフォース・ドットコム)

結果

国内の都道府県では東京が最も多く、次いで大阪、京都などの観光地が続きます。
ブランド総合研究所調査の2019年観光意欲度ランキングでは北海道、京都府、沖縄県、東京都、奈良県、福岡県、大阪府と並んでいます。その結果と比較してみると、東京都、大阪等の都市部への行動意欲が目立つとともに、観光で人気の都道府県は今回のTwitter投稿調査でもおおむね上位に位置しているという結果であると言えます。東京は依然として感染者数が多く、GOTOトラベルの対象外にもなる状況から、その反動で「行きたい」という行動意欲を示す投稿が目立ったのではないかと推察できます。

参考:
観光で行きたい都道府県&市区町村ランキング2019【完全版】
「都道府県&市区町村の観光意欲度ランキング2019」ブランド総合研究所-都道府県魅力度ランキング(地域ブランド調査2019)

海外では韓国が最も多く、タイ、ハワイと続きます。「エイビーロード海外旅行調査2019(株式会社リクルートスタイル)」「同行者別 2018年の海外旅行先 TOP10」の「友人」と「一人旅」のランキングと類似する結果となっています。Twitter利用者の中心が20代であることと、新型コロナウイルスの影響を鑑み、親や家族での旅行を言及する人が少なかったことからこの傾向となったと推察されます。法務省の出入国管理統計統計表によると、8月の出国者数は速報値で37,137人と、昨年よりマイナス98%の状況です。最低水準だった4月の3,915人からは回復しているため、各国の入国制限緩和のうごきにあわせ、旅行先として人気のタイや台湾などの国へは、次第に旅行者数も増えていくかもしれません。

参考:エイビーロード海外旅行調査2019(株式会社リクルートスタイル)

まとめ

いかがでしたか。
今回の調査でわかったことをまとめると以下のようにいえるのではないでしょうか。

・新型コロナウイルスの感染拡大により、普段ではあまり見られない生活必需品購入に関する投稿が増えた

・行きたいという投稿は、行けない状況によって増加することがある

・行きたい国(地域)と新型コロナウイルスの状況とは関係なく、人気の観光地が上位を占めている

複数ワードを掛け合わせてシステム的に検出するだけでなく、目視による分類をすることで、心情の変化や、発信者のスタンスが個人なのか企業としてなのか等、一段細かい情報になり、その後の考察や対策といったデータ活用につながることを感じていただければ幸いです。
アディッシュではご要望に応じた初期設計から、実際の投稿情報の収集・目視分類の対応まで一貫して対応いたします。
ご興味がありましたらアディッシュのソーシャルリスニングサービスより詳細をご確認ください。

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