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ネットコミュニティ設計に必須な3つの視点

インターネットコミュニティにはユーザーを活性化する以上に価値があります。投稿をするユーザー、投稿を見るユーザー、そして運営者の3つの視点からコミュニティ設計のあり方を考えてみます。

情報発信者にとっての価値

ユーザー間の交流、もしくはユーザーと運営者の交流のためにネットサービス、もしくはアプリにコミュニティ(掲示板)を設置することがあります。

自身の利用するサービスにおいて、何らかの投稿(書き込み)をするユーザーの動機には下記のようなポイントが挙げられます。

  1. 投稿によってインセンティブが得られる

    例えばサービス内で利用可能なポイントの付与、もしくは投稿することでサービスの利用範囲が拡大するなど

  2. 投稿によってコミュニティ内に存在感が確立される

    投稿の頻度、内容によって他のユーザーや運営者に認知され、当人が自分の影響力を実感できる状況

  3. 他のユーザーの役に立ちたいという善意

    悩みを解決する、質問に答えるなど、他のユーザーに対して有益な情報を提供することができている状況

  4. 表に出しにくい思いの発散として

    実生活で表現しにくい感情を発散のために書き込む、もしくは解決したい問題を書き込むことで答えを求める

以上のような期待感を発信ユーザーは持っていると推測されます。

コミュニティを動かすために発信ユーザーの存在は不可欠です。コミュニティを作っただけでは彼らの動機としては弱く、参加を促す仕掛けづくりが必要になるでしょう。

情報受信者にとっての価値

おそらく大半のユーザーはコミュニティに参加しているものの、情報収集のため投稿を観察するだけになっているのではないでしょうか。

無料で参加可能なコミュニティであったとしても、彼らは自分の時間を消費しています。コミュニティを訪問すること自体にある程度の動機が必要だと言えるでしょう。

  1. 自身の問題に対する解決策を求めて

    実生活において問題に直面したり、決断を迫られたりしているユーザーが同様の他のユーザーを探し、解決のためのヒントを得ようとする

  2. 自分と同質なアイデアを求めるため

    自身の生活、もしくは世間一般の出来事に対する考え方に近い他のユーザーを探し、共感することでマイノリティではないことを保証される

  3. 多種多様な価値観に基づく情報収集

    自身の行動や考え方の今後を探る上で、異質な価値観も含めて多種多様な情報を収集していく

ソーシャルメディアの普及により共感性を求めるユーザーは増加傾向にあります。同じ価値観、同じ境遇、同じ趣味を持つユーザー同士は関係性を強めていくと考えられます。

一方で、そのように蛸壺化した「閉じたコミュニティ」には課題もあり、情報収集していく上で多様性を重視するユーザーが存在することもまた事実です。

コミュニティ運営者にとっての価値

それでは情報発信ユーザー、情報受信ユーザーが集まるコミュニティの運営者は何を期待することができるのでしょうか。

発信者も受信者も参加頻度と参加時間が増加することで、収益を生み出す機会が増加していきます。ユーザー自身が直接課金することがあります。一方で、多くのユーザーがコミュニティを訪れることで、サイト運営者が広告収入を得ることも可能となります。

また、ユーザーの書き込みそのものにも価値が生まれていきます。ユーザーがプロフィールの更新や情報発信をすることで価値のあるデータが蓄積されていきます。
精度の高いターゲティングによって効率的な広告メニューを提供することができるでしょう。

さらにユーザーの書き込みが蓄積していけば、マーケティングデータとしての活用方法も模索できるかもしれません。

コミュニティ運営者がユーザーの期待に応える設計を目指していけば、結果としてビジネスとしての成功にも近づきます。
また、この設計はサイト構成や利用規約、監視の判断基準に反映させていくことになります。

アディッシュでは、監視判断基準および業務設計の作成をサポートする「コミュニティ監視」サービスを提供しています。お気軽にお問い合わせください。