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ソーシャルリスニングが役立つ4つの理由

もはや無視できないソーシャルメディアの影響力

 

ソーシャルリスニング」は、TwitterやFacebookのようなソーシャルメディアからユーザーの“声”を集め、それらを分析することによって、特定の事柄に対するトレンドや評判を把握する手法です。

スマートフォンやSNSの普及によって、ソーシャルメディアの影響力は良くも悪くも大きなものになってきました。

2013年の夏ごろから、Twitterなどで不用意な投稿をしたユーザーや組織が、インターネット掲示板などで強烈な批判を受ける「炎上」事件が目立ちました。連載第6回「火種をキャッチして炎上を防ぐソーシャルリスニング」や第7回「ソーシャルリスニングのリスク対策活用方法」では、こうした事象へできるだけ早く的確に対処するために、ソーシャルリスニングが役に立つことを紹介しました。

しかしソーシャルリスニングは、マーケティングや商品開発、サービス改善などにも活用することが可能で、リスクマネジメントを含めて大きく4つの用途に分けることができます。今回は、それらをまとめてみましょう。

企業活動に役立つ理由(1)

社内教育、リスクマネジメントに有効

事前対策としては、モニタリングの結果を受けて、教育やソーシャルメディアポリシー策定の計画(Plan)や確認(Check)を実施することが考えられます。また事後対策としては、不適切な発言などのリスクをできるだけ早くキャッチし、迅速かつ適切に対応することが挙げられます。

詳しくは前出の本連載第6回「火種をキャッチして炎上を防ぐソーシャルリスニング」や第7回「ソーシャルリスニングのリスク対策活用方法」で紹介しているので、ぜひ参照してください。

企業活動に役立つ理由(2)

リアルタイム情報から商品・サービスを改善

ある商品やサービスに関する投稿を収集・分析し、評判や改善点を把握するために使います。

従来から、こうした改善のためには「アンケート」が用いられてきました。アンケートは現在でも主流の手法ですが、ソーシャルリスニングで得られる情報には、2つの利点があります。

1つは、リアルタイムの情報を得られることです。商品・サービスに対するアンケートを実施する場合、質問項目を設計し、回答者を選定して実施、集計、分析といった手順を踏む必要があるため、長期間に渡ってしまいます。

もう1つは、ユーザーのニュートラルな“素の状態の声”を聞くことができる点です。アンケートの場合、例えば、設問設定によっては特定の回答へと導くようなバイアスがかかってしまったり、プレゼントを期待したユーザーが、点数の高い方に偏ってしまったりするなどのケースが考えられます。

またソーシャルリスニングは、投稿日時のデータを持つため、時系列で評価の変化を追うことができます。例えば何らかの施策を打ったときに、その効果を把握することが可能です。分析の条件を合わせれば、競合比較も容易に実現できます。

 

企業活動に役立つ理由(3)

顧客の“素の声”をマーケティング活用

自社がフォーカスすべき市場を把握したい場合にも、ソーシャルリスニングが役に立ちます。どういったユーザーが、何に興味を持っているのか。商品・サービスについて何を価値として感じているかなどに関して、顧客をセグメント化・ターゲット化するために役立ちます。

どうしても企業はその成り立ちの都合上、自社のレンズ(「組織・部門」、「業務プロセス」、「商品単位」など)を通してモノを見る傾向にあります。

顧客の“素の状態の声”を多く聞くことで顧客のレンズ(「解決してほしい課題全体」、「商品やサービス・企業全体・提供経路やブランドイメージなどの全体を通して提供される体験」、「商品品質が良くても全体として感じる不便さ」、「企業側で想定してない利用シーン」など)での視点を磨き、どのような要因が“顧客にとっての”価値向上へとつながるかを映し出すことが重要です。それにより顧客視点での価値の切り口でセグメント化することにつなげられます。

さらに、非常に困難なアンケート設計にも活用することができます。

アンケートは最初の仮説立てが重要であるため、そのもととなる情報をソーシャルリスニングで取得します。アンケートとソーシャルリスニングは、相反するものではなく、組み合わせて活用することで、より立体的な把握へと結びつけることが可能です。

企業活動に役立つ理由(4)

情報発信の善し悪しを分析・向上

ソーシャルリスニングを活用すれば、(1)(2)(3)に挙げたようなさまざまな情報をタイムリーに把握することができますが、どのような情報のどのような要素に対して好意的、もしくは否定的に反応しているのかを分析することで、企業やブランドとしての情報発信の内容や方法を改善させることができます。

 

データの集計・分類はプロフェッショナルに任せよう

ソーシャルリスニングはとても有用な手法ですが、実際に運用するには難しい場合があります。

ソーシャルリスニングを支援するツールの多くは、「キーワード検索」と、ある一定の設定での「自動分析」を主体としたものです。投稿の内容を自社での活用に“役立つ”情報にしていくために正確に分類するには、どうしても人の目を介する必要があります。そのため、仮に24時間365日でモニタリングをすれば、非常に多くの人員と時間が必要となってしまいます。

本来、マーケティング担当者やサービス開発担当者などが時間をかけなければならないのは、こうした情報をもとに商品やサービスを改善したり、新しいマーケティング施策を打ったりすることです。煩雑な集計・分類作業は、ソーシャルリスニングのプロフェッショナルに任せ、時間をかけるべき業務に注力できる環境を整えることは有益な選択肢と言えます。