いわゆる「ネット炎上」と呼ばれるトラブルが企業SNSで発生するきっかけは大きく分けて2つ。企業の不祥事についてSNSに厳しいご意見をいただく場合、そしてSNSにおける不用意な発言を問題視される場合です。
Facebookとは違い、Twitterはスピーディーな反応が求められます。ユーザーのタイムラインは次々と更新されていくことから、お問い合わせに対してもなるべく早く反応するように努める企業が多いようです。
即座に反応できるよう社内にTwitter担当者をおいて、ある程度の決定権を持たせることもあります。そのため担当者が個人的な考えに基づいた発言をしてしまうことも…。その内容が世間一般の価値観と著しく離れていた場合にユーザーの反感を買う可能性もゼロではありません。
企業アカウント運用は、個人アカウント利用とは根本的に違います。企業の顔であることを忘れてしまうと、不用意な発言につながってしまいます。
自分が担当する企業アカウントに多くのフォロワーがつけば、自然と反響も大きくなり、やがてコミュニティマネージャーを担うことになります。このコミュニティマネージャーは決して「エラい」わけではなく、フォロワーと同じ立場であることは忘れるべきではないでしょう。
このコミュニティが閉じた空間になっていくほど、世間一般の価値観とのズレに気がつきにくくなってしまいます。コミュニティ内で支持を得ることで、自身の価値観が一般的なものだと勘違いしてしまうことがあります。
この一連の「勘違い」のプロセスはTwitterという開かれた場で行われていたとしたら…。
素直に勘違いを認めることができずに、間違いを指摘する声に反発して、騒動が拡大していってしまうことでしょう。
自身の発言を評価するのは多様な価値観を持った多くの人々です。その全てが正しいわけではありませんが、熱心な支持層だけではなく異なる価値観を持った意見にも耳を傾けていくことが重要なのではないでしょうか。
さらにコミュニティマネージャーは「エラい」存在ではなく、間違いが許されない存在でもありません。企業アカウントの威厳を気にしすぎて、間違いを認めずに炎上するくらいなら、時には正直に謝ってフォロワーとともに学んでいく姿勢を選ぶべきかもしれません。
企業のTwitterアカウントを運営していくと、良い変化と悪い変化が起こります。
良い変化とはフォロワーとともにTwitter、そしてインターネットを学び、楽しんでいくことです。トレンドを把握して状況の変化に対応していくことこそがユーザーと長期的な関係を続けていく秘訣となるのではないでしょうか。
一方で悪い変化とはアカウントとしての軸がブレてしまうことです。無意識のうちに他のユーザーの影響を受けてしまうことがあります。また、プライベートでもTwitterなどのSNSを利用している場合に企業アカウントとのトーンが混同してしまうこともリスク増大につながります。
変えてもいいもの、変えてはいけないものはあらかじめ方針として定義しておくとよいでしょう。定期的にその方針を確認する機会を設けることで、ブレない運用を心がけたいところです。
また、一人ではなく社内の複数メンバーでユーザーとのコミュニケーションを振り返る機会も必要です。ユーザーのどのような書き込みにどのように返信したのかを記録として残し、様々な視点からフィードバックを受けることも検討すべきですね。
消費者と直接つながることはお互いの発言の受け止め方次第で大きなリスクとなります。一方で、自分たちの言葉を直接届けられるというメリットもあります。
まだまだ企業と消費者とのつながりは始まったばかりです。最低限の方針を守っていけばユーザーとの関係性はきっと良好なものになるでしょう。
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