ソーシャルリスニングという言葉をよく聞くけど、どうやればいいの?何ができるの?という疑問を持ってらっしゃる方も多いのではないでしょうか。そのような人に向けた、ソーシャルリスニング入門編~活用シーンを解説します。
ソーシャルリスニングとは、Twitterを始めとするSNS(ソーシャル・ネットワーキング・サービス)で、一般の消費者たちがある特定の話題についてどのように語っているのかを見る(傾聴する)ことです。ただ単に眺めるのではなく、しっかり受け止めていくことがソーシャルリスニングの第一歩です。
それらの意見を自社の商品やサービスの向上に役立てることを指す。
傾聴するの意より「リスニング」という単語が利用されている。
用語集:ソーシャルリスニング
ソーシャルリスニングを体系化すると、「リスク用途(ソーシャルリスク対策)」と「マーケティング用途」に分けられます。例えばあなたが自社に関する話題をソーシャルリスニングせよ、と上長から言われた場合、リスク用途とマーケティング用途ではどういう視点で対応すればよいでしょうか。それぞれの特徴を見てみましょう。
リスク用途 | マーケティング用途 | |
---|---|---|
主な目的 |
自社にとってリスクのある内容がないかをウォッチする/炎上していないか確認する |
特定の項目について深掘りしてチェックする/全体的な動向を把握する/競合との比較調査/リプライマーケティング |
拡散フェイズ状況を見る |
・リスクを含む内容がないか、1件1件精査しながら読み込む必要がある |
目的に応じて異なり、設計次第で結果が変わる |
エゴサーチ用キーワード選定 | 自社名やサービス名と、リスクワードとの組み合わせを利用 | 目的に応じて異なり、設計次第で結果が変わる |
レポート | 投稿データと内容分類結果をリスト化。リスクがある場合は緊急対応 | ポジネガ判定(ポジティブ・ネガティブ判定)、件数推移グラフなど |
表の3つ目の項目に「エゴサーチ用キーワード選定」と書きましたが、実はキーワードの設定はとても重要なポイントです。皆さんは自社のネット上の評判(レピュテーション)を見るために、自社の名前をそのまま入れていませんか? もちろん、自社の名前を入れて「濃い」内容の検索結果が表示されるなら、それが最適です。しかし、多くの検索結果は、自社にとって無関係なものが多数入っていたり、bot等の意味のない投稿が多数混じっていたりなど、膨大な件数を取得してしまうこととなるでしょう。それを防ぐためにも、キーワードを適切に設定することはとても重要です。
ソーシャルリスクというと「Twitterが炎上!」というイメージを持っている人も多いと思いますが、炎上に至るまでの小さな火種にもすぐに気付くことが重要です。1件の重大なリスクが拡散されていけば、あっという間に炎上状態になるでしょう。
炎上を気にする前に、まずはSNS上にくすぶっている1件1件の不満やリスク投稿を気にかけるべきです。そのためにも、SNS上の定期的なモニタリングをお勧めします。
まず手始めに、「Yahoo!リアルタイム」や「Twitter検索」といった気軽に利用できる検索システムを利用してみてはいかがでしょうか。Instagramでは「ハッシュタグ検索」を用います。自社の名前や商品ブランド名を入力し検索すると、どのようなことが書かれているでしょうか。検索結果の精度が低ければ、Twitterであれば「高度な検索」を利用してキーワードを組み合わせたり、NOTワードを設定したりしましょう。
※TwitterのNOTワードの設定方法は過去記事「AND、OR、NOTを用いたTwitter検索」でまとめています。興味のある方はご覧ください。
自社にとってリスクとなるような投稿を発見した場合は、関係者や担当部署に報告をして、そのリスクに対する施策を検討します。不利益な投稿を削除するのではなく、自社のサービスや商品の改善に力を注ぐべきです。お客様相談室などに届く消費者の声に対して対処するのと同じく、SNS上の投稿についても改善のための貴重な声と捉えるとよいでしょう。
キーワードを工夫しても件数が多くすべてを確認できない場合は、専用ツールを利用したり、またアディッシュのような目視対策を行っている事業者に委託したりするのも一つの手段です。アディッシュでは24時間365日のサービス提供をしているので、夜間や休日のリスク発生にもお役立ちいただけます。
アディッシュのソーシャルリスニングサービスについて詳細は「ソーシャルリスニング」ページをご覧ください。
ソーシャルリスニングをマーケティングに活用する方法は多様です。例えば、新商品を販売するにあたって、類似している商品がどのように語られているのかを見ることもあるでしょうし、自社商品についてどのようなトーンで語られていてどこを改善すべきかを見出すという利用方法がありえます。また、何かしらのキャンペーンを行った際に、Twitter上の反応を見るのもソーシャルリスニングの一種といえます。
さらに踏み込んだ利用方法として、SNS上で「困っている」「探している」などの投稿をソーシャルリスニングにより見つけ出し、その投稿に対してリプライの形で個別に問題解決に関わりのあるサービスを送付する「リプライマーケティング」を行っている企業も出始めています。
全体的な動向を見極めるには、1件1件細かく見るよりも、俯瞰的に見る方がよいでしょう。その場合は専用ツールを提供している企業があるので、それらのツールを利用してはいかがでしょうか。一方、1件1件細かく見ていきたい場合、また場合によっては消費者に公式アカウントから語りかけていきたい場合などは、目視による投稿確認をお勧めします。
※ソーシャルリスニングの海外版専門ツールは過去記事「【マーケティング担当様必見!】海外版ソーシャルリスニングツール6個」でまとめています。興味のある方はご覧ください。
一括りにソーシャルリスニングと言っても、目的ややり方が様々であることがお分かりいただけたのではないでしょうか。ソーシャルリスニングを実施する場合、なんとなくSNS上を眺めるというので終わらせないよう、目的を定めたうえで設計をしっかり行い、適切な手法をとっていくことが重要です。
アディッシュではレピュテーションリスクを早期発見・報告する「ソーシャルリスニング」サービスを提供しています。お気軽にお問い合わせください。
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