日本では「つぶやき」と翻訳されていたTwitter(ツイッター)のツイート機能。ユーザーが特定の企業や製品・ブランドについて、対象を指定せずにツイートしたとき、該当企業はどのように受け止めるべきでしょうか?
前回の「ツイッターの企業アカウントはユーザーとどのように向き合うべきか(1/3)」に続けて、今回は「独り言として不特定多数に発信した感想やご意見」について解説していきます。
140文字という制限の中で情報発信を行うTwitter。ユーザーはブログのように長文を書き込むのではなく、その瞬間の出来事や思ったことを気軽に投稿するという特徴があります。
そのようなとき、ユーザーは前回ご紹介した「@ID」でのメンションを行わずにツイート。このツイートは発信したユーザーのフォロワーに届けられます。
他のSNSでも言えることですが、ユーザーは「共感」を期待しています。その場合、誰かに話しかけるよりも、皆に話しかける方がより多くの「共感」を集められる可能性があります。
特定のメンションを行わないのは幅広くフォロワーから「いいね」やリツイート(RT)を集めたいという気持ちもあるのかもしれません。
また、たとえ「いいね」、リツイートが0件だったとしても、ただの「独り言」で済まされるため、気まずい思いをしないことがTwitterの良いところでしょう。
上記のことから特定の企業や製品・ブランドについてのご意見や感想であっても、受け手を指定していないので、該当する企業からのリアクションを期待している訳ではないと読み取れます。
また、Twitterと連携しているYahoo!の「リアルタイム検索」でもツイートの取得が可能。「話題のワード」とあわせて、Twitterにおけるトレンドがわかりやすくなっています。
自社についてのツイートを検索する際にポイントとなるのはキーワードの選定。企業名、製品名、サービス名、ブランド名に略称や愛称はありませんでしょうか?Twitterは文字数制限があるため略称を用いたり、気軽な発言の場として愛称で語られることもしばしばあります。
さらに自社についてのキーワードで検索したはずが関係のないツイートが表示されることもあるかと思います。
(パソコンの略称で検索したはずがハンバーガーチェーンの愛称が出てくるなど)
アディッシュのソーシャルリスニングでは、このような「関係のないツイート」を排除しつつ予め決めた項目に分類してレポートしています。
「新商品の○○が美味しかった!」というようなポジティブな投稿については嬉しい感想として受け止め、特に反応しなくても問題はありません。一方で返信(リプライ)するなど、積極的に反応することで消費者のロイヤリティ向上につながることもあります。
ネガティブな投稿を発見してしまった場合、慎重な対応が求められます。ユーザーは該当企業に向けて発信している訳ではないので、反応は期待されていません。ただし真偽に関わらず「○○というお菓子に変なものが入っていた」というような投稿は放っておけばTwitter上で勢いよく拡散していく可能性があります。
まずはこのようなツイートを素早く検知することが重要。ニュースとなってからでは対応に遅れが生じてしまいます。スピーディーな検知で時間的余裕が生まれれば、適切な対応につながっていきます。
また、前述のようなネガティブな投稿にTwitter上で反応をすべきかどうかは業種や状況によっても異なります。ユーザーに返信する形で「お客様センター」をご案内する、メンションはされていないので特に反応をしない、など様々な選択肢がありますが、いざ起こった瞬間に対応を考えるのではなく、事前に方針を決めておく必要があります。
次回後編では、ツイッターの企業アカウントはユーザーとどのように向き合うべきか(3/3)にて、「Twitter上の会話の中で発信された感想やご意見」について深掘りをしていきます。