「闇バイト」と疑われる求人情報が求人サイトに掲載されていると報じられています。特にスポットワーク、スキマバイトなどのサービスに闇バイト求人が紛れ込んでいるとして対策が急がれています。このような求人サイトの運営において求められるリスク対策について考えます。
■求人サイトに掲載される「闇バイト」疑惑情報
「短時間で高収入」などのSNSの書き込みをきっかけに応募し、強盗など違法行為の実行に加担させられる闇バイトが社会的関心を集めています。
このような闇バイトに関連すると疑われる情報が求人サイトに掲載されているようです。
例えば「真夜中に猫を探す」という求人がSNSを中心に「闇バイトではないか?」と話題になりました。求人内容に対して短時間高収入であり、「携帯電話や荷物を預かります」、「指示やお願いに素直に行動できる方」などの条件が闇バイト疑惑を深めています。「猫」は「防犯カメラ」や「高級車」を表す隠語ではないか?というSNS上の憶測もありました。
この「深夜の猫探し」の求人は騒動の後に削除され、実際に就業した人はいなかったことを当該求人サービスの運営会社は明かしています。
闇バイトはSNSでの募集が困難になりつつあり、求人サイトやアプリに進出していると言われています。一定の知名度のある求人サービスは求職者にとって信頼度が高く、もしも闇バイトが掲載されてしまった場合に応募してしまうリスクがあります。
■スポットワーク、スキマバイトの急成長とリスク
空き時間を活用して数時間働く「スポットワーク」に関連するサービスが急成長しています。スポットワークは「スキマバイト」とも呼ばれ、新規参入が続いています。
副業として空いている時間に少しでも働きたいという人が増えている一方で企業側は人手不足が続いています。このニーズをマッチングさせるスポットワークサービスの利用者数が増加しています。
スポットワークの利用者は自分の働きたい時間に短時間・単発の仕事をします。すぐに仕事をすることができ、即日報酬を得られることも利用者にとっては魅力的です。
従来の求人サイトだけでなく、このようなスポットワークサービスが登場したことで多様な働き方が実現しました。しかし一方でこのような求人市場の拡大によって闇バイトのような求人情報が掲載されてしまうリスクが高まっています。
求人サービスにおいて闇バイトはどのような手口で求人を行うのでしょうか。
■闇バイト求人の手口
前述の「真夜中の猫探し」のように闇バイトの疑いのある募集は巧妙化しています。
削除されることはわかりきっているので違法行為に加担することを明示した募集は行いません。下記のようなパターンで闇バイトの募集を行っているようです。
1.闇バイトではない求人を装って掲載
前述の「深夜の猫探し」のように一見闇バイトとは無関係のような求人として審査を通過。バイトに応募したところ問題のある求人であることが発覚する可能性があります。
闇バイトと疑われる求人の内容について情報を蓄積することで疑わしい表現などを検知していく必要があります。
2.闇バイトにつながる入口の求人を掲載
まずは闇バイトではない求人を掲載。応募者に継続的に仕事を紹介し、次第に闇バイトのような問題のある求人に誘導していく手法があります。
求人単体で問題ありと判断するのは難しいため、掲載企業の動向をチェックしていく必要があります。また企業と応募者のコミュニケーションにおいて外部への誘導など不穏な動きがないかについても注視すべきです。
このような闇バイト求人に対してどのような対策ができるでしょうか。
各ステップでの審査、そして闇バイト求人の変化への対応が重要になります。
■事業者・求人審査とSNSモニタリング
求人サービス内においては以下のようなポイントで闇バイトを排除しなければなりません。
[求人を掲載する事業者の審査]
各種書類の提出を求め、審査を通った事業者が各求人サービスに求人情報を掲載します。スポットワークサービスの登場など最近では求人の機会が拡大していることから事業者も増加しています。闇バイトを掲載する事業者を入れないために厳格な審査が求められます。
[求人情報の事前審査]
審査を通った事業者が求人情報を掲載する際に問題がないかをチェックします。他の求人サービスにも並行して掲載するケースもあり、いち早く掲載してマッチングさせるためにはスピード感が求められます。しかし審査が手薄にならないように注意も必要です。
上記のような審査を素早く慎重に、そして大量に行っていくことが求人サービスの成功と健全化のポイントです。
また闇バイトの手口は常に変化しています。社会的な関心が高まっていることから求人サービスのチェックが厳しくなっていますが、それに対応して新たな方法で募集を行っていく可能性があります。
それらの情報をキャッチするためにSNSなどで闇バイトや求人サービスについての書き込みをモニタリングしていくことが有効です。
■アディッシュのリスク対策について
アディッシュではこれまでに求人情報の審査、メディアのチェックを通じて求人サービスの支援を行ってきました。
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