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2016.08.08

企業にとってのリスク、風評の構造

コミュニケーションのためのツールとして広く浸透しているTwitter(ツイッター)。便利な一方で、嘘の情報を書き込む、いわゆる「デマツイート」が問題となっています。企業にとっても無視できないTwitterデマについて掘り下げてみます。

目次

Twitterにデマを書き込む動機

 

先日、熊本地震の直後に「動物園からライオンが逃げた」などとTwitterに嘘の情報を書き込んだユーザーが偽計業務妨害の疑いで逮捕されたニュースが話題を集めました。

このユーザーは「悪ふざけでやった」と語っているそうですが、問題のツイートが拡散(リツイート)されていく様子を喜ぶ書き込みを行っていた模様。このデマによって、地元の動物園には問い合わせが殺到。警察にも相談の電話が多数寄せられたと報じられています。

なぜこのような嘘をわざわざ書き込むのか。
問題のツイートをしたことで、直接的な利益をこのユーザーが得られる訳ではありません。単純に自分のツイートが2万回以上リツイートされるなど、拡散され注目を集める存在になっていることに興奮しているだけのように受け取れます。

理解しがたいことではありますが、このデマを書き込むことの影響力を考えることができずに瞬間的に「2万リツイート」に対する快楽が勝ってしまったのでしょうか。

この事件は安易にデマを書き込むTwitterについての問題以上にそれを信じ込んでしまい拡散に協力してしまう多くの人々がいることを教えてくれています。

事実として信じてしまう人も

 

「動物園からライオンが逃げた」というツイートを見ても、普段であればそう簡単には信じられないのではないでしょうか。
実際に問題のツイートに付けられた写真は海外のもので、当時も冷静に日本ではないことを指摘する声も多数ありました。

それでもこのツイートは2万回以上リツイートされ、多くの人が情報を信じて拡散をしてしまいました。地震直後という特殊な状況で、疑いの目を持ってツイートを見られなくなっていたのかもしれません。
さらには2万人以上がリツイートをしているという事実によって、偽情報を信じてしまった人々もいるでしょう。

Twitterにおいては、企業についての偽情報も多く出回っています。「どうせ根も葉もないウワサ」と放置することはできません。「動物園からライオンが逃げた」という信じがたい情報であっても信じる人がいるのです。
もしも風評を放置したばかりに情報が拡散し、尾ひれがついていけば、やがて企業の経営を脅かすことも十分に考えられます。

企業として風評と向き合う

レピュテーションリスク(風評リスク)の影響力を実感させられてしまうこのデマツイート騒動。同様の現象が特定の企業に対しても十分に起こり得るでしょう。
(レピュテーションリスクについては「レピュテーションリスクが経営を脅かす理由と対策」でも解説)

企業の対策は、まずこれらのレピュテーション(評判、風評)を検知することから始まります。そもそも自社がネット上でどう思われているかを認知していないという企業もいるのではないでしょうか。

もしもレピュテーションを完全に否定できるだけの準備ができるのであれば、正確な情報発信が求められるでしょう。一方で、わずかでも心当たりがあるのであれば、社内改善のために活用することができます。

もはや風評を放置して問題ない状況ではありません。それほどまでに個人の情報発信力は高まっており、集団になることでさらに大きな力となります。

今後はレピュテーションリスクと向き合うことは、どのような企業にとっても必須となるでしょう。

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アディッシュのモニタリングソリューション「MONI」

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アディッシュのモニタリングソリューション「MONI」

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