レピュテーションとは「評判」「評価」という意味を持つ言葉。インターネット、SNSの普及により、レピュテーションリスク(評判リスク、風評リスク)に対する意識が高まっている。
近年、スマートフォンとSNSの普及によって誰もが自由に意見を発信できるようになった。表現の自由が広がることで、特定の物や人、企業に対する過度の批判や人格否定、根拠のない風評といったトラブルを生み出し、その影響力は増すばかりである。
いまや企業は第三者からのマイナスの評価・評判が広まることによる経営リスクを軽視できない状況にある。企業は社会課題に対する姿勢を示すことや製品・サービスの販売促進のために「ブランドイメージ」を創出することで、第三者から「どう思われたいか」をコントロールしようとする。しかしレピュテーションは第三者に「どう思われているか」という評価そのもので、企業や製品・サービスと関係性が薄い人でも評価者となり得るため、コントロールするのは難しい。
マイナス評価がステークホルダーの目につき、ネガティブな印象を与えてしまうと、企業にとっては損失につながる危険がある。またSNSの普及した現在、ほんの些細なきっかけで大勢を巻き込む社会的な議論が起こったり、営業停止に追い込まれるようなことも多々起きている。そのきっかけはSNS上で投稿されたサービス品質への苦情、アルバイト店員の悪ふざけ、経営者の失言などさまざまで、トラブルの発生を予見することは難しくなっている。
このように、企業に対するマイナスの評価や評判で、信用やブランド価値が低下し、損害が発生するリスクをレピュテーションリスクと呼ぶ。レピュテーションリスクへの対応には、日頃から自社の実態と周囲からの評価のギャップに敏感である必要がある。それにはエゴサーチなどのソーシャルリスニングを行い、自社に関する発話をもれなく収集する仕組みが有用だ。問題の投稿を早期発見し適切に対処できるだけでなく、ガバナンスの見直しや改善に向けた具体的なアクションにもつながるため、多くの企業が取り組み始めている。