自社にとってのリスクを定義づけしておく
自社にとっての「ソーシャルリスク」の定義はありますか?
膨大な量の多種多様な書き込みを、どのように整理・判断し、またどのような内容を緊急対応すべきなのかなどを自社内で定義付けます。業界や業態によって定義は異なり、また企業規模や認知度によっても変わるでしょう。A社にとっては「店員の態度が悪い」という書き込みがリスクに定義付けられても、同じ業界のB社にとっては、店員の態度に関する書き込みは直ちにリスク判断されないとしているケースもあります。
その他の「リスク投稿」としては、お客様からの不満情報、商品・サービスの不具合(異物混入など)、従業員の不注意な発言、内部情報の漏えいなど様々です。
普段から軽微な書き込みも含め継続的に見続ける
リスクを定義づけたら、次にすべきことは、書き込みのチェックです。
「ソーシャルリスニングによるリスク対策って何? 前編」で「ハインリッヒの三角形」をご紹介しました。1件の重大な事故の裏には、29件の軽微な事故があり、その裏には300件のヒヤリ・ハットする事象がある、という内容です。
炎上対策のためには普段からこのヒヤリ・ハットする書き込みがないかを継続的に見続けておくことが重要です。
ほとんどのケースの場合、ヒヤリ・ハットする書き込みがあっても直ちに炎上には発展しません。適切に書き込み情報を確認し、いざという場合に内容に応じて対策を考えておくことで、炎上リスクはかなり減らすことができます。
火種となる書き込みを早期発見する
通常時においては、多少のヒヤリ・ハットする書き込みはあっても、よりリスクの高い重大な投稿はそう多くありません。膨大な書き込みを日々チェックするのは根気のいる作業となりますが、炎上を防ぐには「火種」となり得る重大な書き込みを早期発見することが大変重要になります。
この「火種」を放置しておくと、ネットユーザー間で炎上・拡散する危険性が高まります。それがニュースサイトに記載されるとさらに拡散量が増し、マスメディアでの報道へとつながってしまうおそれもあります。テレビ、新聞、雑誌で報道され炎上がピークに達すれば、企業にとっては訴訟リスクや不買運動に発展することも考えられます。
いざというときの社内体制の整備
危険性の高い重大な書き込みが発見された場合、書き込み量が大きくならないか注視しつつ、該当内容が事実であるかを早急に関係各所と確認します。
事実と異なることであれば、静観すればよいことも多いですが、場合によっては、公式アカウントなどで客観的に事実でない旨を述べることも必要かもしれません。
事実であるならば、その問題を実際に解決したうえで、ソーシャルメディア上を静観しつつ、必要に応じて公式アカウントまたは公式サイトなどで公表しましょう。
ソーシャルメディア上の投稿は簡単にコピーされますし、多くの場合削除することは困難です。炎上する前の通常時における、できる限り早い事実確認と課題解決を進めましょう。