前回の「全店舗による情報発信体制、ガリバー社の独自オウンドメディア戦略とは(事例インタビュー【第1回】)」に引き続き、中古車買取・販売事業を営む株式会社ガリバーインターナショナル(以下、ガリバー)にソーシャルメディアとの付き合い方についてお伺いしたインタビュー記事をお届けします。第2回はFacebookやTwitterなどソーシャルメディアの活用方法及びソーシャルメディア上の情報を集めるソーシャルリスニングの捉え方についてお伺いしました。
※インタビューの内容は、2015年6月現在の状況です。
<話し手>
株式会社ガリバーインターナショナル デジタルマーケティングチーム 村田創様
株式会社ガリバーインターナショナル デジタルマーケティングチーム 時友真理子様
株式会社ガリバーインターナショナル デジタルマーケティングチーム 加瀬珠樹様
<聞き手>
アディッシュ株式会社 オンラインコミュニティ事業部 チーフアナリスト 大貫留美子
全社一律の戦略ではなく、地域・店舗の特色に合せたソーシャルメディア運用に
−公式Facebookアカウントや公式Twitterアカウントからかつてかなり高頻度かつ積極的に発信されていたようですが、現在では少し落ち着き気味に見受けられます。
時友様:
そうですね。工数が足りないので現状、企業としての公式アカウントまでは手が回っていません。以前は専属のソーシャル発信担当者を置いて積極的に発信したり、ユーザーの方とコミュニケーションを取っていたりしてアクティブサポートもしていましたが、現在のところその工数は割けないとの判断が出ています。一方、YouTubeアカウントも運用しているのですが、YouTubeについては動画広告とテレビCMでコンテンツを共有できることもあり、テレビCMを積極化していた時期と並行して積極的にプロモーションに活用していました。
−店舗ではソーシャルメディアを販促などに活用していますか。
村田様:
ソーシャルメディアを利用しようとしていた時代、ガリバーはいわゆる“白壁の店舗に緑の看板のガリバー”しかない時代でした。それから販売チャネルが少しずつ増えてきて、買取ではなく“販売”をメインに打ち出した専門店もオープンし始めました。新形態の専門店では2014年後半頃より独自にFacebookやLINEを始めています。スナップハウスという、お母さんがお子さんを連れて気軽に入れるというコンセプトの店舗では、併設されている無料カフェ店でママ会を開催してほしいというスタンスで、自動車を全面的に出したプロモーションには消極的です。現代の母親層は、Facebookを使っている人が多く、ブログを見る人は少ない。ブログを見るとすればアメーバブログぐらいしか見ないですよね。そのため、スナップハウスではFacebookを利用してイベントの告知などを出しています。また、大型展示場であるWOW!TOWNでも、Facebookでの発信も自由に行っています。本部で指示はしておらず、現場で自由に取り組んでもらっています。
−新しい形態の店舗におけるウェブマーケティング手法は、店舗側の自主的な判断に任せているということですか。
加瀬様:
集客手段はオンラインだけでなく、テレビもあれば地域新聞もある。どのツールを選ぶのかは事業部側の集客の担当が決めていて、販売チャネルによって最適な手法を考えています。チャネルごとにターゲットとなるお客様が異なりますから、発信方法や手段は固定せず、より最適なコミュニケーションを模索しているところです。ウェブマーケティングについては、センターがコントロールしている部分もありますが、販売チャネル側で考えながらやるのもよいと思っています。
株式会社ガリバーインターナショナル デジタルマーケティングチーム 加瀬珠樹様
「インターネット上で語られていることを“翻訳”してから報告」ソーシャルリスニングの捉え方
−ソーシャルリスニングは活用していますか?
加瀬様:
専用ツールを使ってインターネット上の様々な声を時々見ていますが、炎上の感知をいち早く見るには自分でツールを見るだけでは限界があり、アディッシュさんのソーシャルリスニングサービスを導入しています。ただ、本質的な意味でのソーシャルリスニングにはまだ辿り着けていないと思っています。
−ソーシャルリスニングに対するスタンスを教えてください。
加瀬様:
ガリバーのスタンスとしては、お客様がおっしゃっていることはヒントにしかすぎず、答えではないという考えが根底にあります。経営層が私たちに求めていることが、「インターネット上で語られていることを“翻訳”してから報告を、そのまま伝えるな」ということです。お客様がおっしゃっていること、世間が語っていることを、いかに咀嚼して伝えるかが私たちの価値であると、上層部から言われています。
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