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2020/07/09

ネット上での誹謗中傷対策の現状と個人におけるソーシャルリスク対策の必要性

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インターネット上で個人が自由に意見を発信し、議論することが広く浸透している現在。個人の発言力が増す中で、それぞれの価値観を押し付け正義感を振りかざすような、攻撃的な投稿が増えています。そしてその矛先は公人や企業にとどまらず、特定の個人に対しても躊躇なく向けられており社会問題となっています。 今回はネット上の人権侵害をテーマに、被害者救済に関する法制度とその課題を理解するとともに、個人がソーシャルリスク対策を行う必要性について考えます。

ネット上で個人に向けた誹謗中傷が社会問題となっている

スマートフォンの普及に伴い、SNSの利用者は爆発的に増加。若い世代を中心に日々の暮らしの中で密接な存在となっています。その中でインターネット上での違法・有害情報の流通は年々増加の一途をたどり、いま社会問題となっているのが個人に向けた誹謗中傷です。

ネットやSNSでは匿名で自由に投稿できることから、批判にとどまらず、人格やその人の全てを否定するような攻撃的な言葉も躊躇なく投げつけられるケースが少なくありません。「ネット私刑」などと呼ばれることもありますが、ネット上で執拗に本人を特定しようとする動きや、デマの拡散、人格否定ともいうべき行き過ぎた誹謗中傷などが問題になっているのです。個人の名誉を傷つけ、精神的な苦痛、経済的な不利益を与える人権侵犯事例です。

ネット上の人権侵害の例

いま、Youtubeやライブ配信、SNSを通して情報発信する個人は珍しくありません。そのため誹謗中傷に限らず、個人やその活動をインターネット環境下でも守る必要性が出てきています。ネット上での人権侵害にあたる例には以下のようなものがあります

(1)名誉毀損

個人の言動や振る舞いを批判する際、相手を傷つけたり、執拗に責めたり、人格否定とも取れるような攻撃的な言葉を投げつけるユーザーが少なくありません。それらのコメントへの対応も逆手に取られ、さらに事態を悪化させるケースもあります。見知らぬ不特定多数のユーザーから否定的なコメントが殺到することで、対象とされた個人は深く傷つきます。

(2)プライバシー侵害

個人を特定したり個人情報を晒すようなプライバシー侵害のケースもあります。直近では、コロナウイルスに感染した個人の行動を非難する声が巻き起こり、実名や顔写真とされる真偽不明の情報が公開される事態に発展しました。残念なことですが、個人情報を晒された人が被る不利益について深く考えることなく、野次馬根性で発言する無責任なユーザーは少なからず存在します。

(3)著作権侵害

イラストレーター、写真家などのクリエイターは自身の表現物、作品を勝手に流用・掲載されるという被害に苦しんでいます。犯人が個人である場合、また画像をアップしていた場所がSNSや第三者投稿型プラットフォームである場合には、犯人の特定がとても困難です。

誹謗中傷の被害者となったらどのように対処すべきか

もし自分が被害者となったらどのように対処すべきでしょうか。スルーしたところで加害者側は「自分は正しい行為をしている」「誹謗中傷されても当然の人だ」と思い込んでいることが多く、批判が収束するとは限りません。傷つけられた名誉の回復は容易ではなく、その影響が一生つきまとう場合もあります。どのような対処ができるのでしょうか。

先に例示したようなネット上の権利侵害に対応するために定められたのが、通称プロバイダ責任法です。ここでは主に、プロバイダ等の責任を制限することで削除等の適切な対応を促進することを定めた第3条と、一定の要件を満たす場合に被害者はプロバイダに対して発信者情報を開示するよう請求できることを定めた第4条が重要です。業界団体や権利者団体等から構成された「プロバイダ責任制限法ガイドライン等検討協議会」が実務上の行動指針となる「ガイドライン」を作成するなど、プロバイダ責任法を円滑に運用しようという取り組みは存在します。

しかし、泣き寝入りしている被害者が非常に多いのが現状です。理由は加害者を特定する発信者情報開示請求自体がとても困難で、手間も時間もお金もかかる点にあります。

ネット上の権利侵害へ訴訟で対抗する場合の問題点

以下が、権利侵害に対抗するための全体像を示した図です。発信者情報開示請求から損害賠償請求までの大きな流れが理解しやすいと思い、総務省の資料より引用させていただきました。

出典:総務省ホームページ 発信者情報開示の在り方に関する研究会(第1回)配布資料
「資料1-2  発信者情報開示請求に関する背景及び現状」より引用
 

 

本来であれば「権利侵害を受けたら発信者情報開示請求で加害者を特定し、その相手へ損害賠償請求を行う」というシンプルな話です。しかし任意開示に応じてくれることは少なく、コンテンツプロバイダへの仮処分、アクセスプロバイダへの本案裁判と2回の裁判が必要になるというのが実態です。所要時間だけで1年を超えるような手続きになるなど(下記資料参照)、非常に困難な道のりであることがわかります。

出典:総務省ホームページ 発信者情報開示の在り方に関する研究会(第1回)配布資料
「資料1-5  主な検討課題(案)」より引用
 

被害者本人に求められる証拠保全等の負担

このように非常に厳しい環境下でありますが、訴訟を続ける上で避けて通れないのが「証拠」の問題です。

プロバイダとしては、発信者情報開示請求に対して開示せず被害者に何か損害が発生したとしても、故意または重過失に当たる場合を除き免責されることになっています。一方で開示した「加害者」が間違っていた場合の免責事項は定められていないため、開示する方にリスクがあると判断し、任意開示に応じない場合が少なくないのです。これは、違法性を明確に示せる証拠を早い段階で提出することができれば、プロバイダは開示請求に応じてくれるということの裏返しでもあります。訴訟を短期間に進めるために、早期の証拠保全は絶対に必要なのです。

とはいえ、誹謗中傷を受けた証拠、つまり日々送られてくる自らに向けられた心無い言葉を直視し続けるというのは精神衛生上よいとは思えません。また実際問題として、特定のユーザーによる投稿だけピックアップするだけでも、かなりの手間がかかります。この点においても被害者支援は不十分であるという他ありません。

今後の法制度変更の見通し

被害者の苦境について触れてきましたが、ネット上での権利侵害事案が増加する中で、さまざまな判例も出されるようになってきました。そしてついに2020年4月30日に総務省は有識者会議を設置。発信者情報開示請求の仕組みについて、手続きにかかる時間を短縮できるかどうかの検討を始めました。今まさに議論が進んでいる最中です。

検討内容は以下の通りです。

(1) 発信者情報開示請求の対象となる発信者情報の拡充について

検討の背景には、現行の省令が対象としている範囲では発信者の特定が難しい場面が増えていることがあります。本稿執筆中の2020年6月4日、SNSで名誉毀損(きそん)などの権利侵害にあたる書き込みがあった場合、SNS事業者が被害者に開示できる情報に電話番号を追加する方針が明らかにされました。

(2) 発信者情報の任意開示を促進させる方策

先に触れたとおり、プロバイダが任意開示に応じないケースは少なくありません。被害者の精神的・経済的な負担を軽減し、権利侵害が明白な場合には開示のハードルを下げる方向に働きかけるような方策を検討するとしています。

(3) 発信者特定のための裁判手続きの負担軽減

発信者特定に複数回の裁判手続が必要となっていることや、海外への訴状の送達手続に時間を要することは、救済を求める被害者にとって大きな負担です。特に海外のプロバイダを相手に訴訟提起する場合は、日本拠点や日本の代理人を窓口に手続きを進める、など時間短縮のための方策を検討するとしています。

また、被害の増加や悪質さに対する社会の声、これらの政府の動きを汲み、2020年5月26日、Twitter JapanやLINE、Facebook Japan、 ByteDanceなどのネット事業者が参加するソーシャルメディア利用環境整備機構(SMAJ)が、個人に対する名誉毀損、侮辱などを意図したコンテンツの投稿に関する緊急声明を発表しています。政府と連携し、被害者支援へ向けて足並みをそろえていく見通しとのこと。有識者会議は2020年7月に見直しの大枠が一旦取りまとめられるスケジュールなので、そこでの結論に注目です。

個人もソーシャルリスクと隣り合わせ。権利を守れるよう対策を。

アディッシュでも多くの企業を支援している通り、企業の炎上・ソーシャルリスク対策としてソーシャルリスニングは広く浸透した取り組みです。リスクとなる投稿を確実かつ効率的に検知するためのツールやサービスはさまざまなものがあります。

しかし、今やソーシャルリスニングが必要なのは企業だけではありません。誹謗中傷や権利侵害の被害を受け止めるのが本人だけである以上、個人にも同じようにリスク対策が必要ではないでしょうか。

 

個人に対する誹謗中傷、名誉毀損の問題が起きるたび「公に情報発信する以上は、人にとやかく言われることをある程度覚悟しているはずだ」という論調で異を唱える方も少なからずいます。しかし、いわれもないことで誹謗中傷を受け、精神的に追い詰められたり経済的に大きな不利益を被るリスクは、果たして個々人が甘受すべきものなのでしょうか。あまりにも悪質な投稿が多く、正面から受け止める個人の負担は到底看過できない状態にあると考えます。

ネット上での個人攻撃に立ち向かうために、誹謗中傷や権利侵害の可能性がある投稿を早期に発見し、証拠として保全する仕組みを提供するソーシャルリスニングは大きな意味を持つでしょう。

そこでアディッシュでは、ソーシャルリスニングの豊富な実績とノウハウをもとに、個人に向けても同様のサービスを提供することを発表しました。ソーシャルリスク対策のプロが的確かつ効率的に証拠材料となりうる情報を収集し、データとして保存・提供することで、誹謗中傷に悩む個人の裁判、手続きに関する手間を減らし、少しでも時間を短縮することが可能です。ご自身やその活動に対するネット上での誹謗中傷・名誉毀損等に悩む方の心強い味方となれると信じています。

AIによる投稿再考アラート「matte」

アディッシュでは、投稿者がSNS等インターネット上に投稿する前に、内容再考の機会を促すアラート機能を装備したAI検知サービス「matte(マッテ)」を提供開始しました。

トラブルの元となる不適切な投稿内容を検知し、投稿を再考する機会を作ることで、ユーザー間トラブルの防止やICTリテラシーの向上を促し、健全なコミュニティづくりに貢献します。

詳細・資料請求はmatteサービスサイトよりご確認ください。

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