株式会社プラップジャパン デジタルコミュニケーション部 プロデューサー 別井 孝士様
内容としては、「事例から振り返る『2014年のネット炎上と企業の対応の変化』」と「炎上を防ぐための『2015年前半に備える3つのソーシャルリスク対策』」という2部構成です。企業のソーシャルメディア危機への対策意欲が高まる中、具体的にどの部門が何をすべきなのかについて、詳しくご紹介しました。
セミナーには、大勢のお客様が来てくださいました。消費者との接点が多いBtoCのお客様だけでなく、従業員数の多いBtoB事業者様も多数いらっしゃいました。企業の皆様のリスク管理意識が高まっていることを感じます。
2014年の特徴:「炎上」から「ネットでのレピュテーション」に移行
さて、セミナーの内容について記載します。
2014年も引き続き、Twitterにおける一個人から発信される投稿内容から、大問題に発展したケースが散見されました。
しかし、よく思い出してみてください。果たして「炎上」したでしょうか?
まず、「炎上」という行為について考えてみましょう。一般的な「炎上」は、下記のような流れを言います。
●騒ぎとなる「ネタ」が発掘される
●ターゲットとなる企業が特定される
●その「ネタ」が拡散され話題が広がる
●野次馬も交えて騒ぎの輪が広がる
●ネット専門のメディアが取り上げさらに拡散する
●ターゲットとなった企業が謝罪する状況に追い込まれる
代わって近年顕著になっているのが、下記のような流れです。
個人が出来事をインターネット上で発信
- 写真などを用いながら出来事を詳しく投稿する
- マイナーな掲示板に投稿された過去の関連投稿を見つける人が登場する
- 騒ぎが発生した後にも、過去の出来事が相次いで後から出てくる
- 検証や考察も盛んに行なわれる
- 騒ぎに便乗して、明らかに捏造と分かる画像などをアップする行為が多発する
投稿者への非難集中
- インターネット上でさらすことに対する投稿者への非難・論争が巻き起こる
- 企業に対する同情的な見方も出てくる
企業に対する論争
- 多くの人が第三者的に、企業の対処方法を見ながら批評しあう
リスクのあるレピュテーションに対応するには
レピュテーションの中にもいくつか種類がありますが、リスクのあるレピュテーションは、「事実無根のもの」と「事実に基づくもの」の大きく2つに分けられます。そして、それぞれ対応方法が異なるので注意が必要です。
事実無根のもの
-
日常的に情報をウォッチし、自社にネガティブな事実無根の情報が書き込まれた場合に、早期に気付ける体制を作る。
-
情報の内容などによって「様子見」「公式見解発表」「法に基づく執行」など、迅速に対応を決定する。
事実に基づくもの
- 顧客の声を普段から傾聴し、改善に努める。
- 予防するための体制として、ネット上での自社に対する不満も、直接自社に寄せられたクレームと同様に対応方針を定め、必要に応じて対応できるフローを作る。
- 社内の問題についても、社内だけで隠しきれる時代ではないことを認識する。
- 顧客ばかりでなく従業員の書き込みも、改善すべき課題があることを認識する。
いずれの場合も、「投稿を早期発見する」「リスクに対する意識を高める」「有事の際の社内体制・フローを事前に作る」ということが必要となります。
皆さんの職場では、ソーシャルリスク対策は取ってらっしゃいますか? リスク対策の一環として、ソーシャル上のリスクについても検討してみてはどうでしょうか。
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