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過去にもあった期待値とのギャップ
ネット通販で思い出されるのは2011年の「おせち騒動」。
正月用のおせちとしてネット通販で購入した消費者から「中身があまりにもスカスカ」との写真が投稿され、大きな話題となりました。カタログに書かれていた品数にあまりに足りないだけでなく、偽装や衛生上の問題が明らかになったことで炎上状態になりました。
実際に商品を手に取った上で購入を決断することのできないインターネットショッピングにおいて、消費者が知ることのできる情報については販売者の誠実さが求められています。商品を売るために嘘を伝えてしまえば、結果として信用を失うことになります。
当時と比べて消費者の目も厳しくなっています。カタログや販売ページで真実を語っているか、購入者のクチコミから冷静に見ています。このことは一度失った信用は簡単には取り戻せないことを意味しているのではないでしょうか。
なぜ、このような騒動が起きてしまうのか?
それは消費者の期待値が悪い方向に裏切られてしまったためだと考えられます。
カタログやウェブサイトの説明文によって消費者の期待値は上昇。結果として、期待に届かない商品が送られてきたら、不満をネットに書き込むことは容易に想像できます。
ただし、どれほど素晴らしい商品であっても100パーセントの満足度は得られないことも事実です。
悪意を持って消費者を騙そうとした場合は問題外ですが、誠実な対応をしていたとしてもネガティブなクチコミは一定発生します。
消費者が求めることは一人一人違うでしょう。例えば、価格に注目した場合でも、「ちょっと奮発して買う人」と「ちょっと節約して買う人」が同じ商品に抱く期待は異なります。
そのため、どちらかを満たせば、どちらかの期待に足りないことになることは避けられません。
期待を満たされなかったと感じた消費者が不満をネットに書き込む可能性があります。それが正当なものであれば、クチコミ評価の範囲内だと受け入れることもできます。
ただし、そのマイナス評価が事実と異なる内容であった場合は話が別です。その風評に影響を受けてしまう購入検討者がいることもインターネットの時代ならではです。
また、ポジティブなクチコミであっても把握することは重要。高評価はありがたいのですが、こちらも事実と異なることが書き込まれた場合は必要以上に購入検討者の期待を高めます。その消費者が実際に購入して期待を裏切られれば、販売者に不満を抱いてしまうかもしれません。
SNSモニタリングを活用する
それではSNSモニタリングが貢献できることは何でしょうか?
重要なことは、レピュテーション(評価、評判)を把握して、場合によってはコントロールをしていくことです。
ポジティブなこともネガティブなことも事実と異なる内容が書き込まれれば、リスクとなります。例えばそのような発表はしていないのに「食材はすべて国産」と書き込まれれば、いつの間にか事実と異なる情報が定着してしまう可能性もあります。
消費者に正確な情報を伝えるとともに、情報が正確に伝わっているかを確認していく必要があります。「売ってしまえば終わり」ではなく、「売った後も追いかける」ことが信用を継続させていくポイントかもしれません。
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