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2024.09.23

ポリコレとは?企業が対応するメリットから取り組み方まで解説!

近年、ポリコレに対応する企業が増えてきていますが、なぜなのでしょうか?企業がポリコレに取り組むとどのような効果が見込めるのでしょうか?

今回はポリコレについて解説します。この記事では、企業がポリコレに取り組むメリットから、自由な表現とのバランスの取り方のヒントを紹介します。そのため、ポリコレ対応で創作活動が思うように進まないとお悩みの方は、この記事を読んでみてください。

ポリコレとは

ポリコレとは

ポリコレとは、ポリティカルコレクトネス(political correctness)の略語で、差別表現を正すことを意味します。つまり人種や宗教、性別等において中立的な表現を用いることです。

社会の変化や人々の意識の変化により、多様性が尊重されるようになってきました。特定の人物に不快感や不利益をもたらさないように配慮することが求められてきており、さまざまな場面でポリコレが意識されるようになってきています。

・ポリコレを使用する場面

項目 詳細内容
人種 人種差別を解消する
性別 男女平等な機会を提供する
「看護婦」⇒「看護師」 「ビジネスマン」⇒「ビジネスパーソン」と呼称を変えることも1つ
国籍 外国人労働者の受け入れ体制の整備など
宗教 宗教行事への理解を示す
性的指向 LGBTQ+に関する法整備を行う
年齢 年齢に関わらず活躍できる社会づくりを行う
障害 障害者雇用促進、障害者に対する理解を深める

ポリコレ誕生背景と歴史

ポリコレの誕生背景には、さまざまな説がありますが、1900年代のアメリカの政治活動とされることが多いです。

その後、白人主義からの脱却を目指す公民権運動、女性像からの開放を訴える女性解放運動(ウーマン・リブ)により、人々の人権意識が高まり、1990年頃に、アメリカの大学のリベラルカリキュラムにポリコレが含まれるようになり浸透しました。

国内では1999年に施行された男女共同参画社会基本法により、性差別を正す動きが出てきました。男女共同参画社会の実現のための1つとして、保母は保育士、看護婦は看護師と名称が変更されました。

ポリコレとは何か、概要を詳しく知りたい方は、下記の記事をお読みください。
関連記事:『ポリコレとは?記事審査の重要性

ポリコレが求められる背景

ポリコレが求められる背景

国際連合は2030年までに、1人1人が暮らしやすい未来を実現するために「持続可能な開発目標(SDGs)」を掲げています。目標の中に「ジェンダー平等を実現しよう」「人や国の不平等をなくそう」等のポリコレと関係の深い項目が含まれています。

多様性を尊重し、誰もが平等な機会を得られる社会の実現を目指すことで、豊かな未来を実現しようとしているのです。誰もが平等に機会を得られる社会の実現には、差別を失くさなければなりません。そのため、ポリコレが意識されるようになってきました。

近年、環境や社会にまで配慮して事業を行い、適切なガバナンス(企業統治)を行っている会社に投資するESG投資の動きも出てきています。また、環境や社会に配慮している会社の商品を購入したいと考える消費者も増えてきました。つまり、消費者や投資家などのステークホルダーと良好な関係を築き、ビジネス機会を得るためにも、取り組む企業が増えています。

企業がポリコレに対応するメリット

企業がポリコレに対応するメリット

ダイバーシティ・インクルージョンを促進できる

企業がポリコレに対応するということは、多様なバックグラウドを持つ人を採用することになります。バックグラウンドが異なる人々が働く職場、ダイバーシティ・インクルージョンを促進すれば、多様な視点からアイデアを生み出すことにつながります。

つまり、イノベーションを起こしやすくなるのです。また、多様な人材が集めることで、複雑な問題を解決しやすくなります。
もちろん、採用すれば良いだけではなく、それぞれが個々の力を発揮できる様な、体制作り、仕組み作りとセットです。

心理的安全性を確保できる

ポリコレは多様な考えを受け入れることも指すので、企業が体制つくりや仕組み作りに取り組むことで、従業員間の差別を取り除きやすくなり、「性別」「国籍」「宗教」「性的指向」「障害」などに関係なく、さまざまな人が安心して働けるようになります。

これは、マジョリティにとっても良いことで、心理的安全性の確保につながり、各自が持つ能力を最大限に発揮できるようになるでしょう。
また、良い循環を創ることで、良い人材の採用をしやくなります。

企業信用力を高められる

「ジェンダー平等を実現しよう」「人や国の不平等をなくそう」などのいわゆるSDGsに取り組めば、消費者や投資家から信頼されるようになり、ビジネス自体にも良い影響が出ます。

2016年頃から、社会的意義を踏まえた上で事業展開する会社に投資するESG投資の動きが出てきたため、ポリコレに対応することで、資金調達しやすくなるでしょう。また、社会的課題に取り組む事業者を応援したい人から商品、サービスを購入してもらえるようになります。

SNS炎上リスクを抑えられる

ポリコレに無関心で差別的な言動をしてしまうと、SNSで炎上して、企業イメージが低下してしまう恐れがあります。一度炎上すると、激しい攻撃を受けてビジネス活動ができなくなることもあるため注意が必要です。このようなSNS炎上は、普段からポリコレに配慮することで抑えられます。

ポリコレとSNS炎上について詳しく知りたい方は下記の記事をお読みください。
関連記事:『炎上の構造から考えるSNSの炎上対策とは

企業がポリコレに対応する上で直面する課題

企業がポリコレに対応する上での課題

企業がポリコレに対応するメリットをご紹介しましたが、取り組む上で大きく2つのことに直面するケースがあります。

表現を気にすることで、プロモーション企画が滞ってしまう

ポリコレを過度に意識して、差別や偏見につながる可能性が少しでもあると解釈できる表現を徹底的に排除しようとする動きが強まってきています。
度が過ぎることを「言葉狩り」と表すこともあり、これにより、プロモーション活動が滞ってしまうケースもあります。

ポリコレ疲れで創作活動停止に追い込まれる

ポリコレ疲れで創作活動停止に追い込まれる人もいます。差別や偏見を含まない中立的な表現を用いなければならないことをプレッシャーに感じてしまい、創作活動を控えてしまうのです。

どのような言葉を使用すれば、誰も傷つかないかを考え過ぎてしまうことで、コミュニケーションが取れなくなることもあります。

多様な価値観を尊重することは大切ですが、全てに配慮するのは現実に難しく、その狭間で悩むとビジネス活動が行えなくなってしまいます。
しかし、ポリコレは無視できない事態となっているため、関わり方を身に付けることが大切です。

下記の記事では、ポリコレが無視できない理由について解説しているため、併せてご覧ください。
関連記事:『話題の言葉「ポリティカル・コレクトネス」を無視できない?

企業がポリコレに対応する上での心得

企業がポリコレに対応する上での課題解決策

企業がポリコレに対応する上での課題は工夫すれば解決できます。ここでは、企業がポリコレに対応する上での心得をご紹介します。

社員教育を行う

企業がポリコレに対応する上で社員教育は欠かせません。
性別、年齢、国籍、性的指向など、さまざまな属性を持つ人々への理解を深める研修を実施しましょう。そして、どのような言動が差別になるかを理解してもらいます。

差別により炎上した事例を示し、どのように行動すべきか学ぶ機会を提供することで、従業員は安心して情報発信や業務を行えるようになります。
社員教育を行う
アディッシュでは、SNS炎上事例のセミナーを定期的に開催しています。ポリコレについても触れる機会が多いため、ご興味がある方はご参加ください。
>>アディッシュのセミナー情報はコチラ

ソーシャルメディアガイドライン等のガイドラインを作成する

社外にも公開するソーシャルメディアガイドラインや、社内向けの細かいガイドライン等を作成しておき、社員がソーシャルメディアを利用する上での行動規範や禁止事項を明確に定めておくと、SNS上で情報発信がしやすくなります。

ガイドラインに禁止の差別用語をまとめたり、ソーシャルメディアを利用する上での禁止事項を明記しておきましょう。また、企業公式アカウントと個人アカウントの運用ルールをまとめておくことをおすすめします。
企業公式アカウントと個人アカウントの運用ルールをまとめておくこ
アディッシュでは、ソーシャルメディアガイドライン策定方法の資料を配布しています。ご興味がある方は、下記より資料をダウンロードしてみてください。
>>SNSガイドライン策定の資料をダウンロード

専門家に相談をする

専門家に相談をすれば、過去の炎上事例などを熟知しており、自社の課題や対応策のアイディアが出てくることもあります。
ガイドラインの作成方法や炎上時の対応フローなどのアドバイスももらえるため、炎上対策をしたいとお考えの方は専門家に相談することも検討してみてください。

SNS炎上を早期に検知する

企業が誤って差別用語を使用してしまった場合でも、SNS上の炎上を早期に発見して適切な対応をすることで、損失を最小限に抑えられます。そのため、SNSモニタリニングツールを活用して、自社にネガティブな感情を抱いているユーザーがいないかモニタリングしましょう。また、モニタリングサービスを利用する方法もおすすめです。

企業のポリコレ取り組み事例

企業のポリコレ取り組み事例

企業がポリコレを意識すべき主な業務は「広告」「採用」「制度」です。ここでは、3つの業務のポリコレ取り組み事例をご紹介します。

広告

スキンケア用品を販売するある企業は、年代・性別を問わなく利用できるにも関わらず、女性モデルのみを起用していたことに疑問を抱いていました。そのため、ブランドイメージをリニューアルする際に、男性モデルを起用することにしたのです。

これにより売上アップにもつながりました。

採用

大手企業B社では、採用面接による無意識のアンコンシャス・バイアスを失くすために、AI搭載型の選考システムを導入しました。応募者のスキルや経験から自社に合う人材選定をにAI搭載型の選考システムに任せることで、バイアス対策をしています。このような取り組みにより、自社に合った人材の採用に成功しています。

制度

大手製造会社C社では、1人1人の仕事の価値観を尊重するため、従業員が日々の始業・終業時刻や労働時間を自由に決めることができるフレックスタイム制を導入しました。

制度を導入して、育児や介護と仕事を両立したい社員や、プライベートな時間を大切にしたい社員などのニーズに対応することに成功しました。その結果、従業員満足度を高めることができて、社員の定着率を上げることに成功しました。

ポリコレに取り組むなら「アディッシュ」

ポリコレに取り組むなら「アディッシュ」 (2)

ポリコレに取り組む上で悩みを抱えた場合は、アディッシュにご相談ください。ここでは、アディッシュが提供する3つのサービスをご紹介します。

経験豊かなメンバーによるアドバイス

アディッシュは、ポリコレに対応する経験を持つメンバーが在籍しているため、多角的な視点でアドバイスすることができます。

  • 企業が直面する課題の洗い出しと対策方法の提案
  • 海外での展開を視野に入れたポリシー策定を支援など

とくに、炎上リスク対策の提案を得意としているため、自由な表現を取り入れたいけれど、炎上リスクが不安という方はご相談ください。

広告審査サービス

広告審査サービスは、広告クリエイティブに差別や偏見用語等が含まれていないかも審査できるサービスです。「性別」「年齢」「国籍」「性的指向」など、さまざまなな観点から広告を審査し、潜在的な問題点を洗い出します。

グローバルな広告基準に照らし合わせ、問題となる表現ないかを確認することも可能です。広告で問題点が見つかった場合には改善策を提案し、より良い広告クリエイティブへと提案させて頂きます。

SNS炎上モニタリングサービス

アディッシュのSNS炎上モニタリングサービスを提供しています。24時間365日監視をして、炎上リスクを早期発見、適切に対応します。
自社名、製品名などのキーワードを設定し、リアルタイムでモニタリングを行います。

  • 感情分析: 投稿内容の感情を分析し、ネガティブな感情表現が含まれる投稿を優先的に抽出します。
  • 拡散予測: 投稿の拡散速度や影響力を予測し、早期に対応が必要な投稿を特定します。

※弊社が独自開発した監視ツールPoliceを使用します。

まとめ

ポリコレとは、差別表現を正すことを意味します。企業がポリコレに対応することで、企業信用力を高めることにつながります。

近年、ポリコレが注目されるようになりました。サポート経験のある第三者の意見を聞きながら対応したいと考えている企業様は、ぜひアディッシュにご相談ください。

Writer

この記事を書いた人

アディッシュのモニタリングソリューション「MONI」

ライター

アディッシュのモニタリングソリューション「MONI」

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