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2025.10.28

デマ情報から企業を守る:広報・法務・CS連携による風評被害対策

はじめに|デマ情報が引き起こす“見えない経営ダメージ”

近年、SNSやオンラインコミュニティで拡散される根拠のないデマ情報が、企業経営に深刻な影響を与えています。風評被害やSNS炎上は、売上やブランド価値の毀損にとどまらず、株価下落や取引停止といった経営リスクにも直結しかねません。
実際、2025年には「日本で大地震が起きる」との噂がアジア圏のSNSで広がり、日本への旅行需要が落ち込み、航空各社の減便・運休が相次ぎました。観光業界の調査や報道によれば、この影響による経済損失は数千億円規模にのぼったと推計されています。こうした状況下では、広報・法務・カスタマーサクセス(CS) が連携し、迅速かつ的確に対応する仕組みを平時から整えることが不可欠です。

本記事では、デマ情報が企業経営に与える影響、拡散のメカニズム、広報・法務・CSそれぞれの役割と連携モデルを詳しく解説します。さらに、AIモデレーションの活用と限界、不安を抑える「安心空間」設計、実在の成功・失敗事例、そして有事に備える社内体制まで、経営リスクを最小化するための実践ポイントを網羅します。最後に、SNS・ライブ配信のモニタリングや炎上対策を支援するサービスもご紹介します。

1. デマ情報が企業経営に与える影響

デマ情報による風評被害は、業種を問わずどの企業にも起こりうるリスクです。根拠のない誤情報や誇張された噂が一度広まると、企業に様々な負の連鎖を引き起こします。例えば次のような影響が想定されます。

  • 売上の減少・顧客離れ
    商品やサービスに関する悪質なデマが拡散すると、不安を感じた顧客が購入を控え、売上低下につながります。不買運動に発展するケースもあり、長期的な顧客離れを招く恐れもあります。

  • ブランドイメージの毀損
    事実無根の噂でも企業の評判が傷つけばブランド価値は大きく低下します。一度傷ついた信用を回復するには多大な時間とコストが必要です。

  • 株価の下落・資金調達への悪影響
    上場企業であれば、ネット上のネガティブ情報は投資家心理にも影響を及ぼします。実際にデマ拡散により一時的に株価が下落した事例も報じられています。株価低迷や評判悪化は、新たな資金調達や融資にも支障をきたします。

  • 取引停止・人材流出
    取引先がデマを信じて契約を見直したり、新規取引に二の足を踏むことも考えられます。また、企業イメージの悪化は採用活動にも影響し、優秀な人材確保が難しくなったり、社員の士気低下や離職を招く恐れもあります。

  • 社会的信用の喪失
    デマが放置され大炎上に至れば「対応が後手に回った企業」と見なされ、社会的な信頼を失いかねません。一度固定化した悪評を覆すのは極めて困難です。

実際、2025年には「日本で大地震が起きる」との予言デマがSNSで拡散し、訪日観光客のキャンセルや航空便の減便・運休も報じられました。野村総合研究所によれば、この影響によって インバウンド需要は約5,600億円超 減少するという試算がなされています。ただしこの数値はあくまで前提条件に基づいた試算であり、被害の実額はさらに変動の可能性があります。

野村総合研究所「堅調なインバウンド需要に水を差す科学的根拠のない7月の大規模自然災害の憶測:5,600億円規模の経済損失試算も」(NRI &N 未来創発ラボ, 2025年5月29日)

企業はこうしたデマ被害を決して他人事とせず、平時から備えを講じることが重要です。

2. デマ情報の典型パターンと拡散メカニズム

デマ情報は様々な経路で発生・拡散します。その典型パターンとメカニズムを理解することが、早期対処の第一歩です。

  • SNS(ソーシャルメディア)
    X(旧Twitter)、Facebook、Instagram、TikTokなどでは、個人の投稿が数万~数百万人に一瞬で広がります。一見もっともらしいユーザー投稿が共感を呼んで拡散され、既成事実のように扱われてしまうこともあります。特に顧客クレーム投稿は共感を集めやすく、企業炎上の火種になりがちです。

  • 匿名掲示板・まとめサイト
    5ちゃんねる等の匿名掲示板や、地域系掲示板、まとめサイトはデマの温床になりやすい場所です。匿名ゆえに無責任な噂が書き込まれ、それをまとめサイトやネットニュースが転載し、SNSへ拡散される流れが典型です。

  • 口コミ・レビューサイト
    Googleレビュー、食べログ、転職系サイト(OpenWork、ライトハウス等)も注意が必要です。商品や職場の内部情報に関する断片的な書き込みが、事実と異なる形で広まり、企業イメージを損なうケースがあります。断片的な情報は受け手の憶測で膨らみやすく、誤情報が増幅しやすい傾向があります。

  • ライブ配信・動画サイト
    YouTubeやニコニコ動画などのライブ配信では、コメント欄が新たなデマ拡散経路となり得ます。監視が行き届いていない場合、心ないコメントが瞬く間に拡散し、配信者や企業の信用を損なうことがあります。

こうした拡散の背景には、人々の心理も大きく影響しています。不安や恐怖を感じた人ほどデマを信じやすく、「誰かに教えなければ」という正義感や好奇心が拡散を後押しします。SNSでは同じ価値観の人が集まりやすく、閉じた共鳴空間でデマが増幅されるのも特徴です。実際、調査によれば「約8割の人がデマに気付かない」との結果も報告されています。

拡散のメカニズムは、匿名掲示板やSNSで火が付き、それをメディアが取り上げることで一気に拡大するという流れが典型です。一度広まったデマを完全に回収することはほぼ不可能であるため、企業には「最初の火種」を検知し、初期段階で対応することが求められます。

最近では、AI技術を活用した自動検知を導入する企業も増えています。SNSや掲示板上で自社名や製品名とネガティブワードが同時に言及された場合にアラートを出す仕組みなどです。ただし、AIだけでは文脈や悪意の有無を正確に判断できないため、有人監視とのハイブリッド体制が不可欠です。

3. 広報・法務・CSが果たす役割分担

デマや風評被害に対処するには、広報(PR)・法務・カスタマーサクセス(CS) の三部門が三位一体となって機能することが鍵です。それぞれの専門領域を活かしながら役割分担を明確にし、あらかじめ協力体制を構築しておく必要があります。

(1) 広報部門(PR)

広報はデマ対応の最前線に立ち、正確かつ迅速な情報発信を担います。公式サイトでの声明発表やSNS公式アカウントでの発信により、事実関係を明らかにし、不安を感じているステークホルダーに安心感を提供します。

  • 役割:公式声明、プレスリリース、社内周知、メディア対応

  • 具体例:デマが流れた際に「それは事実ではない」と冷静に説明し、正しい情報と今後の対応方針を速やかに示す

  • 注意点:初動対応の遅れは「暗に認めているのでは」と誤解されるリスクがあり、感情的な否定も逆効果になるため、冷静かつ一貫した広報対応が求められます

(2) 法務部門

法務は、デマによる法的リスクへの対処を担います。

  • 役割:投稿削除依頼、発信者特定、刑事告訴、損害賠償請求

  • 具体例:違法性のある投稿についてプラットフォームに削除を要請し、必要に応じて投稿者の情報開示請求を行う。悪質なケースでは「信用毀損罪」「業務妨害罪」「名誉毀損罪」などでの告訴を検討

  • 注意点:裁判を通じて拡散したデマを完全に消すことは難しいため、法的措置は「抑止・牽制」としての意味合いが大きい。広報が発表する声明や謝罪文が法的に適切かどうかを確認する役割も持ちます

(3) カスタマーサクセス(CS)部門

CSは、デマ拡散によって生じた顧客の不安に直接対応する最前線です。

  • 役割:顧客からの問い合わせ対応、FAQやナレッジ更新、社内へのフィードバック

  • 具体例:デマに関する問い合わせが急増した場合、FAQに「SNSで○○という情報が拡散されていますが事実ではありません」といったQ&Aを追加。対応マニュアルを更新し、全スタッフが一貫した回答をできるようにする

  • 注意点:顧客からの声を広報・法務へ共有し、対応方針に反映する。顧客対応そのものが「炎上火消し」となるため、寄り添い型の並走サポートが求められます

三部門の連携の重要性
広報・法務・CSがそれぞれ独自に動いてしまうと、かえって矛盾や混乱を生み、状況を悪化させる恐れがあります。逆に、三部門が連携し、統一されたメッセージと行動を取ることで、デマ拡散の被害を最小限に抑えることが可能です。

4. 連携モデルの全体フロー:早期検知から沈静化まで

企業がデマ被害に直面したとき、被害を最小化できるかどうかは発生から沈静化までの一連の対応フローを事前に整備しているかにかかっています。以下では、典型的なフローを5つのステップで整理します。

1. デマ発生の早期検知(モニタリングとAI活用)

  • 役割:SNS監視・ソーシャルリスニングツールで炎上兆候を即時把握

  • 実践例:社名や商品名+「やばい」「炎上」などのネガティブワードを常時監視し、AIで検知 → 担当者に即アラート

  • 注意点:Googleアラートやエゴサだけでは見落としが多い。SNS監視ツールやAI分析を併用し、投稿の拡散度・感情傾向まで把握することが重要。検知後は、報告・判断・発信の流れを定めたエスカレーションルールに沿って迅速に対応する。

2. 初動対応(事実確認と緊急チーム立ち上げ)

  • 役割:デマの真偽・拡散状況を把握し、社内で即座に情報共有

  • 実践例:発信源のスクショ取得、リツイート数の推移を保存。広報・法務・事業部・経営陣で緊急チームを結成

  • 注意点:「様子見」は厳禁。初動の遅れが被害規模を拡大させる

3. 広報・法務・CSのタスク実行

  • 広報:公式声明やSNSでの情報発信。事実関係を透明性高く説明し、誠実なトーンで発表

  • 法務:削除依頼、発信者特定、必要に応じて警察や弁護士と連携。法的措置を示すことで抑止効果も

  • CS:FAQ・Q&Aの更新、コールセンター対応の強化。主要顧客には先回りして説明を行い、信頼維持する

4. 継続的な発信・顧客フォロー(沈静化まで)

  • 広報:進展に応じて追加発表。SNSで定期フォロー投稿

  • CS:問い合わせ対応を強化し、FAQを随時更新。顧客の不安を拾い上げ、社内にフィードバック

  • 社内対応:社員への誤情報拡散防止のため、統一見解を社内周知

5. 事後レビューと再発防止策の改善

  • 役割:緊急チームで振り返り、成功点と課題を洗い出す

  • 実践例:対応内容を「事実」「判断」「結果」に分けて整理し、良かった点と改善点を明確化。KPT(Keep・Problem・Try)などのフレームワークを用いて再発防止策を具体化し、危機管理マニュアルに反映する。

  • 注意点:被害を受けた顧客・取引先へのフォローを怠らず、再発防止策を広報経由で外部にも発信

5. AI技術の活用と限界

近年、SNSやオンライン上のデマ・不適切投稿への対処において、AIによる自動モデレーション(自動監視)が広く活用されています。AIは膨大な投稿を24時間リアルタイムで処理できる点で有効ですが、万能ではなく、人の判断と組み合わせた「ハイブリッド運用」が不可欠です。

AI自動モデレーションのメリット

  • スピードと処理量:深夜や休日でも膨大な投稿をリアルタイム監視可能。特にライブ配信やレビューサイトなど大量投稿環境で効果を発揮。

  • 高度な検知能力:ディープラーニングによる文脈解析や感情分析により、単語変換(例:「死ね」→「4ね」)やトーンの攻撃性も検出可能。

  • 一次フィルターとして有効:NGワード検知やスパム遮断など、人手を割かずに基本的なリスクをブロック。

AIの限界と課題

  • 新語・スラング対応:意図的な言い換えや誤字混ぜは検知をすり抜けやすい。

  • 文脈依存の判断:皮肉・嫌味や「場の空気」を読み取るのは苦手。誤検知・見逃しのリスクあり。

  • バイアス・透明性:学習データの偏りによって過剰検出や見落としが生じる可能性がある。また、判断基準が不透明なため、AI単体では状況に応じた柔軟な対応が難しい。

ハイブリッド運用モデル(AI+人)

AIと人の役割を分けることで効率と精度を両立できます。

  • AIの役割:一次フィルター、膨大な投稿のスクリーニング

  • 人の役割:グレーゾーンの判断、個人情報や出会い目的の検知、視聴者同士の対立の沈静化、突発スパムへの即応

  • 実務上の工夫:リスクの高い時間帯は有人を厚く配置、深夜はAI中心など柔軟なシフト設計が有効。外部専門サービスを活用するのも選択肢。

6. 視聴者・顧客体験を守る「安心空間設計」

デマが拡散するような有事の状況でも、顧客や視聴者が不安を感じにくい環境を平時から整えておくことが重要です。企業が提供するSNSやライブ配信、オンラインコミュニティを「安心して発言できる場」として設計しておけば、デマ拡散時の混乱を抑え、日頃のファンエンゲージメント強化にもつながります。

健全なコミュニティ運営

  • モデレーションポリシーの整備:禁止行為を明文化し、段階的対応フローを設計。

  • 日常的な監視体制:小さな火種を早期に消し止めることで「放置している企業」というレッテルの回避。

健全なコミュニティが維持されれば、顧客体験(CX)の質が向上します。安心できる空間ではユーザーが萎縮せず発言でき、新規参加者も交流に入りやすくなります。逆に荒れた場では、新規顧客が離れ、既存ファンも離脱してしまいます。

不安を和らげるUXデザイン

  • 投稿ガイドラインの明示:「他者への尊重を」といった注意喚起を投稿画面に表示し、ユーザー自身の自律的行動を促す。

  • 通報機能の充実:ワンクリックで通報可能にし、受付後には「報告ありがとうございます」と返すことで心理的安全性を高める。

  • モデレーターの可視化:公式モデレーターにバッジや肩書きを表示し、「管理されている安心感」を演出。

  • ポジティブ行動の促進:良い投稿や助け合いを企業が評価・リアクションし、健全な文化を醸成。

顧客エンゲージメントへの効果

心理的安全性が確保された空間は、ファンの継続利用やUGC(ユーザー生成コンテンツ)の創出を後押しします。さらに「公式コミュニティなら正しい情報が得られる」という信頼が形成され、デマ拡散の抑止力にもなります。

7. 成功事例・失敗事例の紹介

ここで、デマ対応における実際の成功例・失敗例をいくつか見てみましょう。観光業・飲食業・小売業で起きたケースから、それぞれの教訓を整理します。

観光業界の失敗事例

海外SNSで「〇月に日本で大災害が起きる」という予言デマが拡散し、訪日観光客のキャンセルが相次ぎました。航空路線の運休まで余儀なくされ、推計で数千億円規模の経済損失が発生。企業側がデマ把握に遅れ、自治体や観光局と連携した周知ができなかったことが被害拡大につながりました。

教訓:海外発のデマも早期にモニタリングし、公的機関と連携して迅速に打ち消す仕組みが不可欠。

東洋経済オンライン:「7月に日本で大災害が起こる」「地震か、津波か…」――ネット上を騒がせる大災難の"予言"。もし外れたとしても、素直に喜べないワケ

飲食業界の成功事例

チロルチョコ株式会社では、「製品に虫が混入した」との動画がSNSで拡散。A社は即座に公式SNSで冷静に状況を説明し、投稿者とも直接コンタクトをとって事実誤認を確認。結果、投稿は削除され、ネット上では「企業広報の鏡」と称賛されました。

教訓:事実確認+顧客心理への配慮をもった迅速な広報対応が、炎上を信頼向上の好機に変える。

東洋経済オンライン:チロルチョコ「虫混入?」騒動対応が見事すぎた訳

小売業界の教訓事例

食品メーカーB社では、経営者の発言が誤解され「文化を軽視している」と批判が殺到。B社は当初静観しましたが、第三者メディアの記事で徐々に誤解が解消。しかし株価下落など一定の影響は避けられませんでした。

教訓:結果的に沈静化しても、企業自ら迅速に説明責任を果たさないとリスクは拡大する。

飲食チェーンの失敗事例

C社では不衛生な事案を隠蔽しようとした結果、内部告発で発覚し「隠蔽体質」と非難され炎上が拡大しました。

教訓:不祥事の隠蔽は炎上を悪化させる最大要因。初動で誠実に公表・対応することが信用維持の絶対条件。

以上の事例から、成功の鍵は迅速・正確・誠実な対応にあり、失敗の原因は対応の遅れ・情報発信の不誠実さにあることが分かります。特に食品や安全性に関わるデマは、一歩間違えば取り返しのつかない信用失墜につながるため、企業の真価が問われる場面といえます。実例を教訓に、自社ならどう動くかをシミュレーションしておきましょう。

7. 成功事例・失敗事例の紹介有事に備える社内体制とマニュアル化

デマ情報や炎上に備えるには、平時からの社内体制整備が不可欠です。いざという時に慌てず適切な行動が取れるよう、危機管理マニュアルを策定し、定期的な訓練と社員教育を重ねておくことが重要です。

危機管理マニュアルの整備

まず、デマ拡散や炎上時の対応手順を網羅したマニュアルを用意します。初動対応から情報収集、社内連絡フロー、公式発表のプロセス、事後対応まで、一連の流れを具体的に明記しておきましょう。

  • 緊急連絡網:誰がどの順番で連絡するか、夜間や休日はどうするかまで規定する。

  • 初動チェックリスト:事実確認項目、緊急チーム編成、証拠保全などを列挙。

  • 役割分担表:広報・法務・CS・経営陣それぞれの責務と承認プロセスを明示。

  • SNS投稿テンプレート:謝罪文や声明文のひな型、SNSで使う文章例を準備。

  • シナリオ別対応方針:商品の不良、従業員不祥事、虚偽クレームなど典型パターンごとに対応策をまとめる。

  • 再発防止策の流れ:炎上収束後の検証事項、社内周知、マニュアル更新まで記載。

このマニュアルは社員全員に共有することが大切です。特に現場のSNS担当者やCS担当者には「自分が第一発見者になり得る」という意識を持たせ、異変を見つけたら即報告する文化を根付かせましょう。また、日頃からのソーシャルメディアポリシー教育も不可欠です。

シナリオ別トレーニング

机上のマニュアルだけでは実戦で機能しません。半年〜年に一度は模擬炎上訓練や初動対応演習を行い、社員の対応力を養いましょう。
例えば「SNSで食中毒デマが投稿された」という想定をもとに、初動対応から謝罪発表までを実際にシミュレーション。訓練後に課題を洗い出してマニュアルを改善すれば、想定外の事態にも強くなれます。

社員教育とリテラシー向上

平時から社員一人ひとりのSNSリテラシーを高めておくことも重要です。新入社員研修や定期研修で「フェイクニュースの見分け方」「情報発信者としての責任」を学ばせたり、過去の炎上事例をケーススタディとして共有することが効果的です。
また、内部通報制度を整備し「こんな噂を見た」と社員から報告が上がる仕組みを作ることで、早期発見につながります。

このように、平時の備えが有事の被害最小化につながるのです。デマや風評被害を完全に防ぐことはできませんが、社内体制を整え、社員が冷静に動ける環境を作ることで、致命傷となる前に危機を収束させることが可能になります。

8. まとめ|経営リスクを最小化する「連携と仕組み化」

根拠なきデマ情報や突然のSNS炎上は、現代の企業にとって避けて通れない経営リスクです。しかし、しっかり備え適切に対応すれば被害を最小限に抑えることができます。改めて強調したい【ポイント】は次のとおりです。

  • 広報・法務・CSの三位一体連携:情報発信・法的措置・顧客対応が有機的に連動することで、対応の精度とスピードを飛躍的に高められる。

  • 早期発見と初動の速さ:炎上の兆候をモニタリングで素早くキャッチし、初動で事実確認と説明を即座に行う姿勢が肝心。

  • 平時からの仕組み化:危機対応フローのマニュアル化、定期訓練、社員リテラシー向上の取り組みが、有事の際に力を発揮する。

  • 透明性・誠実さ:正しい情報を発信し、誠実に顧客や世間と向き合うことが長期的な信頼維持につながる。逆に隠蔽や開き直りは炎上を長引かせる。

  • 人的対応+テクノロジー:AIによる24時間監視と人間の判断を組み合わせたハイブリッド運用が最適。

デマ情報そのものを完全になくすことはできません。しかし、社内体制の整備と部門横断のチームワークによって被害を抑え、企業のレピュテーションを守ることは十分に可能です。平時の努力こそが、有事の危機対応を成功に導きます。

アディッシュのご紹介

アディッシュでは、企業の 風評被害や炎上リスク対策 を支援するモニタリングソリューション「MONI」を提供しています。
MONIは24時間365日体制でSNSやコミュニティサイト上の投稿を監視し、デマや不適切な投稿など 風評リスクの兆候を早期に検知。広報・法務・CSの連携による迅速な対応を可能にし、企業が安心して顧客や社会と向き合える環境づくりをサポートします。

Writer

この記事を書いた人

アディッシュのモニタリングソリューション「MONI」

ライター

アディッシュのモニタリングソリューション「MONI」

インターネットコミュニティ運用、SNS運用、リスク対策に役立つ情報をお届けします。投稿監視に関連する最新動向や運用設計のポイントをご紹介します。