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2018.06.12

【セミナーレポート】『企業のライブ動画配信のマーケティング活用方法とリスク対策のポイント』セミナー開催レポート

2018年5月23日(水)、ライブ動画で著名な株式会社Candeeと弊社・アディッシュ株式会社による「企業のライブ動画配信のマーケティング活用方法とリスク対策のポイント」セミナーを開催しました。今回、その報告をしたいと思います。

本セミナーは「ライブ配信を活用したマーケティング戦略」と「ライブ配信時の炎上リスク対策」について二つの講演と質疑応答の構成で行われました。企業によるライブ配信の活用に注目が集まる中、そのメリットや活用場面、そして炎上リスク対策について考えるべく、最新事例を交えてご紹介しました。

当日の会場はCandeeの移転したばかりのオフィスにあるラウンジホール。軽食を取りながら、カジュアルな雰囲気で進みました。参加者の中には、すでにライブ配信を実施していて何らかの手段でリスク対策を行なっているという方も複数名いらっしゃいました。広報・マーケティング担当の方々のなかでソーシャルリスクや炎上対策へ意識が高まっていることを感じます。

講演1「ライブ配信を活用したマーケティング戦略」

株式会社Candee Planning & sales 神崎 雅由氏

株式会社Candee Planning & sales 神崎 雅由氏

「ライブ配信を活用したマーケティング戦略」と題し、Candee・神崎氏からは、前半で代表的なSNSのライブ配信機能について整理してそのメリットを丁寧に解説、後半はさまざまなライブ配信の事例をご紹介いただきました。

前半で取り上げられたのはFacebook、Twitter、LINE、YouTubeという主要なSNS LIVEサービスです。それぞれの利用者層(世代・性別)や特徴、そしてライブ配信におけるポイントについて整理していただきました。ボリュームゾーンの違いだけではなく、実名か匿名か、関心事を絞り込めるか、生活との距離感など、その運用ルールや特徴によってどんな動画配信に向いているかが異なるようです。

また、SNS LIVEのメリットについても以下4つの視点からお話いただきました。

  • リアルタイム性・共感
  • インタラクティブ・シェア
  • 正確・速攻(即効)
  • エンゲージメント・リテンション

何の動画を配信するかによって利点は異なるものの、マーケティング活動におけるライブ配信が他の手法にはない魅力を持っていることは間違いありません。

後半はライブ配信の構成を踏まえ、企業によるライブ配信の事例をご紹介いただきました。
その利用場面は多岐に渡ります。イベントの裏側まで全て見せることで視聴者を離脱させない工夫をしている事例や、採用目的で実際の社員による模擬面接を行ったもの、毎日同じ時間に配信することで習慣的な視聴を狙ったミニ番組、大規模な事例としては、路上のスクリーンをジャックして話題性を狙うような大々的な取り組みなども挙げられました。

また最近のライブ配信では、事前にPR動画で話題を高めることで視聴者を集め、本編終了後にはダイジェスト版を作成・活用するというように、戦略的に集客されているケースも多いそうです。動画はプラットフォームの形式に合わせての同時配信が可能なので、所有するSNSアカウントはフル活用すべきだともお話いただきました。

SNS LIVEでは、その「インタラクティブ」という特徴から、コメントをOFFにするという選択肢はあまり選ばれないとのこと。やはり盛り上がりを醸成するには、うまくコメントをコントロールする必要があるとして次の講演へつなぎました。

講演2 「ライブ配信時の炎上リスク対策」

アディッシュ株式会社 オンラインコミュニティ事業部 マネージャー 宮尾 拓

アディッシュ株式会社 オンラインコミュニティ事業部 マネージャー 宮尾 拓

「ライブ配信時の炎上リスク対策」と題し、最近の炎上トレンドとその対策、そしてライブ配信に必要なリスク対策についてお話させていただきました。

2017年は大小合わせて約1000件もの「炎上」がありました。
そしてそのトレンドは、かつて主流であった従業員による不適切な投稿や異物混入といった「やらかし」によるものから「意図しない炎上」へと変わりつつあります。特にジェンダー規範・社会的マイノリティにまつわる炎上が多く、受け手の立場次第で企画意図と全く異なるように伝わる傾向が顕著です。生活用品メーカーや大手メディア、自治体などこの手の悪意なき炎上で話題になった事例は多数挙げられます。

なぜこのような意図しない炎上が頻発するのか。そこにはネット内での情報を翻訳・拡散する新興ネットメディアの台頭が大きく関係しています。SNS担当者には企画段階ではジェンダー規範や当事者視点に意識を向けること、そして仮に炎上してしまった場合にはネットの文脈をリアルタイムに把握し、論点を外さず対処する心構えが求められていると言えます。

そして、ライブ動画配信におけるリスク対策は一般的なSNSのコメントモニタリングよりも瞬時の判断が求められます。そのため、判断ルールの作成と権限委譲がとても重要です。アディッシュでお客様と定めている監視手順書を一例にあげ、具体的にご紹介しました。

最後はクイズ形式のケーススタディです。ライブ配信中にアイドルが差別的な発言をしてしまったという最新の事例を取り上げ、配信中・配信後の対応について「自分だったらどうするか?」を参加者で考えてみました。ライブ配信中のリスク対策においては、トラブルが発生した瞬間にどう対処するか、最終的な着地も見据えながら考えることが重要として講演を締めくくりました。

まとめ

講演後の質疑応答コーナーでは神崎氏と宮尾との間でさらにお話を進め、

  • どんな環境であれば動画配信ができるか?
  • 初めて動画配信にチャレンジする場合におすすめなのはどのプラットフォームか?
  • どの程度広告の効果を見込めるか
  • 大炎上の事例

など、ライブ動画配信に関するよくある質問やその他の炎上事例について取り上げました。

比較的歴史の浅い「動画配信」と「リスクモニタリング」。ともにそれらを初期から専門事業としてきたCandee社とアディッシュによる、最新事例をふんだんに交えたセミナーとなり、好評のうちに終えることができました。

ライブ動画配信という最新のマーケティング戦略を最大限に活用できるよう、「攻め」と「守り」の両軸で今後もお客様のご支援をして行きたいと感じています。
セミナーの内容についてさらに詳しく知りたいという方、また、今後の取り組みとして興味があるという方は、ぜひ一度お問い合わせをいただければ幸いです。

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この記事を書いた人

アディッシュのモニタリングソリューション「MONI」

ライター

アディッシュのモニタリングソリューション「MONI」

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