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2025.12.02

【2025年11月】SNSで注目の話題と企業への影響

2025年11月は社会的な関心事についてSNSでも議論が活発に行われました。また、企業が注視すべきXの新機能なども話題になっています。

2025年11月 SNSで注目を集めた話題まとめ

1. 高市総理の「働きたい改革」に対する様々な反応

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事実経過

高市総理は新政権発足とともに「心身の健康維持と従業者の選択を前提」としつつ、「労働時間規制の緩和の検討」を表明しました。
また、11月7日に開かれた衆院予算委員会に備えるため高市総理が午前3時から出勤していたことも判明。このような時間になってしまった国会のルールについての議論は別として、「働き方」についてSNSでも話題になっています。

SNS上での反応

「労働時間規制の緩和」に対しては「過労死につながる」などの反対意見があります。一方で「もっと働きたい」、「もっと柔軟に働きたい」という賛成意見もあり、議論が白熱しています。

それでは企業としてどのような点に注意すべきでしょうか?

企業への示唆

賛成派も反対派も「本人の意思に反した働き方」を共通して否定するでしょう。本人が望まない長時間労働、労働に見合わない低賃金を防ぐため、多くの企業が取り組んできました。
だからこそ企業はSNSにおいてはこのようなNGとされる働き方を他人に強いるようなメッセージを発信しないように注意すべきです。

例えば企業の採用担当者がSNSに「若いうちは体力があるから多少無理しても大丈夫!それよりも働きまくって多くの経験をするべき!」と書き込んだら、「ブラック企業!」と評価されることは容易に想像できます。

また、NGな働き方を従業員がうっかり書き込んでしまうことも要注意。例えば「今日で15連勤!夢を叶えるためにがんばる!」という一見前向きな書き込みは、働き方について企業が問題を放置していると評価されるリスクがあります。
働く環境に課題があれば改善が必要であり、発信内容に誤解があれば正しい説明が求められます。

2. 日本各地で出没するクマの影響が企業活動にも及ぶ

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事実経過

日本各地で発生しているクマによる被害が企業活動にも影響を及ぼしています。クマ被害をテーマにした映画の公開延期が決定。全国で死傷者を出すなど深刻化するクマ被害の状況を考慮して制作サイドが決断したと報じられています。

また英国政府は日本への旅行者に向けたクマについての注意喚起をウェブサイトに掲載。観光だけでなく、飲食、小売など各方面への影響が拡大すると予想されています。

SNSでの反応

SNSでは以前よりクマ被害に対して「駆除するべきか、共存するべきか」という議論が活発に行われてきました。被害が数多く報告されていることから、クマの駆除に反対する声に対しては「あまりにも現実を見ていない」という厳しい意見も聞かれます。

またSNSでは行政や企業の動きも検証されています。以前と比べて自身の生活に影響を及ぼす不安感から安全のための対応が取られているか注目されています。
企業にとってもクマ被害は無関係と言えません。人的被害を避けるために企業は何かしらの対策を取るべきという視線が向けられています。

企業への示唆

ある通信インフラに関する企業では、クマの出没によって自治体や警察から立入規制が発表された場合に工事や修理作業を中断するという声明を出しました。
SNSではクマ被害は生命や生活を脅かすものと認識されています。そのため企業も顧客、そして従業員などの安全を優先とした対応が求められます。

すでに年末年始のスポーツなどクマ出没リスクの高いエリアで開催されるイベントへの懸念の声も挙がっています。SNSモニタリングを通じてクマ被害の受け止めについての反響を確認しながらの企業活動が必要となりそうです。

また、クマに関してAIによるフェイク画像が波紋を広げています。町役場が注意喚起のために拡散したところ、後に偽画像だったことが明らかになりました。企業が関わる際にも誤った情報を広げないために情報の精査が求められます。

3. Xの新機能「アカウントの所在地」に注目

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事実経過

X(旧Twitter)に新機能「このアカウントについて(About This Account)」が導入されて話題になっています。この機能はユーザーのプロフィールに新たな情報を表示するもので、コミュニティの健全性向上を意図していると言われています。

新たに表示される情報の中でも特に注目を集めているのが「アカウントの所在地」。IPアドレスなどを基にそのアカウントの拠点となっている国や地域を表示します。
またユーザー名の変更回数も表示されるようになり、なりすましや誤情報の拡散などを行うアカウントを見極めるヒントになりそうです。

SNS上の反応

SNSでは有名アカウントの「アカウントの所在地」を調査する動きが始まっています。例えば海外を拠点に情報発信を行っていたアカウントの所在地が「Japan」となっており、実は国内在住ではないか?などの疑惑が話題になっています。

また、アカウントがVPNを利用している場合にはそれがわかるようになっているため、「所在地を偽っている」と判断するユーザーもいるようです。アカウントによっては「国または地域は正確でない可能性があります」と表示されることも報告されています。

この新機能は導入したばかりということもあり、正確性においてまだ課題があると見られています。
(※Xの新機能の状況は2025年11月26日時点のものです)

企業への示唆

現時点で「アカウントの所在地」は一定の誤った表示を含んでいると考えられます。しかし、Xでは有名アカウントについて調査をして楽しむことがトレンドになっています。

例えば、あるスマートフォンメーカーが競合のスマートフォン端末を利用してXアカウントを運用していることが「このアカウントについて(About This Account)」の表示上で判明。真偽については不明ですが、自社製品ではなく競合製品を利用していることをネタにされています。

まだこのように「いじられている」程度ですが、新たな表示情報が企業に関して想定外のデマや誤情報を発生させるリスクはあります。
まずは自社のアカウントにおける「このアカウントについて(About This Account)」を確認して、リスクとなる要素がないかを把握する必要があります。

まとめ

2025年11月は、「働き方」「クマ被害」「Xの新機能」といった、生活者の不安や関心が高まりやすいテーマが多くSNSで取り上げられました。
これらは企業の姿勢・安全配慮・発信方法が問われる話題でもあり、SNS上での受け止め方を把握しつつ、誤解を招かない丁寧なコミュニケーションが求められます。

企業は日々のモニタリングを通じて社会の反応を捉えながら、自社の方針に即した発信・対応を行っていくことが重要です。

Writer

この記事を書いた人

ライター

田中 裕一朗