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2026.02.04

【2026年1月】SNSで注目の話題と企業への影響

本記事では、2026年1月にSNSを中心に注目を集めた話題を振り返り、それらが企業活動やSNS運用にどのような影響を与え得るのかを整理します。

炎上やトラブルは、必ずしも悪意ある行動から生まれるとは限りません。
些細な判断や認識のズレが、大きな批判につながるケースも増えています。

広告運用やSNSアカウント運用における炎上回避・リスク対策の参考情報として、ご活用ください。

2026年1月 SNSで注目を集めた話題まとめ

1. 生成AIの性的悪用に批判殺到


事実経過

ある漫画家が、Xの生成AI「Grok(グロック)」に対して、実在するアイドルの画像を「ビキニ姿にして」と指示。生成された画像をXに投稿したことに批判が殺到しました。

当初、この漫画家は「作画資料として利用した」と説明。しかしアイドルグループのメンバーが、問題となった投稿に対して強い不満を表明し、投稿の削除を求めたことで一気に注目を集めることになりました。
その後、漫画家は投稿を削除して謝罪。このアイドルに関連するグループとの仕事における取引も停止したことを明らかにしました。

近年、生成AIを悪用して実在する人物を本人の同意なく性的に加工する「性的ディープフェイク」の問題が注目を集めています。多くの女性アイドルグループが被害にあっており、各所属事務所が注意喚起と対応を行っています。

SNS上での反応

本件でのポイントの一つとして、漫画家が「アイドルに詳しい人物」と評価され、相手アイドルグループに関連する仕事も請け負っていたということが挙げられます。
取引関係にあったことからアイドル個人として不満を言い難い構造になっており、「AIを用いたセクハラ行為ではないか?」と批判されています。

SNSでは、AIの不適切な利用だけでなく、当初の反応についても厳しい意見が書き込まれました。
不快であると断言したアイドルに対し、問題の深刻さを理解していないような態度をとったことへの多数の批判が寄せられました。

さらに、当該アイドルグループの運営企業に対しても「メンバーを守るために、より明確な対応を取るべきだったのではないか」との声も上がっています。

企業への示唆

企業としてはまず、「マーケティングにおけるAIの適切な利用」ができているかを再点検する必要があります。
「性的ディープフェイク」に該当するような明らかにNGとなる画像や動画を生成・投稿することはまずないと思いますが、様々な価値観において不適切とならないかを確認するべきでしょう。

また、親しい関係性と判断して「ちょっとした冗談でした」という反応をすると、深刻なトラブルに発展する可能性があります。SNSの担当者が自身で判断・反応をしても、問題のない状況かどうかを正しく分類できるようにトラブル発生時の動きを定期的にチェックする必要がありそうです。

2. いじめ動画拡散に賛否

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事実経過

ある告発系アカウントが今年になって「いじめ撲滅」を宣言。これまではアイドルのスキャンダルなどを告発してきましたが、今後は一般人のいじめについても暴露していくことを明らかにしました。

実際に、このアカウントはいじめ動画を複数公開。大阪の中学生が小学生を羽交締めにして、その後海に突き落としたと説明された動画などが公開されました(その後、削除要請を受け、動画は削除されたと説明されています)。

大阪のケースでは市の教育委員会が「重大ないじめ事案として認識」と認めた上で、対応を行っていることが発表されています。

SNSでの反応

SNS上では、いじめ行為そのものを強く非難する書き込みが相次いでいます。一方で、動画を公開することについて「私刑ではないか?」と問題を指摘する声もありますが、「学校や警察が動いてくれないのならばこの手段に頼らざるを得ない」との意見も見られます。

また、学校や警察に対する不信感を表す書き込みもあります。学校や各地の教育委員会では、いじめそのものが問題であることは当然としながらも、加害児童に関する人権侵害について懸念を述べています。これに対して「いじめ加害者をそこまで守る必要あるのか?」という意見も寄せられています。

さらには「いじめ加害者に関連する企業」というデマにより、無関係な企業に問い合わせが来ているようです。この企業は「名称が類似しているが無関係」という声明を発表しています。

企業への示唆

前述のように、いじめ動画問題により風評が発生するリスクがあります。動画の公開によりいじめ加害者の個人情報を特定しようとする動きがあり、例えば「父親は大企業の〇〇勤務」などの形で企業名が出るかもしれません。「名前が同じ」などの理由で偽情報が発生した場合に十分に否定されなければ想定外に巻き込まれる可能性も否定できません。

またこのような各動きが、子どものいじめだけでなく、社内のいじめやパワハラなどに広がっていくかもしれません。
SNSのトレンドを追いながら自社に関する評判を注視したいところです。

3. 不適切なネットミームで企業投稿が炎上


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事実経過

持ち帰り弁当のチェーン店が公式Xで一般ユーザーの投稿をリポストしました。しかし、その投稿がある漫画作品の一コマを無断転載したものであり、内容としても不適切だったことでトラブルに発展しました。

問題となった投稿では「父親が焼肉弁当を買ってきてくれた」という内容とともに漫画の一コマを引用。この漫画の一コマでは登場人物が美味しそうにカレーを頬張る様子が描かれていました。

その後、この弁当チェーン店が自社の弁当の話題であることからコメントしてリポスト。しかし、この漫画の一コマはインターネットミーム(ネット上の流行ネタ)として有名で、この後の展開としてカレーを美味しそうに頬張ったキャラクターが散布された毒ガスにより命を落とすことで知られています。

漫画の内容として不適切だったことを受けて、弁当チェーン店は謝罪。再発防止のために取り組んで行くことも発表しました。

SNS上の反応

この漫画が「インターネットミーム」として有名だったこともあり、SNSでは「毒ガスで絶命するのは飲食において不適切では?」という意見が書き込まれていました。

一方で「これは流石にしょうがない」という同情の声も寄せられています。ネットコミュニティやSNSをある程度継続的に見ていればこのミームも知っていたかもしれません。しかし、企業のSNS担当があらゆるミームを詳細に把握して対応することは困難です。

今回のトラブルにおいては、企業の対応が比較的早かったこともあり、大きな長期炎上には至らず、短期間で沈静化したと見られています。

企業への示唆

ネット上の流行について背景を踏まえて把握しておくことは困難です。そのため担当者が対策できることは限られてきます。
考えられる方法の一つとしては、SNSアカウントの運用について複数人の視点を入れてリスクを下げるという方法があります。一人では気づくことのできなかったリスクを複数人がチェックすることで発見できるかもしれません。

また一般ユーザーの投稿に反応する際には、その投稿について十分な調査も必要です。自社の投稿と同じレベルでリスクがないかを確認することが求められます。
投稿画像の権利問題、そして誰かを不快にさせる要素がないかを調べた上で反応することが望ましいでしょう。

まとめ

2026年1月は、年末年始によりSNSの利用時間が増加したためか、SNSの使い方などについて深掘りされる傾向が見られました。
今は企業のSNSアカウント運用が安定していても、価値観の変化によりリスクが高まる危険性があります。SNSのトレンドをキャッチしていくことが必要です。

Writer

この記事を書いた人

ライター

田中 裕一朗