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2026.06.10

【2026年5月】SNSで注目の話題と企業への影響

本記事では、2026年5月にSNSを中心に注目を集めた話題を振り返り、
それらが企業活動やSNS運用にどのような影響を与え得るのかを整理します。

炎上やトラブルは、必ずしも悪意ある行動から生まれるとは限りません。
些細な判断や認識のズレが、大きな批判につながるケースも増えています。

広告運用やSNSアカウント運用における炎上回避・リスク対策の参考情報として、ご活用ください。

2026年5月 SNSで注目を集めた話題まとめ

1.百貨店催事に出店した飲食店が不衛生動画で炎上


百貨店催事に出店した飲食店が不衛生動画で炎上
事実経過

大手百貨店の催事に出店したフォカッチャ専門店がSNSに投稿した動画に対して「衛生的に不適切」と批判が殺到しました。

この動画ではフォカッチャ専門店のスタッフがマスクや帽子を着用せずに調理する様子が映っています。スタッフは調理用手袋のまま試食し、そのまま他の食材に触れるなどしたため「不衛生」という厳しい意見が寄せられました。

この状況を受けて百貨店は公式サイトにお詫びを掲載。保健所への報告と相談を行ったことを発表し、再発防止策を徹底することを説明しています。

問題となったフォカッチャ専門店も公式SNSアカウントに謝罪と再発防止についての声明を投稿しています。

SNS上での反応

飲食店の衛生に関連したネット炎上は過去に多く発生してきました。しかし大半はいわゆる「バイトテロ」と呼ばれるアルバイトが食品を不衛生に扱うなどの不適切な内容が原因でした。
しかし今回はふざけている意図はなく、お店や商品をアピールしようとした動画が炎上の原因となっています。

SNSにおける批判は「衛生的に不適切な動画の内容」と「問題のある動画を投稿してしまうSNSの不適切な利用」という2つのポイントで発生しています。

例えば飲食店の情報発信ではなく、個人的に料理をしているだけであれば類似する動画はYouTubeなどにも多く見られます。個人の趣味を発信するSNSでは許されても、飲食店のSNSでは許されない内容であったと言えるのではないでしょうか。

企業への示唆

過去の事例を見ても、食に関連する信頼を損なう内容は大きなトラブルになってきました。前述のように「悪ふざけ」の投稿が炎上してきたことを踏まえてリスク対策を各社してきたことだと思います。

一方で「悪ふざけ」ではなく真面目な投稿にも食の衛生に関する炎上リスクはあります。こちらも投稿する前のチェックをしっかり行う必要がありそうです。

2.ナフサ不足によるパッケージ変更で想定外の憶測が発生


ナフサ不足によるパッケージ変更で想定外の憶測が発生-2

事実経過

中東情勢の影響による原油価格の高騰とナフサ不足の影響で、印刷インクの原料調達が極めて困難な状況に陥りました。これを受けてある大手菓子メーカーはインク消費量を抑えるため主力商品のパッケージを従来のカラフルな多色刷りから「白黒」に変更する方針を発表しました。

メーカー側は、資源を節約しつつ商品の安定供給を続ける意図で変更したと見られています。しかし、原油高騰とナフサ不足についてはSNSで議論が加熱しており、この「白黒パッケージ」も特定の主張とセットで拡散されるケースも発生しています。

SNSでの反応

「白黒パッケージ」は見た目のインパクトも大きく、SNSでは様々な反応が寄せられました。
パッケージデザインの評価については深刻なリスクにはならないと考えられます。しかし、中には「政治的なメッセージや意図が隠されているのではないか?」と推測する意見もあり、無視できない状況になっています。

またAIによって生成されたフェイク画像も拡散しています。その中には細部を見なければ本物と誤認してしまうような画像もあり、企業のイメージダウンにつながるリスクが懸念されます。

企業への示唆

純粋なコスト削減や企業努力であっても、「政治的意図がある」といったあらぬ疑いをかけられるリスクがあります。
企業としては、変更の背景にある事情を明らかにすることで、不要な憶測を未然に遮断することが求められるかもしれません。

また瞬間的に注目を集めたことで悪意のある偽画像が大量に発生することがあります。自社にとって深刻なレピュテーションリスクとなる場合には明確に否定する必要があります。そのためには継続的なSNSモニタリングが必須と言えるでしょう。

3.人気声優を模倣したAIナレーションが問題に

人気声優を模倣したAIナレーションが問題に-1

事実経過

ある大手動画共有プラットフォーム運営企業が、人気声優から動画の削除を求めて提訴される事態が発生。プラットフォーム上の匿名アカウントが、該当声優の独特な低音ボイスを生成AIに無断で模倣させ、多数のナレーション動画を投稿して多額の収益を得ていたことが発端です。

プラットフォーム企業側は「一般的な男性の声であり、混同されない」として反論。プラットフォームとしての管理責任や生成AIを巡る権利侵害の線引きが法廷で争われることとなり、大きな注目を集めています。

SNS上の反応

SNS上ではクリエイターやファンを中心に激しい議論が巻き起こっています。

「声優の生命線である声を勝手に学習・収益化するのは許されない」といった声優側の権利保護を強く訴える意見が殺到。加えて、運営企業側がAI生成音声を「一般的な声」と主張して対応を拒否していることに対しては、「クリエイターへのリスペクトが欠如している」といった企業姿勢への不信感と批判が噴出しています。

企業への示唆

一般的な企業にとっても、プロモーションなどでAI生成コンテンツを利用する機会は日常化しつつあります。「法的に問題ないか」という基準だけでなく、既存のクリエイターへのリスペクトを欠いたAI利用になっていないか?という観点も重要です。

AI生成物が特定の作品や声に「似ているか否か」という判断は、受け手によって非常に主観的になりやすいと言えます。作り手の思い込みによる炎上を防ぐためにも、一部の担当者だけで判断せず、社内で多様な意見を吸い上げ、多角的な視点から潜在的なリスクをいち早くキャッチできるチェック体制を構築することが不可欠です。

まとめ

2026年5月のSNSトラブル事例からは、炎上リスクが従来の「悪ふざけ」だけでなく、企業の真面目な投稿や、安定供給・コスト抑制に向けた取り組みにも潜んでいることが見えてきます。

リスクの多様化に対応するためには、投稿前の多角的なチェック体制と、公開後の継続的なSNSモニタリングが欠かせません。
企業姿勢への不信感につながる批判を避けるためにも、法的な基準だけでなく、SNS上でどのように受け止められるかという倫理的・社会的な視点を意識することが求められます。

Writer

この記事を書いた人

ライター

田中 裕一朗