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2018.06.27

SNS運用の心構えを考える(後編)~SNS炎上を回避するための取り組みとは~

前回の記事「SNS運用の心構えを考える(前編)〜SNS炎上の変遷から仕組みを理解する~」では、SNS炎上から始まるインターネットの炎上のトレンドとその背景について紹介しました。今回はSNS担当者としてSNS炎上を回避するための心構えや取り組みについて解説していきます。

公式アカウントでのSNS運用を成功させるには、戦略的にコミュニケーションを行いながら、同時に炎上やイメージダウンのリスクをいかに回避するか、守りの炎上対策が欠かせません。

しかし、公式アカウントのSNS運用をこれから始めるという方は、SNSでの投稿で何がリスクと捉えられるかを把握されていない場合が少なくありません。リスクと捉えられるのは、「自ら投稿する内容」か「公式アカウントにつくコメント」かの二つです。
後者は商品に対するクレーム(例:副作用に関する書き込み)や違法な内容(例:殺人予告)などの極端な内容で、SNS担当者の個人の努力で未然に防げるものではありません。そのため、前者の「自らが投稿する内容」で炎上の芽を作ることがないように、何ができるかを考えていきましょう。

投稿して大丈夫?事前に注意するポイント

今この記事をお読みの方は、どんな目的のSNSアカウントを想定されているでしょうか。アカウントの目的によって投稿内容は全く異なります。定期的な告知程度の使い方であれば、炎上の可能性はさほど高くありません。基本的には取り上げられた当事者や読んでいる人たちが不快に感じるかどうかというシンプルな話なので、相手の心情を慮って会話ができれば問題ないのです。

しかし、マーケティング目的の場合には特に注意が必要です。新商品発表やキャンペーンの告知などを行う際、話題性のある投稿にするため、別途コンテンツを作ることもあるでしょう。このとき、以下の2点を意識することが炎上回避の大事なポイントです。

SNS運用のポイント1.狙いすぎて過剰な表現になっていないか

 マーケティング目的の場合、基本的にはターゲットが決まっているものです。SNSで話題を集めたいがために、その人たちが「それ、あるある!」と共感し、思わず「いいね!」や「シェア」をしたくなるようなコンテンツを企画し、制作します。しかし残念ながら、その作り込んだ表現が仇になり、ターゲットではない人たちを含めた大勢の不評を買う結果になることがあります。

SNSで投稿するコンテンツはテキストだけでなく、イラストや動画など様々な表現が可能です。最近では顧客をイメージしたイラストをSNSアカウントで投稿して炎上したケースがありました。人物像を鮮明にイメージできるようセリフや補足コメントで作り込まれたイラストでしたが、ネガティブな要素を前面に出した表現や過剰な「いじり」が「顧客を揶揄した不愉快なもの」という評価を招いてしまったのです。

SNSへの投稿前にはSNS担当者だけでなく関係者全員で注意する必要があります。「あるある」狙いで受け手や社会の共感を置き去りにしていないか、冷静に判断しましょう。

SNS運用のポイント2.時流にあった価値観か

 価値観は時代によって変わっていきます。一昔前はネタとして許された表現でも、現在の価値観では問題視されてしまうケースが多々あります。

例えば、ステレオタイプの関西人。誰もが同じイメージを抱くほど頻繁にCMなどで見かけたものですが、いつの間にかほとんど登場しなくなりました。他には「女性らしさ」や「男性らしさ」なども取り上げづらいテーマです。「個」への意識が高く、多様性の議論が進む現代においては、決めつけやステレオタイプのイメージに押し込める姿勢そのものが歓迎されません。また、ネットで話題になったネタを面白がって企業が乗っかるのも危険です。

「愛のあるいじり」と「炎上」に発展する話は紙一重。やはり時代ごとに社会的な価値観は異なることを意識して、テーマ選定を心がけるべきです。

SNS担当者に必要な心構えと取り組み

それでは、具体的にSNS担当者が取るべきアクションとは何でしょうか。

SNS運用の心構え1.ネットでの振る舞いに慣れ、適切なテーマを見極める目を持つ

 炎上はネットの内側で起きた話題や会話がミドルメディア・マスメディアなどを介在して、ネットの外にいる人たちにも共有されることで起きているというのが現状です。

そのためネット上のコミュニケーションに不慣れだと自覚がある方は、まず個人アカウントでSNS運用をやってみましょう。SNSもTwitterやFacebook、Instagram以外にも、さまざまなサービスがあり、使い勝手やユーザー層が異なります。振る舞い方や匿名性が投稿に与える影響について理解を深めるべきです。またネットメディアにも積極的に触れるようにしましょう。記事やコメントなどから世の中の議論の流れが伺い知れます。

先に挙げた通り、あるある狙いで過剰な表現のコンテンツや、時流にそぐわない価値観の投稿は炎上を招きかねません。しかし、例えば人種差別的表現のように明確にNGであるテーマ以外に、世の中で議論が定まっていないテーマを取り上げることも「意図しない炎上」の原因となり得ます。誰かを傷つけたり攻撃したりすることのないよう、SNSの担当者には、社会の情勢や文化、時流の変遷を意識し理解する心構えが必要です。

具体的なアクションに落とし込みづらい部分ではありますが、啓蒙冊子などから知識を得るのも一つの方法です。法務省人権擁護局が発表している「人権の擁護」という冊子には、日本で取り上げられている主な人権課題やそれらに対する国の活動についてわかりやすく紹介されています。基本的な内容ではありますが、ぜひ一度目を通してみることをおすすめします。

SNS運用の心構え2.チェックプロセスを再考する

 SNSにひとたび投稿すると、瞬く間に拡散する可能性があります。そのため投稿する内容やコンテンツは事前の入念なチェックが必要です。

とはいえ、コンテンツ制作を代行する広告代理店といった企業とは違い、一般的な企業にはチェック機関がないことがほとんどです。そのため投稿するまでになるべく多くの人の目に触れるように確認のプロセスを考えましょう。重要なのは、「SNSで炎上しないか」という観点で制作者以外の第三者が関わることです。

企業の公式アカウントでの投稿は会社の顔としての発表です。SNS担当者が問題ないと考えても、誰かが「見方を変えればこう捉えられるかもしれない」と疑問を抱く内容は、議論して見直すべきです。

SNS運用の心構え3.ポリシーを定め、運用ルールを作成する

 これまでお伝えしてきた通り、社会的に議論の余地があるテーマを不用意に取り上げたり、反感を買うような表現をしなければ、投稿してすぐに炎上することはないものです。そのため、SNS担当者が公式アカウントでの表現にしっかりとしたポリシーを持って臨むことこそが、炎上対策の大事な取り組みとなります。

しかし、それでも何かのきっかけで非難される可能性がないとは言い切れません。公式アカウントに向けられた第三者のコメントや、そこでのコミュニケーションに端を発した炎上も起こり得ます。

そのため、SNS担当者には運用ルールを作成することをおすすめします。炎上の可能性が生じた場合にどう対処するか、判断基準を予め設定しておくのです。これはSNSのアカウント上での振る舞いだけでなく、別途謝罪などが必要な場合に誰がどのようなプロセスで対応するのかを明文化した総合的な運用ルールです。有事に慌てず対応できる安心感もありますが、総合的に考えることで「どのようなSNS公式アカウントでありたいか」が整理できます。

具体的にどのようなルールを作成すべきかわからないと言う方は、ぜひ一度アディッシュへご相談ください。アディッシュはSNS運用におけるSNS炎上対策としてSNS監視サービスを提供しており、豊富な実績とノウハウを持ちます。お客様固有の監視基準を作成してSNS運用をサポートするため、注意すべきポイントや対応についてもご相談に応じています。

まとめ

前後編2回にわたり、昨今の炎上の背景とそれを避けるために必要なSNS担当者の「SNS運用の心構え」についてお伝えしてきました。SNS公式アカウント運営において意識すべき点をまとめると以下の通りです。

SNSに投稿する前の
チェックポイント
1.狙いすぎて過剰な表現になっていないか
  2.時流にあった価値観か
SNS担当者の取り組み ・ネットでの振る舞いに慣れ、適切なテーマを見極める目を持つ
 〜人権問題や世間での話題を意識的に知ること
  ・チェックプロセスの再考
 〜多様な視点でインターネット炎上の可能性を摘むこと
  ・ポリシーを定め、運用ルールを作成する
 〜総合的に考えることでアカウントのありたい姿を整理すること

 

何より大事なのは、相手の立場に立って考えることと多様性を認める姿勢。人とのコミュニケーションの根本部分とも言えます。

炎上騒ぎによって企業や商品ブランドのイメージに大きなダメージを与えることは恐ろしいです。ひとたび炎上してしまうとその企業の普段の取り組みや事業内容に関係なく、問題の投稿・コンテンツのみに焦点が当てられてしまいます。
SNSアカウント上では誤解を招く可能性のあるコンテンツや説明不足の投稿をしないと言うことが重要です。
これからSNS公式アカウントを開設しようとしている企業や、本格的に使っていないと言う企業は、ぜひ参考にして今後のSNS運用に活かしていただきたいと思います。

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この記事を書いた人

アディッシュのモニタリングソリューション「MONI」

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アディッシュのモニタリングソリューション「MONI」

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