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2018.04.04

企業の危機管理にソーシャルリスニングが必要な理由(後編)

前回、アディッシュのモニタリング事業部の新人・花子は企業が危機管理対策として実施するソーシャルリスニングについて、アナリストのOから話を聴くことができました。ソーシャルリスニングとは何か、どのようなニーズを持った人が実施するのか、企業におけるソーシャルリスクとは具体的に何かを理解したところです。
今日はその続きとして、実際にリスクを見つける方法から訊いていきます。なぜ、ソーシャルリスニングが企業の危機管理対策につながるのか。その解を求めて、今日も一緒に学んでいきましょう。

企業の危機管理にソーシャルリスニングが必要な理由(前編)はこちら

ソーシャルリスクの見つけ方

花子:それでは実際にソーシャルリスニングを実施する際の手順について教えてもらえますか?
O:はい。全体の大きな流れとしては、概ね次のような流れです。

  1. あらかじめ把握が必要なリスク項目を洗い出し、一覧化する
  2. ツール上で自社名、サービス・ブランド名等のキーワードで検索する
  3. ヒットした書き込みを読み、合致するリスク項目のタグをつける
  4. リスク投稿を発見した場合や投稿が急増した場合は即座に社内へ展開
  5. 要注意と思しき人物を定期的にウォッチする
  6. リスクとする項目を定期的に見直し、ブラッシュアップしていく

花子:なるほど。準備して実行し、必要に応じて対処し、改善していく…なんとなくイメージできますね。
O:ただ、いざ始めてみると難しい部分も出てきます。例えば1「あらかじめリスクと感じる項目」…についてはつい先ほど話したところですね。

花子:「気づいていないリスクが存在している」という話ですね。たしかにお客様が対象とすべきリスクワードを絞り込めているとは限らないので、ここはサポートの必要性を感じます。
O:誰が見てもリスクと言えるような、反社会的勢力との関わりにつながる言葉も対象になるでしょう。もちろん「メインワードに役員の名前を全部入れて欲しい」とか「所属するスポーツの選手名も全部入れて欲しい」というようにお客様から具体的な指定をされることもあります。ちなみに、アディッシュの場合は過去の投稿を調査し、それをもとにご提案してすり合わせていくという進め方をしています。

花子:他社の調査で蓄積した専門業者の提案は、改めて考える良い材料になりますね。
O:そうですね。お客様も真剣に受け取って一緒に考えてくださるのでありがたいです。それから2の「自社名やサービス・ブランド名での検索」についても、効率的に進めるには工夫が必要です。例えば、検索結果に不要な投稿が多い場合は、検索の際にNOTワードをいれて精査すると良いです。また、リスクをどの範囲で拾うかによってリスクワードを入れるか入れないかも判断しなくてはなりません。

花子:たしかに件数があまりに多いと見切れないという問題はありますね。かといって絞り込み方を間違えると抜け漏れが発生しそうなので、適度な絞り込み方、については提案があると心強いですね。
O:はい。それに、3〜5の運用に関しても、リスクの発生を逃さず確実に検知するためには土日を含め24時間365日、常に監視し続ける体制を作らなければなりません。現実的に難しい場合、弊社のような専門業者に依頼することをおすすめします。

花子:実際、もしリスクとなる投稿を見つけたらどのような報告をするのでしょうか。
O:案件にもよりますが、まず収集した投稿に「投稿者の属性」と「投稿内容」でラベル付けをして分類するケースが多いです。投稿者の属性とは、具体的には「従業員」「第三者」「ユーザー」などです。また、投稿内容についても「会社名」「ブランド名」などのキーワードや、サブワード(例:元社員・裏情報・セクハラ・消費者系例:異物・銀歯・髪の毛…など想定するリスクに合わせて設定した言葉)を組み合わせたリスク分類を事前に設定しておきます。そして投稿内容を見ながら1件1件分類作業(ラベル付け)をした結果を、お客様に日報として報告しています。

花子:なるほど。お客様はどんなリスクがありそうか、どの程度SNS上で意見が動いているか、日報でパッと見てわかるというわけですね。ありがとうございます。

ソーシャルリスニングが必要ない企業とは

花子:ところで、すでに幅広い業種の会社がソーシャルリスニングでリスク対策をしているとのことですが、取り組む必要のない会社もあるのでしょうか?
O:そうですね…BtoB事業の企業では優先度が高くないかもしれません。
商品の知名度や影響範囲が一般消費者向けの場合と比べて限定的で、投稿ボリュームも少ないためです。とはいえ、社長が有名人であったりお茶の間に浸透しているCMを流しているなど、世間から注目度が高い企業の場合は別ですよ。

花子:企業の広報活動の方針次第では、重要になる場合もありそうですね。
O:はい。ただ、そもそもリスクは外部からの投稿に限らず、従業員の悪口や機密情報漏洩といった内部からの投稿にも潜んでいるものです。そして先ほどお話ししたとおり、ソーシャルリスニングは潜在的なリスクを見つける取り組みとも言えるものです。その意味ではどの企業においても必要ないとは言えませんね。

まとめ〜ソーシャルリスニングが企業の危機管理で必要とされる理由

ソーシャルリスニングが企業の危機管理で必要とされる理由

花子:今日はソーシャルリスニングが企業の危機管理に必要とされる理由について、初歩的なところから教えていただきありがとうございました。ネット炎上対策、というイメージでいたのですが、ソーシャルリスニングの意義について理解が深まりました。
O:それは良かったです。いまやSNSの持つ拡散力や影響力の大きさに疑いの余地はありません。その上でソーシャルリスニングは「潜在的なリスクに気づかせてくれる手法」であり、「現場で起きていることをほぼリアルタイムに把握できること」に価値があるために、必要とされているのだと思います。

花子:はい。そして確実にリスクを把握するためには、見つけ出すためのノウハウや、運用上のリソースが欠かせないということもわかりました。
O:そうですね。ご自身で十分対処できるという方もいらっしゃいますが、その時間を確保できないというのが多くの危機管理担当や広報担当の方の悩みでしょう。リスクの見つけ方についても、ぜひ私たちのような専門会社を頼っていただきたいですね。最初に無料調査を行い、お客様の事業や目的にあわせて最適な設計をしています。より精度をあげるために、運用後のチューニングも続けています。

花子:もしこれからソーシャルリスニングを行おうか考えている方がいたとしたら、何か伝えたいことはありますか?
O:はい。とにかく大事なのはソーシャルリスニングの目的を明確にすることです。ソーシャルリスニングの結果、問題点の解消や改善のために行動しないとやる意味はありません。「専門的な知識が必要」と先にお話したことと矛盾するようですが、ソーシャルリスニングは特別な取り組みではないと考えています。単に情報の発信元がソーシャルメディアであるだけで、お客様相談室で受ける電話となんら変わりはありません。最終的にどう対処するかは社内に蓄積されているお客様対応のノウハウ次第です。ですから、まずは「何を守りたいか」から考え、ソーシャルリスニングの目的を明確にして始めることをおすすめします。

花子:なるほど、一番大事なのは何のためにやるかですね。今日はお話を聴いて、ソーシャルリスニングがなぜ企業の危機管理につながるのか、よくわかりました。アディッシュはソーシャルリスニングサービスの提供を通じて企業の危機管理の裏方を支えるパートナーなのですね。
O:そうですね。これからも多くのお客様のお役に立ちたいです。ソーシャルリスク対策に迷っている方は、まずは一度お声がけいただければと思います。
アディッシュのソーシャルリスニングサービスの詳細はこちら

花子:今日はありがとうございました。

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この記事を書いた人

アディッシュのモニタリングソリューション「MONI」

ライター

アディッシュのモニタリングソリューション「MONI」

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