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2019.03.13

スマホゲーム運営担当者が円滑なゲーム運営のために意識すべきソーシャルリスクとは

多数のタイトルが日々リリースされるスマートフォンゲーム市場。携わる方々はヒットタイトルにするため、さまざまな取り組みを進めているのではないでしょうか。
その一つが、ユーザーに愛され長くプレイしてもらうため意見交換の場として用意するゲーム内チャットやコミュニティサイト、SNSアカウントですが、そこで欠かせないのがソーシャルリスク管理の意識です。今日はスマホゲーム運営とソーシャルリスクとの関わりについて整理していきます。

1 成熟するスマホゲーム市場の現状

スマートフォン(以下、スマホ)の普及とともに数々のヒットタイトルが生まれ、右肩上がりで拡大してきたゲームアプリ市場。一般社団法人コンピュータエンターテインメント協会(CESA)が発刊した『2018CESAゲーム白書』によれば、2017年の日本国内でのスマホ・タブレット向けゲームアプリの市場規模は1兆3,192億円と推計され、前年比で1,493億円の伸びを記録しています。

しかし現在、スマホゲーム市場の成長は鈍化しつつあると言われています。国内のスマホゲームの売り上げランキング上位には往年のビッグタイトルが多いのが現状です。新作でヒットするタイトルは少なくなりました。またユーザーの多くはリッチなコンテンツに慣れ、新しいゲーム開発はコストが上昇する傾向にあります。ゲームを提供する各企業は、事業の採算の悪化と、スマホゲーム市場の今後の成長に対する懸念を強めています。

2 ゲームをヒットさせるために重要な視点と取り組みとは

こうした背景の下でスマホゲーム事業の担当者は、「いかにファンを獲得し長く愛されるゲームを作り事業を成長させていくか」という大きな課題にさまざまな角度から向き合っていくことになります。

ゲームアプリをヒットさせるためには、評価や認知度に直結しやすいプロモーションやプロダクト開発への投資だけでは不十分です。スマホゲームに慣れたユーザーを相手に高い評価を得るためには、運営のレベルアップが求められます。

プロモーションやプロダクト開発と比較すると一見地味ですが、長くプレイしてくれるファンを育てるためには重要な取り組みです。そのため、運営上発生しうるリスクをあらかじめ意識し、備えておくようにしましょう。

 

さまざまな視点からゲームのヒットを目指す

3 円滑なゲーム運営実現のため考えるべきポイントとは

それでは、円滑なゲーム運営を妨げる恐れのあるリスクとはどのようなものでしょうか。いくつか具体的な場面を挙げて説明します。

(1)ゲームチャット内の投稿・コミュニケーション

ゲーム内のチャットやコミュニティにおいて、殺害予告や誹謗中傷、わいせつな書き込み、出会い目的での投稿など、周囲に不安や不快感を与えるようなコメントが投稿されるリスクがあります。他のユーザーのプレイを妨害するようなユーザー間のトラブルに繋がる可能性があり、離脱を引き起こしかねません。

そのため、チャットやコミュニティ内を監視し問題を早期に発見して、投稿の非表示対応、警察への通報、警告や該当ユーザーの利用制限といった適切な対処が必要です。

健全なコミュニティづくりに成功すれば、アクティブユーザーの維持・向上や新規ユーザーの離脱防止といった結果に繋がります。

(2)レビューコメント

Google PlayやApple storeに投稿されたレビューもユーザーが自由に書き込めるため、リスクを意識すべき一つです。

「アップデートしたら起動しなくなった」「ログインができない」といった不具合の報告や「●●機能がないなんて使えない」「つまらない」といったネガティブな反応、逆に「イベントが楽しみ」「運営頑張ってください!」などのポジティブな反応まで、さまざまな意見が書き込まれます。

オープンな場での酷評にしっかり向き合い、対策の必要があるレビューにはきめ細かくサポートをすることがユーザーの離脱防止につながります。

(3)Twitter上のリスク

SNS、特にTwitter上のコメントも注意が必要です。Twitterはスマホゲームと親和性が高い傾向にあり、公式アカウントを運営しているゲームタイトルは珍しくありません。お気に入り・RT(リツイート)・リプライ等で交流したユーザーに対し、密度の濃いコミュニケーションを取ることは、囲い込みやファン化の促進にもつながります。

ただし、Twitterは「(1)ゲームチャット内の投稿・コミュニケーション」「(2)レビューコメント」よりリアルタイムにユーザーが思ったことを呟くため、「ぜんぜん面白くない」「このガチャどうなの?」と言ったネガティブコメントが投稿されることもあります。これらの生の声を真摯に受け止め、収集し分析することにより、アプリの仕様改善やさまざまなマーケティング活動に活用するようにしましょう。

そうした姿勢がユーザーに受け容れられ、長期的にはゲームへの評価や応援に繋がることもあります。
メンテナンス中には「運営さん、お疲れさまです!」「頑張って!」という応援の声があるゲームなのか、「まだかよ」という風に言われるゲームになるのか。運営者とユーザーとの関係性次第で反応が異なってくるでしょう。

(4)起動バグ・夜間の不具合発生リスク

起動バグや課金トラブル、夜間に発生した不具合なども意識するべきポイントです。利用できない状態が長く続くことにより、ユーザーの満足度が低下し、離脱・不信へつながります。

24時間窓口となるカスタマーサポート担当を置き、迅速かつ丁寧に対応できる体制を組むことが望ましいでしょう。

しかし、実際には十分な予算がなく、社内で体制が作れない企業も多いのではないでしょうか。こうした場合には営業時間外・夜間のリスク監視のみを外注するのも一手です。弊社でも、営業時間外はお問い合わせのメール内容などを監視し、閾値(しきいち)件数を超えた場合に緊急連絡をしてサポートしている企業があります。
24時間体制でカスタマーサポート部門を置かなくても、問い合わせ状況をウォッチすることによりトラブル検知が可能になります。

4 まとめ

スマホゲーム市場のコモディティ化が進む中で、ゲームを魅力的に長く愛される作品にするため、担当者が考えることはたくさんあります。もちろん、ゲームそのものの面白さやユニークなプロモーションが重要なのは言うまでもありません。

しかし、ユーザー体験をより良くする取り組みも、ゲームの評価につながる要素と言えるでしょう。社内で対応しきれない場合にはノウハウのある外部への委託も一つの選択です。

アディッシュは800以上のサービスにインターネットパトロール・リスク対策を提供してきた実績を持ち、スマホゲームも含めた多数のコミュニティサイト監視SNSアカウント監視ソーシャルリスニングを実施しています。ソーシャルリスク対策に精通している専門スタッフもおり、業務設計の段階からご相談いただけます。ご興味のある方はぜひお気軽にお問い合わせください。

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この記事を書いた人

アディッシュのモニタリングソリューション「MONI」

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アディッシュのモニタリングソリューション「MONI」

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