著作権意識への高まり
今夏、記録的なヒット作となった映画の「著作権担当」という公式アカウントが登場。違法にアップロードされた動画の視聴を拡散を止めるように呼びかけたことが話題となりました。
違法動画のURLや視聴を促すようなツイートをしているTwitterユーザーに対して、一件一件リプライを送り注意喚起をしています。
この方法の効果については賛否あるものの、違法動画と戦う珍しい対応として注目を集めました。
これまでにも著作権についての問題は議論されてきました。インターネットの普及によって、「シェア」が生み出す新たな価値に期待をする一方で、著作権侵害については厳しい視線が向けられています。
かつては違法コピーソフトを利用していたことが明らかとなり、ネット炎上に至ったケースもありました。ただし、今ではインターネットを活用していく企業として、著作権への高い意識を持つことは必須となっています。
その上で著作権侵害の可能性を含んだ書き込みをユーザーが行った場合の対応が課題となっています。
ユーザーの著作権侵害はトラブルの種に
今回のケースでは、公式アカウントからの指摘に対して、一部のTwitterユーザーが反発しているという続報もありました。
違法視聴のみならず、その事実をわざわざTwitterに書き込んでしまっていることから、著作権問題は社会全体の課題と言わざるを得ないようです。
違法視聴について書き込み、拡散を行っているユーザーを注意する別のユーザーも存在します。当然ながら彼らの言い分は正しいのですが、該当ユーザーを罰することになるのであれば騒動が複雑化します。
また、「このURLから視聴可能」という書き込みを見てクリックした結果、有害なリンク先に飛ばされる可能性も否定できません。
今回、Twitter上で起こったことですが、同様の書き込みはその他のサイトやネットコミュニティでも発生し得ると考えられます。サイトやコミュニティの運営者として放置することは難しいでしょう。
そもそも権利者からの申し立てがあれば対応を検討すべきです。さらには権利侵害を放置しているようなサイトは広告主が避けるなどビジネス上のリスクが高まる可能性もあります。
ただし、権利侵害にどこまで踏み込むかはサイトやコミュニティとしてのポリシー次第。運営会社としての考え方を明確にする必要はあるかと思います。
コミュニティ運営者の責任として
インターネット普及以前と比べて、様々なものが無料で手に入るようになりました。また「良いものはシェアしていく」ということもインターネット時代ならではの考え方だと思われます。
明確な権利侵害となれば話は別で、許容できるものではないかと思います。ただし、一般ユーザーがプロフィール写真として第三者が著作権を持つイラストを利用した場合となると運営企業によって対応は分かれるでしょう。
当然ながら、違法動画が放置されていたら権利者の金銭的損失は大きくなります。コンテンツビジネスが産業として縮小していく危機とも考えられます。
著作権についての意識が高まっている今だからこそ、運営企業の姿勢は厳しく見られています。例えばコミュニティにおいて、通報として「権利侵害」が寄せられた場合にどのような対応を取るかが評価の対象となるかもしれません。