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2017.03.31

“消える”コンテンツ機能にFacebookも参戦!ユーザーがSNSに求めるものは?

 

“消える”コンテンツの基本

Snapchatの最大の特徴は投稿が“消える”機能。
ユーザーが投稿した写真や動画は時間が来れば自動で消去されます。公開範囲や公開時間を設定する機能もあり、その気軽さで多くのユーザーを獲得してきました。

写真を投稿するユーザーは深く考えずに気軽に投稿することができるでしょう。
また、一方で受け取る側も「今しか見られない!」とアクティブになることが期待されます。

Instagram(Facebook傘下)は2016年8月に新機能「Instagram Stories」を実装。投稿が一定時間(24時間)で消えるというSnapchatと類似する機能を追加したことで世間を驚かせました。

さらにFacebookにおいても先日、「Messenger Day」という新たな機能が発表されました。

Share Your Day in Messenger(Facebookニュースルーム)
http://newsroom.fb.com/news/2017/03/share-your-day-in-messenger/

こちらは「順次導入」という段階ですが、24時間で投稿した写真や動画が削除されるという点においてSnapchatを意識した機能だと言えます。

後追いと言われても、Facebookが導入を決めた理由はユーザーの動き。
Snapchatは昨年夏に1日のアクティブユーザー数が1億5,000万人を記録し、Twitterを抜いたと報じられています。

参考:Snapchat Passes Twitter in Daily Usage(Bloomberg)
https://www.bloomberg.com/news/articles/2016-06-02/snapchat-passes-twitter-in-daily-usage

なぜユーザーは「消える投稿」に魅力を感じるのでしょうか?

ユーザー心理とリスクについて

Snapchatをはじめとする「投稿が消える仕様」がなぜ支持されるのか?
その理由はユーザーが経験してきた「これまでのSNS」と深く関係しているようです。

SNSが登場した頃は、ユーザーはあらゆる内容の投稿をしていました。「SNSに何かを書き込む」こと自体が新しい体験だったと言えるでしょう。
やがてSNSが一般化されると、投稿内容にも高い質を求めるようになります。投稿する心理的なハードルが上がり、これまでのような気軽な書き込みを躊躇すると考えられます。

そのようなユーザーの気持ちに答えたのがSnapchat。「どうせ消えてしまうのだから…」と考え過ぎることなく投稿できる気楽さがユーザーにウケているのではないでしょうか。

また、写真や動画など自分の個人的な情報を全体、もしくは特定のユーザーに対して公開することにも抵抗があるかと思います。プライバシー情報の公開について、ユーザーの意識はかつてより高まっています。しかし、「どうせ消えてしまう」と考えれば、つい警戒心も弱まってしまうことでしょう。

しかし、投稿が消えるからといって何でも投稿していいわけではありません。
一時的であってもインターネット上に公開されたことに違いなく、不適切な情報が拡散するリスクはあるでしょう。また、このようなSNSのセキュリティの弱点が発見された場合に、ユーザーが投稿した不適切な画像が公開されるリスクが大いに高まります。

海外において犯罪に使われることを危惧する声があることも事実です。

決して「危険なSNSを使うべきではない」と主張する意図はありません。このようなリスクを十分に理解した上で警戒心を忘れずに便利なツールを使うべきです。

企業活用とセキュリティ上の注意点

日本において本格的にSnapchatを利用している企業は多くありません。
一方、海外では多くの成功事例も伝えられています。

今後はFacebookやInstagramにも同様の機能が追加されることで、企業の参加も増えてくることが予想されます。

海外事例では「今しか見られない!」というユーザー心理を上手に刺激しています。
例えば、自動で削除されてしまう機能を利用して時間限定のクーポンを配信。その場でユーザーが確認することで、クーポンの利用率を上げることに効果を発揮するでしょう。

また、「どうせ削除されるために気軽に投稿できる」という特徴は企業アカウントであっても同様。マスメディアでのプロモーションで伝えきれない「裏話」などを配信することで、ファンとの関係性を強められるかもしれません。

一方で、企業アカウントだからこそ気をつけたいリスクもあります。

今回紹介しているような「ストーリー」と呼ばれる機能においては、画像を面白おかしく加工できることも人気の理由です。その「ノリ」とも言うべき雰囲気に慣れていない場合、ついやりすぎて炎上の火種となる可能性もゼロではありません。

「気軽に投稿できる」からこそ、発信する情報がユーザーに不快感を与えたり、世間一般の価値観から離れたりしていないかを十分にチェックする必要がありそうです。

SNSの新たな流れに注目していきたいですね。


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