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ブラックフライデーとは?
アメリカでは感謝祭(11月の第4木曜)の翌日の金曜はクリスマス商戦の開始日。この「ブラックフライデー」は一年に一度の大セールの日として、お祭り状態となります。
(小売業者が黒字化することから「ブラックフライデー」と呼ばれる)
普段は値下げをしないようなブランドもセール対象となることから、小売店では前夜から行列が発生。消費者もこの日まで欲しいものの購入を待つなど、大イベントとしてアメリカでは定着しています。
2016年11月より日本でも一部の小売事業者で「ブラックフライデー」が実施されました。日本ではアメリカと異なり、一般的に年末商戦を間近に控えている11月は売上が伸び悩みます。そこで、11月の消費喚起を狙ってブラックフライデーのセールを開催するという動きが大手小売店を筆頭に実施されました。今後この流れは活発化・定着化していくことが予想されます。
新たな試みとして注目されるブラックフライデーですが、レピュテーションリスクにも注意が必要です。消費者との接点が増えるため、風評対策や炎上対策も求められるでしょう。
レピュテーションリスクに大きな影響を
年末商戦におけるレピュテーションリスクとして何が想定されるでしょうか。
1.従業員の書き込みリスク
小売店の従業員が来店客を誹謗中傷するような書き込み、公開すべきでない情報の書き込みなど。通常時よりも忙しくなることから判断力が鈍ってしまうことも想定される。
また、長時間労働など適切ではない「働く環境」について告発する可能性もある。
2.消費者の不満によるレピュテーションリスク
小売店に消費者が詰め掛けた場合、オペレーションの不手際を消費者が不快に感じる可能性がある。また、人気商品を購入できなかった消費者に不満が蓄積することも推測される。
これらの不満が事実と異なる内容でSNSに書き込まれ、拡散していくリスクが発生する。
従業員の書き込みについては、不適切な書き込みと告発について分けて考える必要があるでしょう。従業員のSNS利用について、顧客情報流出などの理由により企業が責任を問われることがあります。また一方で、告発であれば従業員のSOSをキャッチして、働く環境の改善に努めるべきかもしれません。
本格的に「ブラックフライデー」が定着すれば、大きな効果と合わせてオペレーションが混乱することはアメリカの様子を見る限り予想されます。消費者にとってもストレスの溜まる状況になってしまえば、企業に対する評価に影響を与えるでしょう。
リスク対策も体制強化を
クリスマス商戦、年末商戦に備えてプロモーションや店舗のオペレーションなど十分な体制強化をされるかと思います。
同時に目を向けたいのは、企業に対するレピュテーション(評価、風評)リスク対策の強化です。
プロモーションとしてクリスマス商戦や年末商戦についての情報を発信していけば、それだけ消費者が企業のことを思い浮かべる機会が増えます。それらのメッセージがどのように消費者に伝わっているかをSNSリスニングで追いかけていくことは、マーケティングの視点だけでなくリスク対策においても重要です。
また、セール期間中においても消費者の書き込みは活性化するでしょう。全ての消費者を満足させることは困難であり、不満を感じるのも仕方のないことだと言えます。それらの不満に耳を傾け、次回に向けたサービス改善に活用していく一方で、不正確な情報が発信されていないかリスニングをしていくべきかもしれません。
期待の高まる新たな試みにはSNSリスク対策も万全の体制で臨みましょう。
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