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最近の大学の動向として「秋入学」という言葉が聞かれます。日本においては4月入学が一般的でしたが、世界の多くの大学では9月入学を採用。留学生の増加を意図して、秋入学(9月)の導入を大学が検討し始めています。
このことは大学生アルバイトを採用することの多い飲食店や家庭教師、塾講師などの業界にも影響があるのではないでしょうか。
これまでは4月に入学した学生を採用し、研修を行っていたスケジュールの見直しを検討すべきかもしれません。
いわゆる「バイトテロ」と呼ばれるアルバイト従業員の不用意な書き込みを発端とする炎上騒動を経て、各企業の対策も進んできました。もちろん、どのタイミングに入った従業員に対してもSNS利用についてフォローしていく必要があります。ただし採用の波の変化に炎上対策も合わせていかなくてはならないでしょう。
また、本来の秋入学の意図でもありますが、多くの外国人留学生を受け入れる施策を大学は進めています。彼らが手続きをした上でアルバイトに挑戦することもあるかと思います。その際にアルバイト業務、そしてSNSの利用について文化的な解釈の違いを踏まえた上で伝えていく必要も生じます。
公私混同しないSNSの利用について、従業員として学生を雇っていくのであれば企業としても対応が求められます。
それでは具体的にどのような対応が考えられるのでしょうか。
まずは誓約書への署名を必須とする対策があります。そもそも業務に関係する内容をSNSに書き込んではいけないことを記録として残す方法です。場合によっては、損害賠償としての膨大な金額などを提示しながら厳しく釘を刺すケースもあるようです。
この方法は従業員のSNS利用意識を高める効果はあるかもしれませんが、根本的な解決にはなりません。やがて危機意識は薄れていってしまうかと思われます。
また、雇用側に問題があった場合、意味はないと考えられます。例えば長時間労働など就労実態が一般的な価値観と著しくかけ離れていたら、守秘義務違反より以前にそちらを問題視されるでしょう。
炎上はネットユーザーの「規範」が強く影響します。企業としての姿勢に問題があると判断されれば、イメージダウンによる売上へのダメージは必至であり、誓約書によって解決できる問題ではなくなります。
定期的に研修を行うべきですが、その内容についても工夫の必要があるでしょう。
SNSは公開の場であること、書き込んでしまったことは容易に取り消せないこと、周囲にも影響を及ぼすことなど伝えるべきテーマはたくさんあります。「教えられる」だけでなく、自分で「考える」ことが必要かもしれません。
SNSは悪い面だけではなく上手に利用することで大きな良い効果を生みます。企業としてSNSの存在をどのように考えているのか、ガイドラインをいう形で表現して、従業員とコミュニケーションをしていくべきかと思われます。
前述の通り、誓約書で「書き込んではいけないこと」を明文化していたとしても、雇用側に火種があれば意味がありません。
理不尽な状況を告発した従業員に対して、「すぐに消さないと訴える」と詰め寄ったところで、企業に対するネット上の評価が好転するわけではありません。
従業員に対してのやり取り、消費者に対してのやり取りは全て公開の場で行われていると考えるべきです。密室でトラブルを収束させようとする方法は通用せず、コミュニケーションには十分に注意すべきでしょう。
またコミュニケーションの前提には企業としてのポリシーがあります。騒動を受けて、ポリシーに改善の余地はないか、具体的な社内の改善の余地はないかを検討する必要が生じるかもしれません。
これらの火種は書き込み後すぐに炎上するわけではありません。騒動が拡大する以前にも兆候があると考えられます。
SNSモニタリング(ソーシャルリスニング)を通して、この「ヒヤリ・ハット」を検知していくサポートをadishでは行っています。
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